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2024.03.14ハンブレッダーズ ワンマンライブ放課後Jタイム 〜15th Special〜EX THEATER ROPPONGI 【ライブレポ】【感想】

結成15周年を迎えるハンブレッダーズ。今や大阪城ホールワンマンを即完するほどの超人気バンド。大阪城ホール完売により、追加公演的な形で城ホール前哨戦を東名で行われることに。

当方、フェスで2回見ただけで完全に"知った気"になっていたが、新アルバム「はじめから自由だった」を聞き、居てもたっても居れなくなり数日前に飛び込み参加を決意した。


19:01 定刻より1分ほど遅れてお馴染みのSE「おはよう」が流れると共にメンバーが登場する。

「スクールカーストの最底辺から、愛と平和を歌いに来ましたハンブレッダーズ始めます」とムツムロからいつもの挨拶。私が普段行くバンドではあまり聞くことの無い黄色い声と大きな拍手の中、新曲「ビートアディクション」から颯爽とスタートする。

城ホールと少し違うセトリを…という情報のみだったため、1曲目は古めの歌か?と予想していたが、してやられた笑
"シャッフル再生じゃなくて絶対あの曲が聞きたいぜ"という歌詞だけで好きになってしまった。
ムツムロにしか書けない音楽好きな我々の気持ちをストレートに代弁するかのような歌詞が大好きだ。もはやムツムロ節と呼ぶべきなのだろうか…。

ゆったりした曲から一変、「ヤバすぎるスピード」さすがはリード曲。ドカンと会場が盛り上がる。

曲が終わると直ぐにムツムロが「放課後Jタイム、赤坂公演来てくれてありがとうございます!俺はココにギター弾きに来ました!」と挨拶するかのように流れるように 「ギター」
フェスのリハのみ聞いたことがあったため、フルで聞けたのは始めて。この曲はやっぱり楽しい。

MC
今回の東京公演開催について、
ムツムロが「大阪城ホールの追加公演みたいな感じなのに、先にやるっておかしいよね笑 そんな15年間だったよね」と言うと 観客からも笑い声が。
また、「今のところ大阪城ホールより盛り上がってる気がする…。大阪城ホールよりは盛り上がらないようにお願いします笑」とジョークを混じえた。
こんな柔らかいユーモア溢れるMCをするんだ…と知らないハンブレの一面を見た。

MCの雰囲気のまま4曲目へ。ムツムロが小さくブレスして歌い出す"マジシャンガール"
と同時に大きなどよめきと歓声。
「スクールマジシャンガール」は、純異性交友に収録されている 甘酸っぱい片思いを歌う"ネバーエンディング思春期"全開の1曲。
自分自身、この曲がハンブレを知ったキッカケであったため形容し難い気持ちになり、手を挙げずに噛み締めるかのように聞き入った。

歌い終わると
「今日初めてハンブレッダーズのライブを見に来た人もいると思うけど、こうしろとか決まりは無くて、自分のペースで楽しんでいってください。『ユアペース!』」と流れるように演奏に入る。
フォークダンスのようなギターリフから始まるこの曲も、スクールマジシャンガールのような、あまりにも解像度の高い青春を感じる歌詞が印象的である。これもまたムツムロ節。
続く「才能」は各々の演奏技術の高さを感じる。そしてサビ前のライムのような心地よい韻を踏む歌詞が疾走感を助長し、サビを引き立てる。

一旦演奏をとめ、小休憩。
「今日はみんながヘッドホンでよく聴いてる曲をやります。」と言うとセッションが始まる。

新アルバムより「DANCING THE ROOM」では、ミラーボールが回りまさにダンスホール。好き勝手に踊るフロアを見て思わず肩を揺らしてしまう。

軽快に始まった「STILL DREAMING」も個人的に聞きたかった曲。イントロからサビ、転調に至るまで全てが聞いていて心地よい。
"ずっと待っていたんだこんな瞬間を"

続いてもアルバム ギターから 「プロポーズ」。
昨年のベリテンで聞いてから大好きになった曲。「プロポーズ」という計画の一部始終についての歌詞はやけに解像度が高く、1つの作品のよう。ラスサビ前のギターソロが「プロポーズ」前の戸惑いや動揺、緊張を表しているかのようにも感じてしまう。(考えすぎ)

