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釣鐘じっくり読書会『学習する組織』

 アウトプットするまでが、インプットだ!!と、あの超有名編集者の佐渡島庸平氏の言葉。
 折角、ピーター・M・センゲの大著『学習する組織』を読破したからには、何かしらのアウトプットを残さずにはおられない!

 『学習する組織』の読書会に参加した5人。読み終えてそれぞれに思うところがある。それを1つのノートの記事として、公開しようと思う。


「学習する組織を読んで」
                      木村 友紀

 「学習する組織」は図書館で何度か見かけたことがありまして、いつかは読んでみたいなとは思っていたものの、どうもぺージ数が多そうで、時間がかかりそうだとのイメージもあり、なかなか手が出なかったのですが、今回たまたまpeatixを見ていたら読書会の募集がありましたので参加をさせて頂くことになりました。
 この本を読むうえで大変だったのは、最初の方のページを呼んでも読んでも内容がよく分からなかったということです。後半になるにつれて、徐々にその意味を理解することができるようになったのですが、いつも「これはいったい何のことを言っているのか?」と頭が???になりながら読み進めていました。
 学習する組織の中枢となる考え方というのは、「システム思考」ではないかと私は思っています。実際にシステム思考の考え方は本書で何度も事例を変え、名称を変え、表現を変えられながらも何度も登場するものでした。本の表紙にもシステム思考の図が載せられているほどにシステム思考というのは非常に重要なキーワードといえます。
 印象に残っている事例としては、ビールゲームがあります。ビールゲームというのは、「ゲーム」といいつつもゲームの名前ではないのですが、ビールを販売するというコンビニの事例を基にどうしてビジネスの失敗は起こってしまうのかということを俯瞰的に理解するモデルのことです。コンビニの中では、あるビールの販促を見て、ビールの発注をする。だけど、ビールが実際に届くのには発注をしてからタイムラグが生じてしまいます。その製造元に直接送られて来ればよいが、実際にはその中間地点に卸・配送業者が存在している。そうすると、本来はそうした自社とは異なるプレイヤーのことまでも理解してビジネスを進めなければいけないものの、自社のことばかりを考えてビジネスを進めてしまうと、後々のビールが過剰に余ってしまって、余剰在庫を多く抱えてしまうという事態に陥ってしまうというものでした。これはよくよく考えると、興味深い事例で、自社の自分の部門だけを考えて仕事をされている方というのは、少なくないのではないかと思うのですが、それではいざ問題が広範囲に及んでしまった時にうまく対処することができなくなってしまうことになります。
 このようにビジネスを直線のように捉えるのではなくて、本書ではある事象が他の事象に対して影響を及ぼすという問題をサークル(円)として表現されており、このビジネス上のシステムをいかに見ることができるかが問題をより正しく見ることにつながると書かれていました。
最後に今回の学習する組織の読書会を開催して頂きました谷さん、そして長期間にわたってご一緒させて頂きました皆さんにも感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。ありがとうございました。


創造的緊張を絶えず意識して行動する
  ~『学習する組織』読んで印象に残った点   さとやん

<対象読者と釣鐘じっくり読書会>

 この記事を読んでくださっているあなたは、『学習する組織』がどんな本で、そこからどういうことが学べるのか、ということを知りたい方か、もしくは釣鐘じっくり読書会に参加したいのでこのノートを読んでいるという方か、どちらかに該当されるのではないか、とわたしは勝手に思っております。こうした方々に資するようにこの記事は書かれています。とはいえ、そうでない方に読んでいただいても、読みやすいようには構成しておりますのでご安心ください。
 この記事は、釣鐘じっくり読書会に参加したさとやんが書いております。釣鐘じっくり読書会は谷さんを中心にして昨年(2022年)の冬ごろから活動しています。ざっというと、ある1冊の課題本を1章から数章を深く読むことを目的に開催されている会です。月に2回、水曜日の午後8時から1時間30分程度、担当者がサマリーをして発表し、読書したことや発表に対して話したいことを対話する、という流れで開催されています。
 第1回目の課題本は『ワイズカンパニー』という組織論の著作です。著書は『知識創造企業』を著した野中郁次郎先生、野中先生の弟子にあたる竹内弘高先生・黒篤嗣先生のお三方でしています。第1回目の課題本の各回でも非常に多くのことを学ぶことが出来ました。SECIスパイラルモデルをいかに自分のレベルで実践できるかを考えながら、読書会に参加していた覚えがあります。
 第2回目の課題本が今回記事で取り上げている『学習する組織』という本です。この著者は、ピーター・センゲという人で、この人は組織における教育の問題点をなんとかしようとしてこの本を書いた、というのが本当のところじゃないでしょうか。
 第1回目も第2回目も、どちらも各月に2つ開かれた読書会は、いつ参加してもとても刺激的で、自分の思いもしないような観点や考え方を知ることができました。また、1人で読書するだけだと得られなかったものがたくさん得られた読書会となっています。

