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新潟バイパスで聴いたClark


音楽活動を一時期やめていた時、地元の新潟に住んでいて、音楽も全く聴かなかった。バンドを辞めてから、あまり音楽は聴きたくなかった。


でも半年くらいたって、無性に知らない音楽を聴きたくなって県内唯一のタワレコへ向かった。新潟にはタワレコが一つしかない。


アマゾンでポチっても良いのだけど、その時は知らない音楽を自分で物理的に漁って見つけたかった。


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今は無きマイカー


話はそれるけど、新潟は車社会で、一人一台車を持っている。大人が道を歩いてると目立つくらい。

仕事に行くのにも、コンビニに行くのにも車を使っていて、どこのお店にも無料の駐車場があって、東京とはえらい違い。居酒屋にも駐車場があったりして、みんな代行使ったりしてた。

この辺は田舎ならどこでもそうだとは思う。


けど、新潟には誇り高き新潟バイパスがあるのだ。これが便利。

簡単にいうと無料の高速道路みたいなもんなんだけど、一応一般道。でも一般道なのに高架道で制限速度が70~80kmとかで、新潟県民はみんな使ってる。

並行して高速道路も走っているんだけど、場所によっては片側1車線で制限速度が70kmとかになってる。有料なのに。

かたやバイパスは制限速度70~80km、片側2~3車線、無料、もちろん信号はない。PAもあったりもする。(実際は制限速度守ってる人はあまりいなかったと思う。)

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桜木ICから女池IC
奥に薄ら見えるのは角田山

今調べたら全国交通量トップ10に新潟のバイパスが3つもランクインしているらしい。新潟なのに。田舎なのに。確かに朝は激混み。
でも僕は朝早く行動するタイプではないので混雑とは無縁。


・・・・・・・

その日もタワレコへ行くのにバイパスを使った。

ジャンルも特に決めず、大して試聴もせず7、8枚くらいのCDを買った。帰りの車の中で、早速買ったばかりのCDを車のプレーヤーに突っ込んで聴いた。もちろん爆音。バイパスだから音量は気にしない。

1枚聞き終わって、2枚目を入れる。Clarkという人のTurning Dragonというアルバム。全く試聴せずジャケットだけ見て買った。ジャケ買いというやつ。

バイパスを運転しながら夕日が綺麗だったのを覚えている。


Turning Dragonの1曲目、New Year Storm。

体がビリビリした。


それまでバンドばかり、同じようなものしか聴いてこなかった自分にとっては、こんな音楽があるのかと。四つ打ちなのに短調じゃないし、電子音なのに有機的な奥行きを感じた。

エレクトロサウンドに少しアレルギー的なものもあったけど、そういうのを一瞬にして吹き飛ばしてくれた。まさにStorm。

車でバイパスを走りながら、久しぶりにCDを買った高揚感も相まって、脳内にそういう物質がドパァーって分泌してる感じ。

記憶の中では、このとき気持ち良すぎて150kmくらい出てたと思う。あくまで記憶の中の話。


そこからIDM、エレクトロニカとかを聴くようになって、色んなアーティストを知った。
Clarkは今のバンドを始める1つのきっかけだったと思う。

今でも知らないアーティストはSpotifyでよく聴く。だけど、それはSpotifyのアルゴリズムで自分にオススメしてくれるものだったりして、自ら選んだものじゃないことがほとんど。

今さらサブスクがどうとか、やっぱりCDがどうとか言うつもりはないけど、夕方の新潟バイパスで、ジャケ買いしたClarkを初めて聴いたあの時の気持ちは忘れられないでいる。



僕のやっているsynchreというバンドで、初めて作った曲、

「in a vat」

この曲のイントロは、実はClarkのNew Year Stormをパクっ、、オマージュしてます。(この事はメンバーも知らないかも)


Clarkは死ぬまでに1度は見てみたい。こんな世界になって次いつ日本にくるかわからないけど。

僕がClarkを知ってからたぶん2回くらい来日してるんだけど、タイミングが合わず断念。今思えば無理してでも行けばよかった。


最後にClarkで一番聴いたであろう曲を。

この時はまだChris Clark名義。ジャケットが怖い。

それではまた。

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