見出し画像

炙りなタウン 「有象無象ツアー」20240225 /w.THE BOYS&GIRLS ライブレポ・感想

 1st e.p「愛憎」を引っさげての有象無象ツアーも6/9公演目。東京・下北沢シェルターで札幌のTHE BOYS&GIRLSとの対バンを見に行った。
ロックバンド最高。ライブハウス最高。と改めて感じたライブレポ。

-THE BOYS&GIRLS-

1/14のペニーレインぶりのボイガル。まさかボイガルが聞けると思って無かったから、高揚した。

開演時刻19:00より約10分ほど遅れて登場したボイガル。Ba.三角さんの髪型の変化に驚くと間もなく「その羅針盤」で軽快にスタート。曲終盤には炙りなタウンの「パンクの彼女」の一部を引用し、「ハイヒールじゃなく、俺はこのコンバースで!」と高らかに歌い上げる。続いて「ボーイ」が流れると待ってました!と言わんばかりに一斉に中央に流れるオーディエンス、もはやボイガル代表曲になりつつあることを肌で感じた。間髪入れず「最初で最後のアデュー」ではダイバーが発生するほどフロアが盛り上がる。いきなり飛ばしてくるボイガル。炙りなタウンに勝ちに来てるとわかった。

Dr.大岡さんがビートを刻む、「今日の皆の帰り道がどうか輝いていますように」とワンマンと似た口上で「国道恍惚線」へ。個人的にかなりライブで聞く機会があるが、その度にその日のライブに色を付けてくれるように感じる。
曲が終わると、「炙りなタウンと対バンする日が近づくにつれ、ヤバイヤバイと思ってたら今日になってしまった。今の炙りなタウンとやるのが怖い。でもライバルには勝ちたい。だからセトリもさっき決めた。メンバーが困惑してるけど、1番困惑してるのは俺。」と話すシンゴさん。
続けて「どうしてもこの曲を聞いて欲しかった!」として流れた「サンキューマイレディオ」はライブでは初聞きだったが、とにかく暖かい。
"この歌が聴こえているなら これは紛れもなくエールさ"  
いい歌詞なんてそこら中にあるだろうが、ボイガルの歌詞はとにかく真っ直ぐで、偽りが無いように聞こえるのだ。だからこそ何度でも背中を押されているのだと思う。
歌の途中で「お前たち!今日まで生きてこれて、息が吸えて良かったな!おめでとう!」というシンゴさんの言葉は暖かかった。
続いて「ロックンロール」"あの時俺のためだけに歌ってくれたような ロックンロール"
ボイガルのロックンロールは本当に自分のために歌ってくれるから大好きだ。

「炙りなタウン、スタッフ、見に来てくれた子の幸せを願ってる」として「手紙の歌」。
新代田でのワンマンでe.c.で聞いたバラード、シンゴさんにとってこの曲は大切なんだと思う。"君の幸せを僕だって願ってる"シンゴさんからの手紙はしっかりと受け取った。
「ライク・ア・ローリング・ソング」では手が上がる上がる。最初に聞いた時から今までワクワクするんだ。そしてお馴染みの 「北海道 札幌からTHE BOYS&GIRLS!」のアナウンス。

小休憩を挟み、新しいアルバムから新曲の「声にならねぇな」札幌ワンマンで1度聞いた印象は少しシリアスなバラードだったが、今回はこんなロックだったっけ?力強かったし、テンポも早く感じた。"壊れてしまっても ガムテープですぐ直そう"という歌詞があるように、シンゴさんはガムテープを持つと、「これがあればいつでも治せる」と話した。
続いて「24」またもフロアが沸く、曲終盤には下手最前に涙しる女性のもとへ行き、「お姉ちゃんどうした?」と駆け寄り、その女性と一緒にマイクを持ち熱唱した。ホントに暖かい。
最後に「炙りなタウンに"愛"と"憎"しみを込めて!」と高らかに叫んで「階段に座って」
この曲も「ロックンロール」のように、自分たちの気持ちを代弁してくれている。何回聞いても胸が熱くなる。