MCを挟んで
「地元の曲をやります」として演奏されたのは
「都会に憧れて」
街並みが昔のままであって欲しいという皆が心のどこかで持っている郷愁のようなものを感じるこの曲。
この大都会の真ん中のライブハウスで聞けたことに意味がある。
郷愁から一転、軽快なギターが流れ始まった
「アイラブユー」はとにかくポップでキャッチー。個人的にここが城ホールと違うセトリの箇所であると思った。

演奏が終わるとDr.木島以外が舞台からフェードアウト。
木島のドラムソロが始まる。

ハンブレッダーズ、というより木島のドラムソロは同期からDJプレイのような音を交えてドラムを叩く。なるほどこれがDJ木島たる所以か…
こういったドラムソロはなかなか見たことがなかったので新鮮であったし、ドラムソロ終盤では超高速なドラムを披露し、技量の高さを見せつけられた。

ドラムソロ終盤に再びメンバーが舞台に戻り、そのままセッションへ。恐らくフェスで2回聞いたセッションから演奏された
「ワールドイズマイン」はフェスやイベントでも定番化しつつあるアイコニックな曲。ここぞ!という時に演奏するイメージがあり、やはりメンバーも自信を持って演奏している感じがする。
間髪入れずに でらしのベースがフライングのように鳴り出して始まる「THE SONG」。
この曲の歌詞は特に素晴らしい。
ハンブレッダーズを聞き続ける人へハンブレッダーズからの意思表明のような、とても力強い歌詞が散りばめられている。この曲だけでもハンブレッダーズは裏切らないと確信が持てる。ファンはこの曲が出た時にどれだけ嬉しかっただろう…。

MC 東京(六本木について)
六本木についてや、初めての東京ワンマンについて話した。
最初のワンマンは渋谷CLUB QUATTROであったらしく、でらしは「その頃は疎外感を与えたいつもりじゃないけど、うきくんも居なくて大阪城ホール埋めるなん考えれなかった。とんでもないことになっちゃったよ。ありがとうございます。」とファンに感謝を伝える。
「ココ(木島とムツムロ)は15年もやってるけどお互いどう思ってるの?」と尋ねると
木島は「まぁ…お互い様…」それに対してムツムロは「…?? お互い様が感想?笑  あんまりホームだからってあんまテキトーになるなよ」と諭した。

「東京」
ここで再びバラード。これも恐らく東京公演でしかやらないのではないか。
"東京に来てわかったことが一つだけあった"
"本当に願うのは ド派手な成功じゃなくて お金や権力じゃなくて 君と朝ご飯を食べることさ"
メンバー全員東京出身ではなく、上京してきたハンブレだからこそ書ける曲。そしてどこか都会に憧れてにも通じるノスタルジーな感じ。
"ネバーエンディング思春期"とは異なる大人なノンフィクションな歌詞、どこか自分に刺さるところがあり食い入るように聞き入った。


「東京」が終わると、ここで改めてファンやP.A、照明、マネージャーへも感謝を伝える。
特にマネージャーについては、担当したバンドがアリーナやホールでワンマンをやるのは初らしい。
ムツムロは「俺たちが連れていくとかじゃなくて、みんなで行こうね」と話した。
飾らない、それでいて暖かくて優しい。こういうところが人気なんだろうなと思った。


ムツムロが
「15周年のハンブレッダーズです」と改めて挨拶する。
「15年色々あった。途中でメンバーが変わったりしたけど続けてきました。続けてみて良かったです」と言い歌い出したのは
「銀河高速」であった。
メンバーが脱退し、ハンブレが岐路に立たされた際に出来た曲。やはり名曲だ。


長い夜を切り裂く夜明けのような逞しくキャッチーなギターサウンド、それとは裏腹に葛藤に塗れ重い歌詞。
(重い内容もキャッチーに歌うハンブレは凄い)
この曲があるから今のハンブレがあるんだと再認識した。
これからもこの4人で続けて欲しいと切に願う。

 ここからハンブレ代表曲の応酬。

ムツムロは「この間30歳になりました」と言うと続けて
「30ってめっちゃ大人だと思ってた。でも落ち込む時はめちゃ落ち込むし、30だけどガタガタです。」

「でも俺が落ち込んでても、その瞬間に俺が作った曲で誰かが前を向けたり、誰かの背中を押せてるかもしれない。ホントにいい仕事だと思ってる。
だから俺はこれからも曲を書き続けます。」と力強く話す。