<創造的緊張(Creative tension)>

 わたしがこの『学習する組織』を学んで、一番印象に残った言葉があります。それが“創造的緊張”という言葉でして、意味は以下の通りです。
創造的緊張とは、ビジョンと現時点での現状を比べた時に存在するギャップのことです。別の言葉で言い換えると、理想と現状との間の距離といってもいいでしょう。
例えばそれぞれの構成員が学習する意欲を1から10で著したとき、現状が2、理想が8までは持ってきたいとすれば、そのギャップである8−2=6が創造的緊張の実態的な中身です。この理想と現状の落差を認識することで、その落差をどうにかしないといけないという緊張をバネに創造的に上昇していくことができる、とセンゲは言います。
創造的緊張は緊張ではあるので、ストレスのかかるものです。しかしそれがいい方向に働く時、人や組織は大きく変わることができる、とセンゲは考えるのです。
 わたしはこの考え方がとても好きです。緊張するから避けようとするのではなく、あえてその緊張を直視することでギャップを埋めようと具体的に努力できる項目を洗い出せるのです。実際0から何かを作る時、必ず緊張を感じるはずです。たとえば料理、とても美味しいカレーを振る舞って食べてくれる人を喜ばせようとするとしましょう。自分の中でのとても美味しいカレーの味と食べてくれる人が喜びそうなカレーの味、メニューなどを考慮した上で、理想のカレーを考えだします。料理の場合は材料があるだけで、その材料を何も考えず混ぜただけだとその理想の味には到達しません。鍋の大きさや種類、火加減、混ぜる香辛料の比率と量、バターを使うかそれともサラダ油を使うか、炒める野菜・肉を鍋に投入する順番、スープを投入してから入れる野菜や調味料、香辛料を入れるタイミング、こうしたもの全てが整って初めて美味しいカレーとして出来上がります。ひとつでも間違えて、野菜を焦がしたりしたらカレーの味は台無しになります。そう考えれば料理一つとっても理想の達成には必ず緊張を伴うものであり、その緊張を感じるからこそ、よいものを作る心構えができるのだとわたしは思います。
 とはいえ創造的緊張があまりにも達成不可能なぐらいギャップがあいていたり、現実や理想の見積もりが見当違いであったりすれば、創造的ではなく、ただの重荷的緊張となることもあります。また緊張を小さくしたいがゆえに、理想を下げすぎたりしても、実際の障害を飛び越えるバネを小さくし過ぎることになることもありますから、これも安易に問題を易しいものにすり替えるのにも気をつける方が良いでしょう。
 大事なのは本当に現実に即した理想と現状把握をすることだ、ということでしょうね。本書を読んで一番意識しているのは、何か現状改善するときに、わたしはこの創造的緊張です。これからも大事にしたい観点です。

<5つのディシプリンを自分なりの言葉で置き換える>

 あとこの本を読んでいて気になったのはやはり5つのディシプリンです。
ディシプリンとは学習する組織を作る際に各人が身につけておくべき原則といったら良いでしょうか。マインドセットともいうことができるかもしれません。
 『学習する組織』の5つのディシプリンは次のものです。

