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山小屋で連泊のススメ

今回は山小屋の仕事の話ではなく、山小屋のスタッフの視点で山小屋の楽しみ方の提案をしたいと思います。

山小屋を利用する方の多くは「山を登るため」に利用します。

例えば北アルプスに槍ヶ岳という有名な山がありますが、片道10時間近くかかりますから日帰りで登るのはよほど速い人のみで、基本的には山頂近くの山小屋に泊まります。

1泊2日で登るにしても、夕方に山小屋に着いたら翌日の早朝には次の目的地を目指すか、下山するかのどちらかでゆっくりする人はほとんどいません。

これはどこの山小屋においてもほぼ同じだろうと思います。

前回の投稿にて山小屋での何もしない休日の過ごし方を推した私としては、非常に勿体ないことだと思っています。


そこで提案したいのが表題にもある通り山小屋に連泊することです。


1泊目は夕方に着いたとしても、あとはご飯食べてビールを飲むなどして寝るだけです。登山の疲れを癒すことに専念します。

翌朝は日の出を眺めてから朝食。

山小屋によっては一度客室から出なければいけないかもしれませんが、昼には清掃は終わるのでその間は近くの山に登るのもよし、山小屋の前でひたすら景色を眺めるのも良し。

山小屋は確かに下界のホテルのような快適な客室も広い温泉もありませんが、逆に下界には無い圧倒的な大自然の風景があります。

これを1日中眺めていられるのは一つの価値ではないでしょうか。


また電波の通じない山小屋もまだ多いですから、自然にデジタルデトックスができます。わざわざ某リゾートにあるような「脱デジタル滞在」のように追加料金を払わなくてもよいのです。

デジタル機器を気にしなくてよいぶん、読書をしたり、絵を描いたり、コーヒーを淹れたり、ただひたすらボーっとしたり。自分の時間を邪魔するものはほとんどありません。

食事も連泊食を用意している山小屋もあります。私の山小屋も連泊食を用意しており食材の状況にもよりますが3泊目くらいまでなら夕食のメインを変更することも可能となっています。

懸念事項としてはお風呂に入れないことですが、3日くらいならボディシートや「水のいらないシャンプー」などで臭くはなりません。着替えを持っていれば快適に過ごせます。

どうしてもお風呂が譲れなければ、八ヶ岳の山小屋などお風呂を備えている小屋もあります。


あとは日程ですがやはり空いている時が良いです。週末やお盆、シルバーウィークの連休はとてものんびりできる雰囲気ではないので、お盆明けや秋の平日がおすすめです。

またコロナ禍の最中は完全予約制となっており定員も絞っているのでのでねらい目です。

今年の夏は山でのんびりする休暇はいかがでしょうか。


つの



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