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夏の自習『短歌ひと口メモ』(1322字)

こんにちは。^^
毎度お世話になっております。つる です。

『短歌ひと口メモ』、第4回を数えています。
つい先ほど、文法本、

『短歌の文法』藤井常世著、第4章を
読み終えましたところです。
70ページほどありました。

たくさんの文法の事が書かれて
いましたけれども、
一つに絞って書かせていただきたいと
思います。

まず思いましたのは、
文語で即使える文法を書いてみたい、
という事でした。

今回は、『や』を採り上げたいと
思います。

名歌から引きます。

白鳥しらとりかなしからずや空の青海のあをにも染まずただよふ

若山牧水

一首の内に使われています、『や』。
手前に、『哀しからず』とあります。

意味は、哀しくない、ですけれども、
それに『や』がついて反対の意味を
持たせています。

哀しくないか、いや、哀しいのだ

くらいの意味になるでしょうか。
これを『反語(はんご)』と言うそうです。

反語の『や』となります。

本文より、
断定して言うことを強めるために、
言いたいことの反対を言い、
それを疑問の形にするもの。

とありました。

一首の意味は、およそこんな感じでしょうか。

白鳥は哀しくないだろうか、
空の青さにも、海の青さにも染まらずに、
一羽孤独に漂っていることを。
きっと哀しいことであるだろう。

ちょっと自分流の読みをしました
けれども、おおよそは、
こんなつかみでしょうか。

否定の言葉の後に、『や』が付くと、
反語であるかと疑ってみます。

しかしながら、別の使われ方もする
ようです。
それが疑問の意味を表す『や』です。

また引用します。

やは肌のあつき血潮にふれも見でさびしからずや道を説く君

与謝野晶子

露骨に、簡単に申しますと、
人の肌に触れることもしないで、
ただ、生きる道の話などばかりしているあなた、
さみしくはないですか。

くらいの意味、解釈もあり得そうです。

ふれも見で、が私には分かりにくいですが、
触れも見で、として、
触れることも見ないで、と読むでしょうか。
今の私では、『見で』の『で』が、
否定の言葉として詠まれることの
多い気のされます。

見で(見ないで)
知らで(知らないで)

など、使われる言葉の種類は
少なそうですけれども、
文語を使うときは頻度が多そうです。

去らで

どうやら『ア行』で活用するようです。
活用語としては、未然形ということのようです。

話が逸れましたけれども、
与謝野晶子の歌は、
反語ではなさそう。

さみしくはないですか?

という、問いかけとも疑問とも言える
でしょうか。少し皮肉なども
ありそうですけれども、
文法本の著者は、平たく、
単純な ' 疑問 ' 、自然に読まれることを
促しておられました。

『や』の用法は、ある程度の規則の
あるようですけれども、
まずは、反語、疑問の意味と
疑ってみるのも一興かも知れません。

俳句では、切れ字『や』として、
詠嘆を表すようですけれども、
短歌(和歌)でも使えることのようです。

いろいろな意味に受け取れる『や』。
一首を読むなかで、類推する必要も
ありそうです。

それでは今回はこの辺で。🌳

お読み下さります方へ感謝申し上げます。

何かご指摘などございましたなら、
コメント欄へどうぞ。^^
まだ勉強中ですので、
理解の及んでいないところも
あるかと思いますゆえ。m(_ _)m

つる かく 🍵

~ 追記 ~

試しに詠ってみました。☆彡

荒海にただうち濡れて立ち尽くす去らずや吾は生くるを選ぶ

あらうみに
ただうちぬれて
たちつくす
さらずやわれは
うくるをえらぶ

お着物を買うための、 資金とさせていただきます。