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【初演の感想】まとめ|#39『ピース・ピース』札幌演劇シーズン2024-冬

2024年1月27日(土)〜2月3日(土)に上演される弦巻楽団#39『ピース・ピース』。札幌劇場祭TGR2022で大賞&俳優賞をダブル受賞した本作を、早くも札幌演劇シーズンで再演します。

作品の魅力を多くの方に知っていただけるよう、2022年初演をご覧いただいた方に、ご感想を提供いただきました!ぜひ観劇のご参考にしてください。


01. 種村剛さん(北海道大学・教員)

私は脚本を、演劇の骨だと捉えています。名作といわれるシェイクスピアの作品であっても脚本だけ読んで面白く感じることはほとんどありません(興味深い言い回しはありますが)。役者が脚本に書かれたセリフを語り、舞台に人が現れることで、骨に肉がついてきて、演劇は面白く味わい深いものになるのだと思っています。

だから、小説版の『ピース・ピース』が演劇の脚本でもあり、また、同時にきちんと読み物として成立していることに驚きました。

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02. 末広亭柏倉恭三さん(TGR2019〜2022審査員)

派手ではなく、奇をてらうでもなく、淡々と自らの裡にある思い出を紡ぎ織りなす掌編の私小説、三篇。

静謐な空間に、暖かくて優しくて、ほんの少し悲しい、いつだって思いどおりに行かない現実に翻弄される、どこにでもありそうで、どこにも無さそうな、母と子の物語。

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03. むらかみなおさん(宣伝美術/デザイナー)

2022年の観劇で一番泣きました。
「3組の母と娘の関係」という、自分と母の歩いてきた道を振り返らずにはいられない題材が、胸に真っ直ぐ刺さってしまったからです。

個人的な話になりますが、その年はちょうど結婚というライフステージの変化があった年でした。
そして、それに続く次のライフステージについても考えなくてはいけない、そのタイミングにこの劇の主題は非常に強く入ってきました。

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04. 飯塚優子さん(レッドベリースタジオ代表)

読むという行為、語り手という位置は、客観性を担当する。
あるいは内容のほとんどが回想なので「記憶」という主観もはらんでいる。
一方、演者の二人は、語りに合わせて行動するのではなく語られる母と娘の生身に迫ろうとする。

3面の客席のどこに座るかによって、3人の俳優の立ち位置は異なって見え、3人が順ぐりに交代して、3つのお話が続くという「閉じた循環」によって、観客は何を根拠に想像力を働かせたら良いのか、混乱し揺らぐ。そこが面白い。

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05. 桑田信治さん(TGR審査員)

一見、三者三様の母娘関係を描いているようにも見える本作ですが、そこに通底するのは母親との関係の中で自我意識を確立していく「私」の姿です。「小説で読みたいと思った」と前述しましたが、本作は必ずしも小説的というだけではありません。弦巻作品のウェルメイドさは演者が届ける「言葉」の中にこそ絶妙なバランスで存在していて、のちに入手した待望の「小説版ピース・ピース」は期待通りのものでしたが、やはり舞台に接してこそ、この作品の真価がわかるとあらためて感じました。

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06. X(旧Twitter)感想ポスト集

初演は2022年11月。たった2ステージの上演でご覧になった方は少ないですが、たくさんの感想をポストしていただいています。ハッシュタグは「#ピース・ピース」。




弦巻楽団#39『ピース・ピース』

舞台には3人の女優。かわるがわるそれぞれが「母」について語り、少し奇妙な、しかしありふれた母と娘の姿が描かれる。
彼女たちの口から語られる「母」の姿は、『冷たい女』、『弱い女』、そして——。
「母」について語り、同時に「母」を演じる3人の女優。
母として、時に娘としてそこに現れる彼女たちの姿から、母から娘へ引き継がれる祈り、願い、あるいは呪縛を描きます。モノローグのような、ダイアローグのような、そこにあるのは不思議な心の安らぎ。

脚本・演出 弦巻啓太からのメッセージ
自分はあと数年で50歳になります。これまでたくさん脚本を書いてきました。これまで鍛えてきた「自分の書き方」から離れ、新たなことにチャレンジしようと思い、急遽生み出されたのがこの『ピース・ピース』でした。近年の「自然な会話劇」に違和感を感じ、ではどんな会話劇が今現在に有効なのかを模索し、『ピース・ピース』はまず戯曲ではなく「小説」として執筆されました。それを解体しながらもう一度演劇にしていったわけです。
なぜわざわざそんなことを?もちろん、観客の皆さんとより深く舞台を共有するためです。観客の心の奥に響くことを願い、語りながら演じ、演じながら語る、モノローグのようなダイアローグのような舞台が生まれました。
観る方ひとりひとりの心の中に、それぞれ違う母の姿が浮かび上がる筈です。

出演

赤川楓
佐久間優香
佐藤寧珠

日時

2024年1月27日(土)〜2月3日(土)

1月27日(土)18:00
1月28日(日)14:00/18:00
1月29日(月)19:30
1月30日(火)19:30
1月31日(水)19:30
2月1日(木)19:30
2月2日(金)19:30
2月3日(土)14:00/18:00

※全10ステージ
※上演時間は約70分を予定
※開場は開演の30分前

会場

生活支援型文化施設コンカリーニョ
札幌市西区八軒1条西1丁目 ザ・タワープレイス1F(JR琴似駅直結)
TEL 011-615-4859
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料金

前売・当日ともに
一般:3,000円
U-25:2,000円
高校生以下:1,500円

チケットのご購入
ローチケ(Lコード:10051)
道新プレイガイド
・札幌市民交流プラザチケットセンター
・セコマチケット(セコマコード:D24012702)

ご予約(当日清算)
https://ticket.corich.jp/apply/287364/

その他お得な回数券もあり! 詳細は札幌演劇シーズン公式サイトをご確認ください。

スタッフ

作・演出:弦巻啓太
照明:手嶋浩二郎
音響:山口愛由美
舞台美術:藤沢レオ
楽曲提供:橋本啓一
宣伝美術:むらかみなお
制作:佐久間泉真 ほか
主催:札幌演劇シーズン実行委員会、演劇創造都市札幌プロジェクト、北海道演劇財団、コンカリーニョ、BLOCH、札幌市教育文化会館(札幌市芸術文化財団)、北海道立道民活動センター(道民活動振興センター)、北海道文化財団、ノヴェロ、札幌市
後援:札幌市教育委員会、北海道新聞社、朝日新聞北海道支社、毎日新聞北海道支社、読売新聞北海道支社、日本経済新聞社札幌支社、HBC北海道放送、STV札幌テレビ放送、HTB北海道テレビ、UHB北海道文化放送、TVhテレビ北海道、STVラジオ、AIR-G’エフエム北海道、FMノースウェーブ、FMアップル、三角山放送局、北海道
連携:札幌国際芸術祭実行委員会

お問い合わせ
一般社団法人劇団弦巻楽団
メール:info@tsurumaki-gakudan.com


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