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【第11回 ぬのっと えほん 8ぺーじめ】

ぬのっと えほん 8ぺーじめ

電車はガタンゴトン、先を目指して進みます。

電車に揺られるヌノットのお隣には、
若い男女のカップル?お友だち?が会話を弾ませています!

『田植えの時期と言えば、やっぱりこれだよね?!』と浴衣姿の女の子。

『だねー。夏ももうすぐって感じ。』と甚平姿の男の子。

少し照れながらツーショットを自撮りする2人の姿に、
ヌノットは故郷で暮らす、意中の人を想いました。

『ロボみみちゃん、元気かな…?』
ヌノットは寂しさと共に、少ししょんぼり…

暗い顔をしていると、

『ロボ少年!どしたの?!暗い顔して?!』と浴衣姿の女の子に話し掛けられました。

『まぁ、ちょっと…いろいろ。』とヌノットがお茶を濁すと、

『せっかくだからさー、パァーっといっちゃおうよ! 次の駅で降りたらさー、気持ちも晴れるかもよ?』
と甚平姿の男の子。

そうこうしていると、
車内アナウンス。

『間もなくぅー 米ジルシ(Twitter @kmjrs283) 次の停車駅はー 米ジルシー』

『降りるよ!ロボ少年!五穀豊穣祈願のお祭りでぃっ』と浴衣姿の女の子に、言行一致、背中を押され改札口へ。

2人のデートを見送り、歩き出すと…
美味しい香りと、笛や太鼓の祭囃子に包まれるヌノット!

『わぁ!お祭りなんて久しぶりだぁ!』心弾ませキョロキョロさせていた視界の隅に、ん??
何かが写り込みます。

それは?それらは、ヌノットの足元。

沢山のお米粒?が、ヌノットを見上げ、全員で手招きしています!

その前衛に居るお米粒にジーッと目を凝らすと…

彼は何かを喋っている!
それより何より、
ヌノットはこの彼を知っている!

ヌノットの頭の中に、フラッシュで過る映像…

地球の上に沢山のみんな。そこに手を繋ぐヌノットとお米の彼!!

『……米蔵! 僕 ヨネゾウ! 』
ハッと我に返るヌノットに、その米蔵が話し掛けます。

『いっしょに いく 僕 アンナイ する!』
米蔵に手を引かれ走り出すと…
あれ?!ヌノット自身も 米蔵たちと似たような姿に?!

『屋台 ハシゴ やまもり タベル!!』
米蔵のリードで、
お好み焼き、
たこ焼き、
焼きそば、
牛串、
鮎の塩焼き、
焼きモロコシ、
シャカシャカポテト、
わたあめ、
りんご飴、
大判焼き、
たい焼き、

…もう途中からは何を食べたかも思い出せません!

『ふえぇ~』ヌノットと米蔵たちは、お腹をさすりながらひと休み。

『まだまだ コレカラ! 腹ごなし 運動する!』
と米蔵はまた、ヌノットの手を引き走り出します!

道行く人のヨーヨーにぶら下がり、
即席バンジージャンプ!!

金魚すくいの水槽で、
みんなでひと泳ぎ!!

と、射的の屋台で立ち止まります。

『僕 これ トクイ! 弾ニナル!!』

言うやいなや、
射的の弾になって景品を撃ち落としていく 米蔵たち!!

『ヌノットも! ガンバレ!!』
米蔵たちに背中を押されるも、尻込みするヌノット…

『えぇーい!なすがままだ!!』
意を決して景品に向かって飛び出すヌノット!!

パカーーーーン!!
小気味いい音と共に、
景品とヌノットが落下!!

出迎える米蔵たち!!

『ヨクヤッタ! ヌノット 僕たちのマイメン! 今日から米蔵ポッセ!!』
どうやら仲間として受け入れてもらえた様子。

『胴上げ!ドウアゲ!!』
米蔵たちに囲まれたかと思うと、
身体が宙に舞いました!

『ばんざーい!バンザーイ!!』
何度か空中へ飛び出しては落下、を繰り返し、また身体がフワッと浮いた…

と思ったら、
駅の改札に立っていました。

姿もどうやら元に戻っている。

片手には、紙袋に入った持ちきれない程の射的の景品。

お祭りの雰囲気が見せた幻想でしょうか…
いいえ、ヌノットは確かに、心強い仲間を手にしたのです。

駅に降り立つまでは、少しホームシックになっていたヌノット。
今はお腹も心も満たされています。

『ありがロボ、米蔵!米蔵ポッセもね!』

ヌノットは抱えていた寂しさもどこへやら、次の駅へと勇ましく旅立ちます。

9ぺーじめ に 続く

【スペシャルサンクス トウキョウ氏 さん (Twitter @tokyo220shi284)】

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