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ヒトリエ HITORI-ESCAPE TOUR 2024 10-NEN-SAI@恵比寿 LIQUIDROOM ライブレポ


前日の秋山黄色との対バンに引き続き、同じくリキッドルームにてヒトリエのワンマン HITORI-ESCAPE TOUR2024を見に行った。

もともとツアーの日程が先に出ていたため予期せぬ形で2daysとなり、前日の対バンのアンコールにてシノダが「明日もあるのかぁ…」と嘆いていたが、昨日を超えるパフォーマンスを見せてくれたヒトリエワンマンのライブレポ。


19:00 ほぼ定刻通りに暗転し、お馴染みのSEでメンバーが登場する。

昨日と全く同じセッションから始まったのはやはり、「ジャガーノート」である。
前回のエスケープでは主役であったから終盤に披露だったけど、2日続けて初っ端にジャガーノートはテンションがかなりアガる。
フロアも急速に沸騰する。

「10年という時間に比べれば短いが、貴様らを貫くには十分すぎる…3分29秒!」という口上からの「3分29秒」はもはやお馴染みだが、やはり演奏されると手は上がるし、同期音や点滅するような照明も相まって貫かれる。
完璧な演奏を終え、「よっしゃー!」と力強くシノダが叫ぶと、これまた昨日同様 「Marshall A」はテンポだけでなく曲調も含めて緩急が非常に強く、フロアがギュウギュウになる。ライブハウス最高だなぁ〜。
と思っていたら後方の人の手がメガネに当たり、どこかへ飛んでいってしまった。
4曲目終わるまで見つからなかった。(奇跡的にメガネは無傷)Marshall A 恐ろしや…

続く「深夜0時」は正直全く予想していなかった。名盤 「モノクロノ・エントランス」収録の名曲。音源だとサビでのwowakaの美しいファルセットが印象的だが、シノダの力強さをはらんだファルセットがかっこよかった。
また超高速なこの曲でのメンバーの演奏技術の高さ、特にサビ前のセッションでは圧巻だった。

MC
前日の対バンではなかった
「インターネットから来ましたヒトリエです」の挨拶に止まらない拍手。

そして何故かシノダのテンションがかなり高い

「いぇーい!」と言うとフロアも「いぇーい!」と返す。ゆーまおでは無くシノダがやってるのだから驚きだ。ゆーまおもやや驚いたような表情だった。
我に返ったのか 「今のなし…Ctrl+Zで」と何ともシノダらしい言い回しで"無かったこと"にした。

「今日の目標は……全滅!」と力強く宣言すると、笑いや拍手、「うぉー!」など様々なレスが飛び交うが 「どう返したらいいか分かんねぇだろ」と不敵な笑みを見せる。

「おい、ぶっ飛ばすからな」と警告する。

それが「ワールズエンド・ダンスホール」と分かると悲鳴とともに揺れるリキッド。
wowakaのボカロ曲、4人でもライブで演奏してきた。1月のリキッドでも演奏されたが、テンポも全く落ちてなく3人の凄さとともに、3人でも変わらずこの曲を弾き続けてくれることが本当に嬉しい。
ラスサビのシンガロングも前半とは思えないほどフロア全員気合いが入っていた。

続く「Flashback,Flancesca」はシノダらしさ全開の1曲。個人的には初聞きであったため嬉しかったし、シノダにしか書けないような歌詞とメロディーと独特のボーカルが合わさるシノダの世界観に魅了される。
ワールズエンドとはテンポも雰囲気も異なるはずなのに、しっくりくる流れだった。


ハンドマイクスタイルに変わるシノダ。
昨日と同様に新曲「Selfy charm」 この曲は特にボーカルの高低差が激しいのだが、2日連続のアクトだということを忘れてしまうくらいに意図も簡単に、寧ろ昨日より伸びやかに歌い上げるシノダに脱帽した。
イガラシのボーカルも美しい。というか3人全員歌が上手い。 勿論スリーピースだから1人にかかる音数は増えるから演奏が大変だ。しかし、もっとコーラスに参加するイガラシ、ゆーまおも見たいなと贅沢にも思ってしまう。

