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RTA in biim 2021 Winter に走者として、運営として参加した話

2021年の秋ごろ、Twitterを見ていたら気になる呟きが流れてきた。
「RTAinbiim応募受付開始!ニコ生放送中!」
RTAinbiim?何のことだろう?しかしRTA投稿者デビューしてそろそろ一年というところでの「RTA」という文字につい反応。生放送に足を踏み入れました。

雰囲気が面白そう

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放送途中での参加、当時の私はプレミアムアカウントではなかったため遡っての視聴はできない。まずは潜伏して話を聞いていました。すると進行役の超投げやりなローテンション、からの意味不明なレギュレーション。例として挙げられるゲームがどれもこれもレトロゲーム。しかしなんだか面白そう。特にファミコンやGBの時代は私もよくプレイした時代。何より進行役の適当な態度がとても刺さった。これは楽しめそう。
ただ、私は走者のことを全く知らない。というか動画投稿者で視聴を決めることは殆どないので、見事に参加者や運営の人は知らない人ばかり。流石にbiimさんのことは知っていましたが…(まあこの方は運営ではないですが)
しかも自分はRTAの解説役としてはイベントに出たことがありますが、走者としては未経験。この状態で参加すると迷惑になりそう、しかし面白そうだから一枚噛みたい。そう思っていたら進行役が「スタッフやお手伝いさんはいつでも募集してまーす」とのこと。それなら協力できるかなと思い立候補。同時にこれから協力して知識を付けて、本番受かればいいな程度に走者としても応募した。
ちなみに運営側では私のことを「オウムのゲームの人か」程度に知っていたらしい。(あれ?メトロイドじゃなくてそっちなの…?)

初会議

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運営のお手伝いと言っても、やることはズバリTwitter。技術的なことは自信が無いし、ミラーも私のPCが耐えられるか未知数。とりあえずTwitterで告知や宣伝、そして報告等をしていくのが仕事としては最適だと思えました。あれこれ文章を考えたり割り振ったりするのが楽しかった。やることと雰囲気を覚えつつ週末にちょっと話し合いがあるからと誘われました。そんな仰々しいものではなく、スタッフが増えたから色々喋ろうというもの。時間帯が少し合わないので遅れて参加することにしました。
私は聞き専というのは性に合わず、誰かが配信をしていたらコメントしまくる人間なので、当然ボイスチャットには参加。初めて見た動画投稿者の方々である。誰が誰だかさっぱり分からないので、アイコンが光って声が聞こえた瞬間に名前を見て覚えて行きました。
私は文化祭等でのイベントにおいて、意見はとりあえず言う主義。採用されるかは別として、アイデアはガンガンと投げたい。時間帯は遅かったからか人数は少なかったですが、色々と意見を言えて楽しかった。何よりゲームに対する考え方で少し盛り上がることが出来ました。
なおTwitter以外は自由。何かやりたいこととかあれば自由に提案してねとのこと。助かる。私はイベントではやりたいことを自分で見つける人間なので、最低限の仕事があって後は自由というのは最高でした。色々なところに見に行っては考えを会議で提案。今までの経験も生かせてよかった。

イベントならではのRTA

私はRTAというのは二つの側面を持っていると思っています。一つは競技として、もう一つは番組として。分かりやすく言えば『編集して』動画にするかどうかですね。しかし勘違いしないで欲しいことは、どちらも「タイム」は前提として存在するということです。エンタメなのだからガバたっぷりなのがいいだろ、タイムは二の次だ。というのは違うと思っています。RTAである以上、タイムをしっかりと考えるのは土台。その上で予想外のことで振り回されたり、偶然が重なって突発的なルートになったりと、そのようなものは面白い。わざとやる失敗なんてつまらないだけだ。当然イベントでも同じ、早いプレイを見に来ているのだから操作精度を上げるのは当たり前。しかしイベントなので普段のRTAとは違う。

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まず再走はありえない。タイムを詰めるなら序盤のミスはもう一度やればいい。しかしイベントは一発勝負!見ている人も同じところをもう一度するなんて嫌だろう。よって再走はしない。つまりルートが根本から変わるようなミスは絶対にしてはいけない。幸い走るゲームであるメトロイドドレッドはオートセーブがあるので、そのような場所は序盤のエミースキップくらいだったのでそこだけ慎重にしました。
そして喋りは絶やさない。前回書いた通り私はずっと喋っている方が見ていて面白いと思う。しかし後付けの解説とは違いプレイしながらの話。解説役をそれとな~く募集してみるものの、こんな奴に解説なんて来るわけがない。
さてどうするか…事前に配信でも練習してみるものの、普段から来てくれる方への話と、初見のイベント観戦者への話は内容が異なる。リスナーの方々に本番想定で練習に付き合ってもらって練習したものの、どうしても操作に意識が行く。うーん……いや、もう考えても仕方ないや!本番でなんとかしよう!