  1. システム思考

  2. 自己マスタリー

  3. メンタル・モデル

  4. 共有ビジョン

  5. チーム学習

 これらの言葉の要点を自分なりの言葉でまとめてみました。
 システム思考とは、全体を考えて、その要素間のつながりがどうなっているかを見抜く能力です。そして何よりも大事なのは、システム思考している当人自身もまたシステムの一部だということを認識することです。
 自己マスタリーとは、自分ができることを検討することから全て始まるということです。自分から始まることを認識して、最善の行動を取ることを志向します。
 メンタルモデルとは、わたしたちが世界をどう理解して見ているか、というものです。メンタルモデルはパラダイムとも言い換えることができるかもしれません。
 共有ビジョンとは、その組織を構成する各人に共通して思い描いている共通像です。これがあることで組織のメンバーが同じ方向を向いて考えて行動することができます。
 チーム学習は、チームとしてもっとも最適化された学習をすることです。チームのパフォーマンスが最大限になるようにそれぞれの人が自律的に動くことをイメージすれば良いでしょう。
 この5つのディシプリンは、チームで動くだけじゃなくて個人で何か成し遂げる上でも非常に大事な項目だとわたしは感じています。だからわたしは、行動の際にこれら5つのディシプリンを大事にしたいです。

<この記事のまとめ>

 以上、今回はわたしが大事だと感じた創造的緊張と5つのディシプリンを少しだけお話しさせていただきました。あくまでもわたしが大事だと感じた点ですが、この記事を読んでくれているあなたにも必ず役にたつ考え方だと思います。
 とはいえ、本書を読んで響く部分は人にとってかなり幅があって違うと思います。本当にあなた自身が『学習する組織』のような、知的に刺激的な本を読んでもらって、あなたが気になった箇所を参考にして、あなた自身と対峙されるのが最も価値のある読書だと思います。
 もし今後釣鐘じっくり読書会であなたが学びたい本、気になる本が課題本に挙げられていたら、ぜひ参加していただければ、その読書はあなたの精神的成長の糧になることh間違いなしです。あなたと一緒に読書会に参加できるよう、わたしもできる限り釣鐘じっくり読書会に参加したいと思っております。なので、気軽に釣鐘じっくり読書会に参加してみてくださいね。いつでもお待ちしております。


『学習する組織』を読んで
                    さだおかようこ

 先日、デュポンの安全文化の講演を聞いた。デュポンは1802年創業のアメリカの化学メーカーで、1811 年に最初の安全規則が作られ,安全はライン管理者の責任であることを明確にした。 1940 年代には,「すべてのケガは防ぐことができる」という信念から、「安全と健康」,「環境への責務」,「企業倫理」,「人に対する公正で敬意をもった対応」という四つのコア価値に基づいて経営され、誰であろうとこれに従って行動する。安全文化も第 1 段階「反応型安全」から始まり、第 2 段階は「依存型安全」、第 3 段階は「独立型安全」と進み、各自がルールや手順を理解し実行する。第 4 段階は「相互啓発型安全」になると、互いに信頼し頼りあい、相互啓発としていく状態になるそうだ。本書ではデュポンの話は取り上げられていないが、この読書会が終わったあとに、この講演を聞くと、学習する組織に似ていると思った。一人一人がビジョンやルールに基づき行動するが、現場ではときに個人や組織での学習障害が起こり、事故につながる。原因と結果を受けて、学習する組織の5つのディシプリンである、システム思考、自己マスタリー、メンタルモデル、共有ビジョン、チーム学習を、再発防止のためには、工事部門だけでなく、設計、管理、営業のそれぞれの部門で見直していく必要性をみなが考えることで、安全文化として構築されるのだと思った。
 私は、数年前に別の読書会で『「学習する組織」入門』を取り上げたことがある。この本は、5つのディシプリンを中心に小田理一郎さんが書かれたのであるが、学習する組織は結構とらえがたくもあり、単純な感じに思っていた。自己マスタリー、すなわち個人の成長を目指し、独創的な仕事に取り組み、受け身的な視点ではなく、創造的な視点で生きるということに興味を持っていたと思う。今重要なのはマネジメントなどのメンタルモデルの更新だろう。
 今回、半年近くかけて『学習する組織』をみんなで1章ずつ読み進めていき、学習する組織全体に触れることで、人に備わっている内発的動機、学びたい好奇心、学ぶことの喜びをいかすことで、個人がマネジメントと対話によって最高の組織となっていくことがわかり、インプット的にはよかったと思う。本書は、2011年に発行されているが、原著は1990年代に出版されているようだが、組織でおこる不具合の実例は、20年以上経っても、同じような問題はまだ残っている。日本の会社は組織から個人の能力に重点をおく時代から、チームで働くことが問われてきているので、古びることのない内容であった。毎回の読書会でも、話し合いの中から新たな視点が生まれ、アウトプットのやり方の話もあり面白かった。
 最終章に近づくと自然界のパターンを知り、地球規模でのシステムを考えていく話になってくる。今でいう、環境、サステナビリティの問題を提起し、私たちはそのシステムの一員であるとしており、この学習する組織の先見性に感じ入ったのであった。