ハンドマイクのまま「Loveless」はwowaka作の愛をテーマに作られた名曲。
手拍子をしながらも"振りかざした夢で殴り合って 果てに手を握り合うなんて運命" などwowakaの天才的な言葉選びに酔いしれる。
ミドルテンポの曲が続いていたが、

「今からぶっ飛ばすから」と言うと「ヒトリエで初めて作った曲をやる」と続けたシノダ。

ヒトリエが初めて作った曲はもちろん「カラノワレモノ」である。個人的に変わらず1番大好きな曲。
どんどん新しい曲が増えるヒトリエだがこの曲は変わらずライブでやってくれる。それがどれだけ嬉しいことか。
前奏、サビ、間奏、後奏でジャンプするフロアの雰囲気が大好きだ。

息付くひまもなく「さらってほしいの」はセンスレス・ワンダーのカップリング曲である。
綺麗なメロディーでバラード寄りであるが、1番と2番の間奏では異なったセッションがあるなどヒトリエの変態性も垣間見える。

この4曲のブロックは曲のテンポやジャンルは違えど、寒色っぽい曲が続いたように感じた。
そして歌詞が本当にいい曲が揃っていた。


小休憩を挟み、昨日と同じようなMCをするシノダ   「今年で10周年のヒトリエの最前線を表したかのような曲です」

"だから僕は行くのだろう  その先へ"

アニメとリンクさせつつ歌詞を見ていると3人の現在を歌っているようにも聞こえてくる、ヒトリエの渾身の新曲 「オン・ザ・フロントライン」である。なにかファンたちを前へ前へとオールを漕ぎ続けてくれるような…だからこそこのバンドを最前線で応援し続けたいと感じる。

シノダが「よっしゃー!」と叫ぶとまもなく聞き馴染みのあるセッションが始まる。
アンチテーゼ・ジャンクガール」である。初期の方の曲で演奏が大変なこともありwowakaの死後 "封印"されていたが、1月の2daysにて演奏された名曲だ。
1月のMCでシノダは「書くのは簡単だけど…ホントにやるの?」と畏怖していたと明かした。
だからこの時やってくれたことが嬉しかったし、この日再び演奏してくれたことにより、あの日だけの"期間限定"では無いことが何より嬉しいと感じた。やはりヒトリエはどんどん進化している。

昨日と同じ流れとなった「ハイゲイン」、「アンノウン・マザーグース
この流れ最強。ハイゲインで既にとんでもない声量のシンガロングで震えるのに、アンノウン〜でシノダが「お願いがあります。今日1番の声をください」と言ってからのシンガロングは歌っていて、音圧を感じていて胸が熱くなる。


MCの後、セッションを経て始まったのは「目眩」だった。さすがに驚いた。
アルバムIKIのラストソングであり、wowakaもここぞという場面でしか歌わなかった印象があったからだ。
wowakaのように優しくも感情的に歌うシノダに心打たれた。涙が溢れそうになった。

目眩を聞き入って放心状態の中、リキッドルームに電流が走る。あのセッションが始まる。
ヒトリエ1st シングルであり、今年リレコーディングした代表曲 「センスレス・ワンダー」。

目眩で終わってもおかしくなかったが、それでなければこのセンスレス・ワンダーなわけで、前日のアンコールの時のようにギュウギュウになるフロア。溢れそうな涙をしまい無我夢中に踊り狂った。
いつも通り 激しくキメる3人にフロアから大きな拍手が……… 3人が捌けようとしない。

まだ曲があるのか? と察して静まり返るフロア
目眩↪︎センスレスで終わると思っていたが、ここでもう1曲あるのだから…正直分かってしまった。


さくらのいつか」だ。

この曲について以前の投稿にて書き記したので多くは語らないが、生で観て聴いた感想だけ。

シノダの今までとは明らかに違う歌い方、イガラシとゆーまおのプレイングもいつもより激しかったような気がする。
綺麗に奏でようとするのではなく、思い切りがむしゃらに演奏していたように見えた。

目眩で溢れそうになった涙はやはり、
"それでもあなたが好きそうな歌は 書けないよ  書けなかったよ"のシノダの張り裂けそうなヴォーカルで溢れかえってしまった。

ヒトリエのファンの中にはこの曲が"聞けない"あるいは"聞きたくない"人もいる。
ただ、「wowakaを忘れない」ことと「wowakaはいつまでもヒトリエのメンバー」だという気持ちは全員同じだと思う。
4人から3人になったけれど、未だにツアーTシャツの先頭にwowakaと書かれていることがそれを表れている。