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結果何故か口が動いて成功。不思議なもので序盤は超緊張していたものの、色々狙って仕込んだものがあったおかげで次第に自然な話が出来た。そしてコメント返しも出来た。これは視聴者との一体感が欲しかったので何より。

時間が余った

タイムを申請する時、当時の自分のベストは2時間30分程度、多少ミスって…エンディングや事前の準備があって…3時間でいいや!と申請。その後練習しようとほぼ毎日配信。すると少しずつタイムが縮まり、2時間15分程度を出せるようになりました。主催の方にお願いして申請タイムを2時間50分に書き換えて貰った。

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その時、細かい動きをそろそろ詰めようと区間練習を開始。なおこの画像は私の普段の配信画面である。
区間練習は配信しながら動きの最適化を提案しては実行。そして時々リスナーから新しい着眼点がありそれを試しては採用、不採用をひたすら繰り返す。とても楽しかった。今までなんとなくで突破していた箇所の動きを決めていく。それでも流れで動く必要がある場所があるけど、それでも出来る限り言語化していく。やっぱりフュージョンもゼロミもそうだったけど練習が大切なのだ。楽しかったので毎日配信。それが結果として妙なことを生んだ

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2時間10分を切った
区間練習が全て終わった翌日、さあ走ってみようぜ!と皆でワクワクと本走!さあラップタイムを取っていこう…するとみるみる縮んで自己ベストを大きく更新!壁であった10分の壁を破壊した。

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その後、何度かやって自己ベスト2時間6分6秒を出した。なおその頃に手元のコントローラーと右枠にコメントを出すようにした。配信画面もどんどん進化した。
やったぜ!私は成果を出せて嬉しいなあ!と思うものの…エンディング中に「あれ?これRTAinbiimのタイムどうすんの…?」と奇妙な悩みが生まれた。贅沢な悩みなのは間違いないが、本気で悩んでいた。またタイム変更をお願いする?いやいや二度目は流石に…それにもう申請タイムを公開されてるし…どうする?どうやって時間を繋げる?余ったらスーパーメトロイドでも始めるか?いやいやそれは危険だ…
あ、そうだ。余った時間でメトロイドの考察をぶつけてみよう。配信では喋っていることではあるが、もっと大勢にも意見を共有してみたい。もちろん普段来てくれる人もイベントに来るので、新しい考察もしっかり持っていこう。

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大成功。時間をつなぐためにロード時間中に話した背景の豆知識も好評。このようなトリビアはやっぱり皆好きなんだ。結果的に喋りも時間も内容も満足。いい経験が出来ました。

ボーナストラック

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これを読みに来たのだろう?
元々は会議中の提案。「つるポンさん、上九一色村物語できませんか?」とのこと。最後のおまけで真理の実践…OKを出した。面白そうだ。大やけどする可能性はあるものの、自分の趣味は自分がよく分かっている。だって好きなんだもの。この行き当たりばったりなテロリストたちの話が。
最初から最後まで隠し通すつもりでした。なので当選発表があった後の自分の配信でも、「最後のシークレットは何だろう?」「クッキー☆でも流すんじゃない?」と適当にごまかした。今思えば本当に隠すつもりなら触れるべきではなかったか。
何故か伸びまくった上九一色村物語からの視聴者だっているし、そういう雰囲気で締めたい。ボーナストラックでは最初から世界記録を狙っていました。誰が詰めるんだというRTAなので、簡単に塗り替えられると確信していた。結果的に塗り替えられて何より。

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最初はどのように見せようかと結構考えたものの、始まってしまったら見慣れた麻原彰晃の顔と心を躍らせるオウム関連の文字が並び、私の中に眠る少年の心がはしゃいでしまった。ついテンションが趣味に興じるオタクになってしまったのだ。これは反省点。もっと視聴者のことを考えるべきだった。まあ仕方ない。誰もが好きなものの一つや二つはあるだろう。それがたまたま無差別テロ集団だっただけで。

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主催「やったぁ!俺は悪くないからな!」
本番中回線が落ちた。私はやってない、これは間違いなく潔白だ。この大会を見届けた神の遊びだろうか。色々仕込んでいた私だがこればかりは全くの予想外。コメントの瞬間風速が凄まじいことになったらしい。このような偶発的なこともイベントの良さである。
冷え冷えのインタビューを受けながらも、この雰囲気が、RTAinbiimに参加した大きな理由だったのだと改めて思いました。

運営としての経験

走者として楽しかった上に、素晴らしい経験が出来た。タイムも縮まった上にアレの世界記録まで出た。非常に嬉しい。では運営としてはどうだった?これは走者参加以上に得たものが大きかった。それは見聞です。

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今まで全く交流が無かった投稿者の人の意見を多く頂き、どのような考えで動くのか、どのような考えで作るのか。というのが話の節々から伝わってきた。何よりその人の配信に見に行くようになった。最初はイベントを円滑に進めたいから色々な人を知っておきたいという気持ちでしたが、今ではその配信が面白いから見に行っています。そして最も大きかったのは、色々なゲームに触れる機会が出来たこと。正直言ってこのイベントに参加してなければ女神転生をプレイすることは無かった。じゅうべえくえすとを押し入れから引っ張りだすことは無かった。
私は普段から、一つのものを突き詰めたいのならば、それ以外の経験が必要。と思っています。任天堂が似たようなことを言っていた気がしますが、私は同じことを思っています。他のゲームをすることで発見、見え方がある。その経験が他のゲームの細かい場所に現れる。その連鎖で体験が深まる。何年もコンテンツとして消費されるものがつまらないわけがないだろう。その思いで色々なものに手を出していますが、運営に参加して多くの「人」を見ることで、今後の趣味が深まったのは間違いないです。

次はどうする?

間違いなく次も参加したい。当然走者としても運営としても。この雰囲気はとても良い。真面目にふざけて遊んでいるのだ。
ただふざけるのは冷める。真面目にふざけてこそ楽しい。そのためにはどうしても色々と考え、試行錯誤をする。その結果としてふざけた作品が出来る。視聴者はその作品をふざけたものとして楽しんでもらえますが、私にとってはそれ以上に作るまでの真面目な思考が楽しいんです。最高でした。次も協力できることなら色々したいですね。
おっと書いてる間に配信が始まった。よし見に行こう。今これが出来るのが今回の一番の収穫なのだ。

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