私の不妊治療⑫「切迫流産」

突然の大量出血に驚いたけれど狼狽えたりはしなかった。
出血は確かだが固形物が出ているわけではない。
ほぼ鮮血だ。


ルティナスやルトラールで人工的に子宮内膜を厚くしている分、出血の可能性も高い。
病院からは事前に説明を受けていた。

でも「生理2日目以上の出血があれば電話してください」とも言われていた。

どこからどう見ても生理2日目以上だ。
診察時間になるのを待って病院に電話した。
回答はやはり「すぐ来てください」とのこと。

片道1時間半の道のりがいつもより長く感じる。
赤ちゃんはお腹にいてくれているだろうか。


最悪の事態も覚悟しないといけない、でも
出血はあると聞いているし、固形物も出てないし、6w3dだからなんなら心拍を確認できるかもしれない。
自分でも意外なほど前向きだったように思う。

予約時間を無視していったものの、到着するとすぐ看護師さんから声がかかった。

再度出血量や腹痛の有無を聞かれたけれど、血の量に対し腹痛は全くなく、その時も「出血してても赤ちゃんは元気っていうのがほとんどだからね」と言われて終わった。


しばらくして診察室に呼ばれた。
内診するも心なしかいつもより画像が不鮮明に思えた。
やはり不安が募る。
薬の効き具合、出血の度合いを確認される。
まだ少し出血があるそうだった。

でも、その説明の後すぐエコーに胎嚢が映った。
「ほらちゃんといてくれてるよ」
先生がそう言うと画面がピクッと動いた。
「あーほら心拍も見えるね!よかったねー!」

丸いものがドッドッと動いているのを予想していたけれど、実際には細胞の塊の一部がパクパク口を開いたり閉じたりしているように見えた。
それでも心拍が確認できた!

「でも子宮内に血腫もあるからねー自宅安静だね。切迫流産の診断書かけるよ。会社に提出しないと自宅安静できないと思うよ。どうする?」
もちろん診断書は書いてもらった。


待合室に戻るとすぐ夫と家族に連絡した。
心拍が確認できたことにみんな喜んでくれた。
初めて「妊娠おめでとう」と家族に言われた。


もちろんまだまだ油断は出来ない。
自宅安静、どの程度横になっていればいいのか…Twitterでアドバイスを頂くと、食事トイレシャワー以外は寝ているべきとのこと…
診断書によると安静期間は2週間。
長いなぁ…。
当日実家に夕食を食べに行くはずだったのも当然ながらキャンセルになったが、
母に甘えて作ったおかずを持ってきてもらった。
私の好物。
食欲があまりなくても食べれてしまう不思議。


会社にも当分いけないということで報告せざるを得なかった。
出来ることなら安定期までは黙っていて欲しい。
とはいえ会社の人間は善良な者ばかりではないので、広まる覚悟もしないといけない(辛い

治療と仕事、これからもしばらくは両立に奮闘しないといけない。


次回「心身不安定」

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