この曲をやった勇気に私は大きな拍手をしたい。


〜本編終了〜




〜アンコール〜

MC
3分ほどたってツアーTシャツに着替えたメンバーが登場する。
アンコールはいつも通り演奏と異なり緩い雰囲気で始まる。

前日の対バンについて触れようとするシノダ、
「まぁ昨日誕生日だったんですけど、」と言うとすぐさま拍手が

「いやいや違う!祝われたいわけじゃなくって」と改めようとしたが、ファンによる即興の
Happy birthdayの大合唱が起こると申し訳なさそうに 「ありがとうございます」とお辞儀する。

ゆーまおからは「インターネットエンジェルっていうのキツい」とシノダのXの投稿についての苦言が報告されるとシノダは

「俺だって本気で言ってないよ! まさか10年も一緒にやってきたメンバーに言われるなんて…」と反抗。しかし、「そもそもあれシノダのネタじゃない」と返され勝負あり。

イガラシは1月のリキッドでも話した、「シノダの荷物が場所を取りすぎている」について、
「今回は誕生日のせいで進化が見れませんでした。成長具合は来年以降ですね」と言い笑いを誘う。

続けて「3人になってから話すようになっちゃったけど、次話すのは15周年のとき。10周年の時は話す」とMCに極力参加しないことを表明する。
シノダから「いや受け入れていいの?今年終わったら4年喋らなくなるよ?止めとけよ!」と鶴の一声がかかって \もっと喋って〜/など好き好きに叫ぶフロア。

緩い雰囲気のMCの中、シノダは神妙な面持ちで 「10年前からしたら有り得ない未来になったけど、まだまだ成長してる気がする。10周年だけどまだ階段の途中っていう感じだも思ってる。」と今のヒトリエの強さを言語化してくれた。

ゆーまおの「そろそろアンコールやろう」と声がかかる。


アンコール1曲目は昨日本編2曲目に演奏した「ゲノゲノゲ」。あの緩いMCからゲノゲノゲは、(曲調もだが)ジェットコースターのような展開であり、フロアはノリノリでジャンプする。
いきなりギアが入るヒトリエもそれについていくフロアも見事である。

ゲノゲノゲで盛り上がったフロアを鎮めるかのようにシノダがギターを掻き鳴らす。
何度も聞いたようなフレーズを何度も何度も弾きながら、

「今日は最高だったな!?」と煽るシノダそれに応えるフロア

「いや、今日『も』最高だったな! これからも、ずっとずっと最高なんだろうなァ!」と力強く叫ぶシノダ。

これからもずっとヒトリエは突っ走って強くなって、最高で居続けてくれる。
2日間観てその言葉は絶対本当だということが分かって嬉しくなった。これからもずっとヒトリエが大好きなんだ。

"出会いの数は1つでいい 君がそこにいさえすればいい" wowakaの追悼会ではファン全員のwowakaへの気持ちを代弁したような歌詞に聞こえたが、今ではファン全員のヒトリエに対する思いを代弁したような歌詞に聞こえる 「ポラリス」は、3人になってから初めてスタジオで鳴らした曲である。ステレオジュブナイル同様、力強く前に進むヒトリエを表すような大切な曲なのだ。


"何処にでも行けるはずさ  その光に従って"

"その一歩、足を踏み出した あなたはとても強い人"

"誰もいない道を行ける"


これからもヒトリエという光が北極星(ポラリス)のように自分を導いてくれる気がした。




HITORI ESCAPE TOUR 2024
6/6 @LIQUID ROOM  セットリスト

1. ジャガーノート
2. 3分29秒
3. Marshall A
4. 深夜0時
5. ワールズエンド・ダンスホール
6. Flashback, Flancesca
7. Selfy charm
8. Loveless
9. カラノワレモノ
10. さらってほしいの
11.オン・ザ・フロントライン
12. アンチテーゼ・ジャンクガール
13. ハイゲイン
14. アンノウン・マザーグース
15. 目眩
16. センスレス・ワンダー
17. さくらのいつか

ec.
1. ゲノゲノゲ
2. ポラリス







リキッドのレモネードが大好き

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