3機目:「ホスピタルクラウン」
「ホスピタルクラウン」(大棟耕介 サンクチュアリ出版)
「やりたいことがわからない」と悩んでいる人がいたら、真っ先に差し出したい1冊。
「beの肩書き」からの連想で、この本を3機目のヘリにしました。
僕がツルハシブックスを始めた理由のひとつが、大棟耕介さんの講演会@新潟市の時に、「ホスピタルクラウン」をサンクチュアリ出版から100冊仕入れてしまったこと。
当時のサンクチュアリ出版営業部長イチカワさんの「西田くん、委託にする?買い切りにする?」の一言が僕を本屋にしたと言ってもいいでしょう。(笑)
自宅に60冊を超える在庫を抱えてしまった僕は、オフハウスで1575円で小さな白いトランクを買い、名刺を作って(しかも大棟さん本人に筆で書いてもらった)、ホスピタルクラウン8冊だけの本屋を始めたのでした。
「本屋やってます、西田です。」
「えっ。どこにあるんですか?」
「これです」(後部座席からトランク取り出してパカッと開ける)
「その本だけなんですか?」
「めっちゃオススメなんですよ。面白くなかったら返金します。」
みたいな強気なスタイル。(笑)
まあ、きりがなくなってしまうので話を進めます。
病院で子どもたちにクラウンをする大棟さん。
もうこの本のオープニングからドキドキしてしまうのだけど。
ああ、これはキャリアの本としても読めるなあって。
キャリアデザインじゃなくて、キャリアドリフトのほうね。(キャリアドリフトについては、10機目までに登場するはず)
この本を読んで僕は、「天職」は選ぶものや探すものではなく、たどりつくものだと思った。
病院でクラウンをする。子どもたちが笑ってくれる。「ホスピタルクラウン」って、目指せるのだろうか?って思った。
もしかしたら、大棟さんの姿を見て、あるいは映画「パッチ・アダムス」を見て、なりたい、と志す子どももいるかもしれない。しかし、「ホスピタルクラウン」自体は仕事ではない。ボランティアだ。
目の前のことに全力を尽くす。目の前の人にすべてを注ぎ込む。
いつのまにか、たどりついている。
「天職」とはそういうものではないか、と僕は思っている。
いや、「天職」という職業、職種があるわけじゃない。「天職」だと思える瞬間があるだけだと思う。
それって、影山さんや兼松さんの言う「be動詞」な生き方なんじゃないかな、と。
昨日、「古本詩人 ゆよん堂」の山田さんと話していて、「サーカス」の話になった。ゆよん堂のコンセプトは「サーカス」のような本屋。
https://yuyondo.thebase.in/
サーカスでありたい。クラウン(ピエロ)でありたい。
あらためてそんな風に思った。
「一期一会」の場で、モノじゃない何かを差し出せるような、そんな本屋をつくりたい。
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