「場のチカラ」とプロジェクト
この夏。
僕の中での一番の収穫は、「場のチカラ」について言語化できたこと。
それは9月3日の「にいがたイナカレッジ」中間研修の前日にもらった、大学生から1つの問いだった。
「場のチカラとチームの力って違うんですか?」
えっ。
即答できず。
思えばこの問いが起点となって、「場のチカラ」の言語化が始まり、それによって、世の中のいわゆる「インターンシップ」や学生を「人足(マンパワー)」としてしか見ていないプロジェクトがどう問題なのか、について見えてきた。
ということで、場のチカラについて。
場のチカラの構成要素は、
1 誰と(with whom)
2 いつ(when)
3 どこで(where)
である。
「誰と」というのが一番重要で、その場を誰と共有しているか、によって場のチカラは大きく変わってくる。
次に「いつ」というのは、時代・社会背景、あるいはメンバーのライフステージやその日のモチベーションなどによって変わってくる。
「どこで」も意外に重要で、そのミーティングをマックでやるのか、スタバでやるのか、景色のよいカフェでやるのかによって大きく場は変わる。
場のチカラを高めるためには「チューニング(音合わせ)」(と僕が呼んでいる)が必要となってくる。
「定例ミーティングのチューニング(例)」
・ミーティングの冒頭5分以内に参加者全員がしゃべること
・「最近あったよかったこと」等、最近ふと思ったことで共感がもらえるものを言う
・ラストに今日のミーティングの感想(できれば、予想できなかったよかったこと)を言う。
※「チューニング」については、後日別途記事を書きます。
以上3つの「場のチカラ」構成要素の上に
4 なぜ(why)
5 誰のために(for whom)
6 何を(what)
7 どのように(how)
が加わると、「プロジェクト」ができる。ちなみにこれはドラッカーの「経営者に必要な5つの質問」1ミッションは何か 2顧客は誰か 3顧客にとって価値は何か 4成果は何か 5計画は何か に対応している。
これ、重要度順に並べているのだけど、上下逆にしたほうが分かりやすいかな。
7 どのように(how)
6 何を(what)
5 誰のために(for whom)
4 なぜ(why)
3 どこで(where)
2 いつ(when)
1 誰と(with whom)
1~3 という「場のチカラ」の土台の上に、4~7というプロジェクトの構成要素がある。重要なのは下のほうであり、これがモチベーションの源泉になっている。
今年、「にいがたイナカレッジ」に参画して思ったこと。それは、4なぜやるか から問われるプログラムになっているということ。
9月3日の中間研修では、この「場のチカラ」の話をして、前日まで行われていた茨城の「チームひきだし」取材型インターンの学びである、「アウトプットするのはチームの力ではなくて場のチカラである」ということを説明した。
その後、「にいがたイナカレッジ」の各プロジェクトの進捗状況についての相互ブラッシュアップ会。
そこでの何名かの大学生の発言が印象的だった。
「最初は〇○な冊子をつくろうと思っていたのだけど、その地域で暮らして、みんなで話していると、そういう冊子じゃなくて○○を作ることにしました。」
ああ、にいがたイナカレッジは、アウトプットを自分で決められるんだ。そしてそれは 4なぜやるか 5誰のためにやるか から考えることから始まるからなんだ、と。
実はそれができるプロジェクトは思ったよりも少ない。
大学生が行く企業インターン(特に短期のプログラム)は、1~6まですべて決まっている。(チューニングしている場もあるかもしれないけど)
裁量権があるのは 7どのようにやるか しかない。
企業がほしい人材としてよく挙げられる「自分で考えて、自分で行動する」っていうのは、7どのように を試行錯誤できる人材のことではなくて、本来はそうではなくて、4なぜやるか 5誰のためにやるか といった経営者思考を持った人材がほしいのではないか。
そして、大学生は、「もっと自分の人生を経営したい」のではないだろうか。
そして、「1誰とやるか(with whom)」を大切にしたいのではないか。
「やりたいことがわからない」っていう現象は、「6何を(what)」しか聞いてないからなのではないか。
場のチカラを高める。
プロジェクトを自ら設計し、経営する。
そんな経験からしか、見えてこないものがあるのではないか、と僕は思う。
※「にいがたイナカレッジ」では、この春からの長期(3か月~)のプロジェクトに参画する大学生を募集します。詳しくは「にいがたイナカレッジ」のページで12月から。問い合わせは西田でも受け付けます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?