学習する組織を読んで
                        かねこ

 本のタイトルにある「組織」と聞くと、組織開発を思い浮かべる方も少なくないのではないでしょうか?人やグループの関係性に着目した章もありましたが、それだけではなく、個人のビジョンからチーム学習へ、さらにシステム全体をシステム思考という枠組みで支えているという、視野の広がりを感じる構成になっていました。時にはミクロに、またある時にはメタな視点で分析されており、参加者の方とどのディシプリンにも通ずるかといった対話をすることができたことが記憶に残っています。
(ディシプリン:学習する組織の要素技術。五つのディシプリンが述べられています。)

 本の内容で印象に残っていることは2つあり、「学習障害」と「問題のすり替わり」です。
「私の仕事は~~だから」と言って自分の職務とアイデンティティが混同し、自分の属する事業全体へ目を向けていない人が居る弊害の事例が紹介されており、これが学習障害を引き起こしています。(狭い範囲の周囲を含む)自分の責任範囲さえ対処的にうまく回せば切り抜けられる、「悪いのはあちら」で障害が起こることは仕方ない、といったシステム全体が捉えられず悪循環を抱えている社会が述べられていました。狭い視点のみで物事を判断すると、一見すると自分の仕事は循環しているが、他の部署のサイクルは滞っていたり対処療法的にサイクルを回そうとしてうまく行かず、システム全体としては悪循環を生み出してしまいます。自分が成功するためには、他の人も成功しなければならないマクロな視点が大切であることを改めて感じました。
 根底にある問題が漠然としているか、あるいは取り組むことの犠牲が大きい場合、他の解決策で応急処置的に他の解決策を取ろうとする、つまり「問題のすり替わり」が起きてしまうことの説明も印象的でした。『応急処置は問題の症状を素早く解決できるが、根本的な解決の方がシステムの改善にはるかに効果的に作用する。対処療法を繰り返すと根本的な解決策を発動するのがいっそう難しくなる。』との説明を読み、自分の目の前の問題を真っ先に片付けようとした結果、その突貫工事を根本から修繕する際にさらに莫大な時間と労力がかかるイメージを重ねながら読みました。イレギュラーが起こると、まずは自分の周りがうまく回るように考えがちですが、影響を与える範囲は何処までであるかを理解し、受け身で対処的に済まさず、長期的にシステムがうまく回るよう根本療法を念頭に置いて考えなければならないことに気づかされました。アクシデントが起きた時こそ、根底にある問題は何かを考え、一瞬立ち止まり、今から自分がしようとしている行動は対処療法ではないかを考えようと思います。

 上で紹介した箇所以外にも、ミクロとマクロの関連性を気づかされる事例がいくつもありました。システム全体がうまく回るには両方の視点が必要であり、まずは個人のビジョンから組織へ、システムへと視点を広げていこうと思います。


「学習する組織」5つのディシプリンのひとかけ      
                       おとん

 私が主宰する釣鐘じっくり読書会で、じっくり読む本として、ピーター・M・センゲの「学習する組織」を取り上げた。 この本は、ページ数580ページの大著でありまた組織学習の分野ではバイブル的な存在である。その本を半年かけて、5人で読み進めた。絶対ひとりでは途中で挫折しそうな量でなく骨のある内容だったが、5人の仲間いる安心感と責任感が最後まで継続して読む気力を与えてくれた。
 現代社会は、複雑化し動的になってきている。この本が発刊された2011年の時点でそのように記されている。現在、それは更に進み、VUCAと言われる先が読めない時代となっている。そんな中で、仕事はさらに「学習に満ちた」ものにならなければならない。トップひとりが戦略を考え、全社に命令を従わせることは不可能になっている。将来、真に卓越した組織になるためには、組織のあらゆるレベルで、人々の決意や学習する能力を引き出す方法を見つけることである。そのような組織が「学習する組織」である。