ボイガルは今日も「今日しかできない曲調、今日しか流れないメロディー」を歌った。
どのライブでも全てを出し切り、心を掴まれる。見る度に "貴方がやってるロックバンドが居てくれてよかった"と嘘偽り無く思えるのだ。

THE BOYS&GIRLS   セットリスト

1.その羅針盤
2.ボーイ
3.最初で最後のアデュー
4.国道恍惚線
5.サンキューマイレディオ
6.ロックンロール
7.手紙の歌
8.ライク・ア・ローリング・ソング
9.声にならねぇな
10. 24
11.階段に座って


-炙りなタウン-

CDを聞いて心掴まれ、昨年秋にチッタのイベントで見た炙りなタウン。予想以上のパフォーマンスだったため、本当に楽しみにしていた。

SEが流れメンバーが登場する。
「岡山!炙りなタウン!始めるぞぉ!」

やはり「8mg」からスタート。歌い出しとともにオーディエンスが一斉にステージに向けて移動し始める。ギュウギュウになりながらのシンガロングというか最早シャウト。最高に気持ちがいい。流れるように「63円」に入ると早速ダイバーが続出する。シャウトも胸が震えるくらい大きくてフロアの雰囲気最高だった。
続いて「馬鹿」。どんどんテンポが上がってるんじゃないか?と錯覚してしまうほどにヒートアップしてフロアは熱気で酸素が足りない。
ゆきなりさんのシャウトは想像以上にデカいし、めぐぞうさんは相変わらずすごい形相でドラムを叩いている(最高)。しおきちさんの歌声は音源よりも力強かった。
これが炙りなタウン…と完全に圧倒されてしまった。

満を持して4曲目にe.p.より「パンクな彼女」は先日TVでも披露しており、これから代表曲になるであろう曲だ。ディザー映像を見てワクワクしたのを昨日のように思い出す。続いては「橋本環奈」チッタではリハでうっすらと聞いただけであったので正真正銘のリベンジを果たした。

「シンゴさんはずりぃよ!こんなワシにも優しくしてくれる!優しくしないでくれよ!」

「最初ボイガル見た時、何も知らないで見た。衝撃だった。自分のために歌ってくれてる気がして。ずっと憧れだったんだよ」

「でもさっきシンゴさん、ワシらのことライバルって言ってくれたんだよ!ライバルって言われたからには倒すしかないんだよ!」
と高らか宣言して掻き鳴らした「1998」は炙りなタウンにとってアイコニックな曲。とにかくかっこいい。ボイガルに対する熱い思いを感じたMCから、この曲をぶつけてくるあたりボイガル倒す宣言は本物であり、小細工無しで正面から真っ向勝負する姿はロックンロールそのもの。
続くはショートチューン「最高速度」、「狼煙をあげろ」では「1998」で盛り上がったフロアを一瞬たりとも冷ますことなく間髪入れずにかき鳴らす。
そして今回のライブで個人的に印象的に残った2曲、「ろくでなしの唄」と「ライブハウス」この2曲は特に詩がいい。「ろくでなし」をリズム良くキャッチーに歌い上げる「ろくでなしの唄」のサビ最後の"ロックンロールじゃ世界は変えれないぜ だけどあんたくらいなら救えるかもな" という詩を初めて音源で聞いた時、唸った。なんて素敵な歌詞なんだろうと思った。 しかし初めてライブでこれを聞いた時、なにか自分が描く"ロックンロール"出会えた気がして高揚した。胸が熱くなった。炙りなタウンに、ひいては「ろくでなしの唄」にこれから何度だって救われるんだろうなと勝手に思ってしまった。
そして「ライブハウス」。この曲で、炙りなタウンはライブハウスを"秘密基地"と形容している。ゆきなりさんは「最初は遊びに行く気分で行っていたライブハウスに、いつの間にか救われる場所になってた」とこの日のMCで言っていた。それは私もそうだ。勿論バンドの演奏を楽しみにしているのだが、精神的にしんどい時、私はバンドマンにライブハウスに何度も救われてきた。だからこそ「ライブハウス」を特別な場所だと再認識させてくれるこの歌が刺さるのだ。