「BGMになるなよ」はコロナ禍真っ只中にリリースされた。
数年前のことなのに昔のように感じるが、あの頃はどこか無力を感じたし、強いられた。
その中で聞いたこの曲の歌詞はとても力強く脳内に焼き付いた。
無力かもしれなけどやり続けるハンブレに少なからず勇気を貰った。
"1番素晴らしい夜はきっとまだ来てないんだ"
銀河高速の葛藤の夜から素晴らしい夜を待つ、この流れも美しく思えた。

「DAY DREAM BEAT」
これもまたハンブレ代表曲。
まるで音楽に生活が支配されてる者たちが主役の物語の主題歌のよう。
この歌の歌詞、一語一句全てが自分に当てはまる。
フェスでも聞いたことはあるが、ワンマンで聞くDAY DREAM BEATは格別であった。
"1人登下校中 ヘッドフォンの中は宇宙 唇だけで歌う"
ラスサビの大合唱。淡い金の照明が揺れて綺麗だった。この光景忘れたくないな。
歌いと終わると 「マジでありがとう!」とムツムロが叫ぶ。
これからもこの曲に幾度となく救われるだろう。

「ありがとうございましたハンブレッダーズでした。最後に、後ろ髪引かれた時は僕が切ってやる!

「グー」は昨年末にリリースされたシングル。
リリース時にムツムロはDAY DREAM BEATやBGMになるなよ とかと同じくこれからのハンブレのアンセムになりそう。とアナウンスしていた。

ハンブレのこれからを高らかに歌い上げるこの曲はファンにとっては希望そのものでは無いのだろうか。生で聞くのはもちろん初めて。
最初の歌い出しから、サビでオーディエンス全員がグーを突き出す瞬間、ラストの大きなシンガロング含めて鳥肌が立ちっぱなしだった。心が震えた。
個人的に1番喰らった。

本編終了。新旧混ぜながら、レア曲もあった序盤〜中盤を終え、怒涛のキラー曲での締めくくり…。ジェットコースターのようなセットリスト。このまま終わっても大満足の本編であった。


〜アンコール〜
終演から2,3分ほど経つとそれぞれ物販のグッズを着用して再登場。
メンバー全員でグッズ紹介やツアーの予定発表などを行う。
最後にFC限定のジャンケンについて、
「僕たちとジャンケンできるって上から目線だよね笑」とムツムロが引っかかると、
「それ以外に言いようがないじゃん」と木島が応戦。そろそろアンコールか…

「厄介だね…厄介といえば家賃、税金、光熱費!」といきなり演奏が始まる。
新アルバムより「サレンダー」はアンコールといえ、アルバムツアー前にこの曲が来るのは予想外であった。

「今日は本当にありがとうございました〜。最後は19の時からある曲を弾いて終わります」
とアナウンスする。

アンコール最後はアナウンスにあった通り、初期曲「口笛を吹くように」
初期曲ということもあり、曲が流れた瞬間、大きな歓声が湧く。
ミドルテンポだが全灯した場内でオーディエンス全員が手を挙げ、一斉にリズムをとる光景は正に大団円。
ムツムロは余力を残すかのように軽やかに歌い上げる。


これから本番(大阪城ホール)に向けて…ということを思い出すが、全編振り返ると15年を詰め込んだ内容となっており、参加はできないものの本番の内容がどうなるのか気になって仕方がない。



個人として初めてハンブレのワンマンを観に行ったが、フェスで見る颯爽と演奏していくハンブレでは見れないMCにはユーモアだけでなく、飾らない優しさや温かさをも感じた。

「30になった」と言っていたが、メンバー全員若く感じる。まだ学生の感じが抜けていないというか…。これは立ち振る舞いではなく、こと演奏してる時に限っての話だ。
 メンバーみな下手に気取ってなく、思うがままに楽しそうに演奏して、コーラスしてるのを見ると心にまだ産毛が生えているような…。
これからもハンブレには大人になりきらないで欲しい…とは意味不明だが、垢抜けしすぎないでいて欲しい なんて自分勝手ながら思ってしまった。




〜セットリスト〜

1.ビートアディクション
2.ヤバすぎるスピード
3.ギター

4.スクールマジシャンガール
5.ユアペース
6.才能

7.DANCING IN THE ROOM
8.STILL DREAMING
9.プロポーズ

10.都会に憧れて
11.アイラブユー

〜ドラムソロ〜
12.ワールドイズマイン
13.THE SONG

14.東京

15.銀河高速

16.BGMになるなよ
17.DAY DREAM BEAT
18.グー

e.c.
1.サレンダー
2.口笛を吹くように



終演後の場内の様子

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