手の鳴る方へ

ひとときの病に 苛まれて
葛藤を呼び覚まして 僕は悶える

誘いの手は 目の前にあって
掴めば 楽になれる 今だけ

深い闇の中で 気持ちは増して 膨らむ
幾重にも巻かれた鎖は 錆びついて
欲望に取り込まれた身体が告げた
時は来た

カタチなどどうでもいい ただもう一度だけ満たしてくれ
知りたくなかった
見たくなかった

ただ思考が麻痺して 同じことを繰り返す

阻止する叫びのボリュームを少しずつ下げて
満たされるまで続ける

カタチなどどうでもいい ただもう一度だけ
ダメ もう終わり

生まれる喪失感が 僕を辱め
苦笑を繰り返す 天を仰ぐしかなくて
自分の小ささを知る

他人の声に耳を塞いで

光を消して また鍵を閉める

この世界は 僕には広すぎたから


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