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4機目:「プレイフル・シンキング」

4機目は、親愛なる僕の師匠、上田信行さんの1冊「プレイフル・シンキング」(宣伝会議)。

こちらの「プレイフル・ラーニング」(三省堂)も併せて乗ってほしい1機です。2016年2月の立命館大学が会場となった「ワークショップ3.0」に出て、僕は「ファシリテーション」という考え方を完全に転換しました。

それ以来、最初にプログラム内容をあまり決めないワークショップをやるようになった。結果、よくなった気がしています。

その上田さんとの最初の出会いは、「プレイフル・ラーニング」。高知行きの飛行機の中で読んでいて、衝撃が走って、会いたくなっちゃって、フェイスブックで検索してメッセージを送ったことからでした。

さて、その1冊を読んで。

今日は、
Everything is situated.
すべては状況の中にある。
という話。

「可能性」は個人の中ではなく、状況の中にある。

会議とは、ミーティングとは、だからこそやる意義があるのだと思います。個人の時代からコラボの時代へ。

Can I do it? 「私にできるだろうか?」
から
How can I do it? 「どうしたら私にできるだろうか?」

という風に思考を変え、
How can we do it? 「どうしたら私たちにできるだろうか?」
となっていくための会議、ミーティングをしていくことです。

エンジニアリング「設計図のとおりに部品を集めてつくる」
から
ブリコラージュ「その場にあるものを組み合わせてつくる」
へ。これからのまちづくりのヒントです。

そして、僕の興味をもっとも引いたのは「モチベーション」のところ。スタンフォード大学のキャロル・ドゥエック教授は、「マインドセット」の重要性を解いている。

つまり、
自分の能力は生まれつき決まっていて、それ以上になることはない、と思っているか、
たくさんの出来事や失敗を重ねる中で自分はどんどん成長していけると思っているかどうか、
で人生は大きく変わってくるのだと言う。

前者の場合、
関心は「失敗をどう回避するか?」に向かい、
後者の場合は
失敗をどう生かすのか?失敗から何を学ぶのか?
に行くので、チャレンジしやすくなるのだと言う。
その結果成長しやすくなる。

つまり、自分の意識を失敗したらどう見られるだろうか?
ではなく、「課題をどう解決するか?」に向かわせることだ。

そして、教授によると、
「モチベーション」とは
「課題の意味づけと状況を自分でコントロールできそうだという見通し」
のことだという。

ううう。
唸るね。
なるほど。

それを踏まえて、上田信行さんは「プレイフル」をオススメする。

「学び」へのモチベーションを上げるのは、没頭できる活動と環境であり、それがあれば、やる気は生まれてくる、と。

つまり、学ばないのは、
目標がないから、ではなく、
学ぶことが楽しくないからだ、と言うのだ。

そのとおりだ。
そして、それこそが本質だ。

しかしながら、世の大人たちは
学ばないのは、目標や夢がないから、だと思っている。

いや、たしかに、目標や夢があって、
そこに向かって学ぶというのはもちろんあるのだけど、

ゴールがあって学ぶということは
ゴールを達成したら学ばなくなるということだ。

受験で苦労し、成功(合格)した多くの受験生が大学1年生になって、「遊ぶぞ」となるのは、そこにモチベーションの源泉を置いているからだ。

そうではなく、学ぶこと自体がプレイフルになったとしたら、
その学びへのモチベーションは一生つづくのではないか。

僕がいま、「場」づくり、とかを学びたいのは、「場」とか「ファシリテーション」とか空気感とかを感じたり、考えたりするのが好きだから、プレイフルだからだ。

もしかしたら、これがキーワードになってくるのかもしれない。

学びの意欲を継続して生んでいく場づくり。しかもしれは「その人個人と勉強」という1対1の関係ではなく、他者との関係性と通して、形成されていく学びの意欲。

Everything is situated.
すべては状況の中にある。

もっと「場」を見つめよう。

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