 「学習する組織」には、5つのディシプリンが必要である。すべてのディシプリンについて、くわしくは本書を読んでいただくことをおすすめする。ひとりで難しい場合は、仲間に声をかけて複数の仲間と読むことをおすすめする。 5つのディシプリンとは、「システム思考」、「自己マスタリー」、「メンタル・モデル」、「共有ビジョン」そして「チーム学習」である。 この5つはどれが欠けてもいけないものである。しかしここではあえて、2つだけを選んで、私が5つのディシプリンから受け取ったひとかけについて書いておきたい。
 ひとつは、「システム思考」、そしてもうひとつが、「自己マスタリー」である。

 「システム思考」は、ビジネスそのものである。ビジネスの中では、いろいろな個別の業務が動いている。その業務は他の業務と連携してる。またときには、相反するものもある。連携しているものも、相反するものも、その上位のシステムの一部と機能している。一企業というシステムは、ある地域経済や系列や業界というシステムの一部と機能しているのである。 そんななかで、ある問題が起こる、それに対応するために一番目にする身近なシステム内で対処しようとする。しかし、なかなかうまく問題が解決しない。一旦解決しても、また問題が発生する、しかももっと大きな問題として。 その原因は、目につくシステムと関係するシステムに存在しているのである。普段の視座と違った高さから、もしくは、違った角度からその問題を見てみるそのために、自分ひとりの目だけ見るのではなく、関連する人の目も活用することも必要であろう。違った視座に立つためには、その訓練も必要になるであろう。しかし、その方法はここには書かれていない。それは、自分自身がビジネスの現場通じて習得するなり、違った分野に一歩踏み出して自分で別の視座・視点で見ることができるスキルを磨く必要がある。違った分野へ進む身近な方法は、読書会やワークショップ企画に参加することだと思う。自分ひとりではなく、他者との対話をする時間は貴重な経験と気づきを与えてくれるものであるので。 また、5つのディシプリンの他のディシプリンは、学習する組織というシステムに属する下位のシステムとも見ることができる。そういう意味で、知システム思考は、学習する組織そのものであると考える。
 もうひとつの私が重視するディシプリンは、「自己マスタリー」である。前段のシステム思考の部分でも少し触れているが、どのディシプリンも、自己の成長なくして、進歩することはないであろう。 自己マスタリーは、個人のビジョンを明確にすることから始まり、そして、それを深化させ、そこに注力することである。そして現実を客観的にみること、つまりメタ認知できることも必要である。 個人的には、各自が自分自身を大切にすること、それは時代の変化で多少変動するにしても、それを持ち続けることがモチベーションそのものだと思う。このモチベーションが維持できないと、他のディシプリンは萎えていくことであろう。

 私は、ここで2つのディシプリンを上げたが、他の3つ、チーム学習、共有ビジョン、メンタルモデルも重要であることが間違いない。特に成功体験の強い組織では、成功時のメンタルモデルが大きな存在感を持つことになると想像できる、この点は注意する必要があるだろう。共有ビジョンは組織では必須のことであるし、チーム学習は個人の学習と並行して行われることでより効果を発揮するであろう。

 自分の思考過程に、「システム思考」、「自己マスタリー」のゲートをつけることで、『学習する組織』について考えることになると思う。そのことで、新たな思考のステップが生まれ、新しい気づきを発見できるかもしれない。


参考として、釣鐘じっくり読書会のタイムテーブルを紹介する。

<タイムテーブル>
① チェックイン(ひとり2分)        20:05-20:15
② 第17&18章 サマリ       20:15-20:25
          Q&A       20:25-20:30
③ 対話                20:30-21:15
    ・最初ひとまわり 3分/人 
    ・後は自由に対話  
④ 連絡事項等            21:15-21:20
⑤ 振り返り・チェックアウト     21:20-21:30
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☆月2回開催  1回1時間半+放課後タイム(自由参加) 
☆各回1章ずつ(ページ数の少ないときは2章)


 <謝辞>
 今回、「学習する組織」の7カ月の長期におよぶ読書会に参加してもらいました、木村さん、さとやん、さだおかさん、そして参加者であり、運営でもあった かねこさん、ありがとうございました。皆さまのおかげで完走できました。
 極めて貴重な読書時間を共有できたことを感謝いたします。
                釣鐘じっくり読書会 おとん(谷芳明)

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