ライブも終盤に差しかかる。「反省文」はe.p.収録だが、実はチッタでも聞いていた。この歌詞も好きだ。"生まれ変わっても きっとあのバンドが好きなまま ロックスターに憧れて人生は狂っていく" 私含め、ロックスターに心奪われた者を真っ直ぐに現している。
きっと将来、"武道館即完"してしまうんだろうな…。
新曲「愛とヘイト」はもちろん初聞きであったが音源化を待ち望みにする声も多い。私もその1人である。

ドンドンドン と心臓を叩くようなペダルが鳴る。

「ルナ」もe.p.収録曲だ。

曲途中にゆきなりさんは「最近私おかしいんだ!」と叫ぶ。
曲に再び入る…と思ったが息が合わず…
「ごめん…ダッサ…ダサすぎる」と吐く。
「こんなダッさいワシらでも好きでいてくれるんか?お前らは味方なんか?敵なんか?!」と叫ぶとフロアから暖かくも力強い拍手が鳴り響く。
自分はこれから炙りなタウンをずっと好きでいるだろうと確信した。
"お月様 2人を許して" を"2人"でなく、"ワシら"と歌っていたのも、このe.p.ツアーからアーティスト写真に1人増えたことを強く実感した。

「ゴキブリ人間」は初期曲なため正直聞けるとは思っていなかった。ただあのシャウトをシンガロングを出来たのは嬉しかった笑
続く「音頼み」の選曲にもかなり驚いた。
歌詞の中には "自殺"などシリアスな要素も含まれる一方、"調子はどう"と"一風堂"で韻を踏むなど遊び心もある。
私も生まれ変わってもバンドが好きでいたい。

「渋川」は炙りなタウンで個人的に一番好きな曲で、チッタではリハで少ししか聞けなかったためただただ嬉しかった。

「今日はアンコールないんだ」とゆきなりさんが言うも、フロアは拍手で応える

最後は「初恋」で颯爽と最高にかっこよく終わらせた。残念ながら「MARRY」の演奏はなかった…。


炙りなタウン、ようやく、初めてちゃんと見れた。やっぱり想像以上にかっこよかった。そしてボイガル同様、自分のために歌ってくれてる気がした。こんな近くで見れるのはこの先無いのかもしれない。それでもシェルターで、大好きなボイガルとバチバチでぶつかり合った炙りなタウンを見れたこと誇りに思う。


炙りなタウン     セットリスト

1.8mg
2.63円
3.馬鹿
4.パンクな彼女
5.橋本環奈
6.1998
7.最高速度
8.狼煙をあげろ
9.ろくでなしの唄
10.ライブハウス
11.反省文
12.愛とヘイト
13.ルナ
14.ゴキブリ人間
15.音頼み
16.渋川
17.初恋


めぐぞうが入ってホント良かった…



改めてこのライブが下北で、シェルターで、対バン相手がボイガルで、良かった。本当に特別なものになった。
炙りなタウンもボイガルも、絶対に自分を裏切らない。これからもずっと味方でいてくれる。
なんて身勝手すぎるが本気で思えた。
心の底からロックンロールが大好きなんだと感じられた夜だった。

終演時刻を指すシェルターの名物時計



終演後、小田急線が人身事故により大幅に遅延をしており、帰宅するのに大変苦労した。
この日ライブで聞いた音頼みには、"快速電車に飛び込んだあの子は今頃どっかの誰かの子 生まれ変わっても…バンドが好きでいて欲しいな" という歌詞がある。

もし、このライブを観に来ていたら……。、など野暮なことを考えてしまった。

気分が落ちた時にライブハウスに助けられた人間としては、これからもライブハウスは自分にとってそういう場所なわけで何度も救われるのだろうと、ゆきなりさんのMCと同じことを…
そんなことを思っていたんだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?