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角野隼斗全国ツアー2022 千秋楽(2/20東京国際フォーラムホールA)

2022.2.20    18:00開演

当日(2022.2.20)は興奮のまま帰宅し、入浴。自分のツイートもご本人たちへのリプライもして、その勢いのままnoteをしたためたかったが、ちょっと横になった瞬間に寝落ちしてしまったようだ。夕飯も食べずに、、、(笑)。よほど緊張と興奮をしていたのだろう。気がついたら朝だった。オンラインから登校に切り替わった息子にたたき起こされ日常に戻る。でもどこか頭はフワフワしていて、仕事に頭を切り替えるのに時間がかかった。いつになく忙しかった仕事を終えプライベートな時間に戻すにも、今度は何か空虚で何もする気にならない。帰宅の車中は貴重な自分時間、いつもはCDやラジオ、ラジコをかけて楽しむのだが、今日は無音で帰ってきてしまった。頭の中ではChopinが鳴る。昨日の興奮をずっと大事に感じていたい、閉じ込めておきたい。そんな気持ちだった。でも無情にも記憶は薄れ、情報は押し寄せてくる。やはり形に残す目的で想いを綴るしかない、と思い至り、今(2022.2.22.AM1:30)書いています。

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東京国際フォーラムホールA、ご本人の当日午前中のツイートにもあった通り、本当に大きいホールで、自分は2008年、1歳の長男連れてラフォルジュルネの0歳からのクラシックコンサートに参加して以来だと思う。2021年の紅白歌合戦はNHKホール改修のためメイン会場がこのフォーラムのAになったのもなんだか感慨深い。広いホールとわかってはいたけど、ホールに足を踏み入れて、今までのコンサート会場と全くちがう景観に度肝を抜かれてしまった。ここで本当にピアノソロリサイタルをやるのか、、、2階席まで本当に埋まっているではないか!

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私の席は4列21、22 番。中央左ブロック。オケ配置のためピアノが舞台前方においてあり、思ったよりも見える感じ。開始前、ピアノの写真を撮ろうと大勢の方が舞台前に集合し、行列が出来ていました。(お席が遠い方はやっぱり記念に写真撮りたいですよね!)

定刻10分程過ぎて開始のアナウンス。袖からの登場を待ちわびていると、突如ノクターン13番。びっくりした!ワルシャワ?パリ?の知らない映像も流れ、にくい演出に期待が高まる。どんなコンサートになるんだろう、、、

角野さん登場。5000人を前に少し緊張されているよう。椅子に座り一呼吸おいて始まるワルツ、華麗なる大円舞曲。私は大阪公演(感想noteはこちら)以来、1ヶ月ぶりの生演奏だが、聴き始めてあれ?違うって思った。美しい音色、正確な打鍵早めのテンポは変わらないのだけれど、歌い方のニュアンスが違うというか自由度が増したというか、あ〜全国ツアー回っているうちにまた進化したんだぁ〜と思いました。やや緊張のMCの後、代名詞の大猫のワルツ。大阪公演はノーブルで気品溢れるプリンちゃんでしたが今回はやんちゃでお茶目感があったなぁ。なんか元気だった。つづく胎動は初見で聞いた時のイメージのままの照明に感動。母なる大地、母なる海を連想させるブルーとグリーンの照明、良かったな〜!

MC入るかと思いきやそのまま次のマズルカへ、そして照明が落ちてからスポットライトで始まる木枯らし。この演奏、なんかズドーンときましたね。今回すごく印象に残った。ショパンエチュードでこれだけ惹きつける力があるのは本当に一流だと思う。コンクールでもエチュードは皆さん苦労してましたからね…。

暗転して真っ暗な中ストローでペットボトルの水を飲む角野さんのシルエット。エモい!で再びピアノに座ると思いきや袖側に歩き出し、え?戻るの?なんで水飲んだ?と思ったら後方におもむろに明かりがつきそちらへ。えーっ!あれ、アップライトピアノか〜(なんかあるとは思ってたけど何かをどかしたんだぐらいにしか思ってなかった鈍い人は私です。)しかもなんとなんと目の前で演奏するお背中をガン見できるという奇跡!左手席ありがたや〜涙。奏でられた追憶はこのピアノの音色にとても合う。マイクを通しての音だけどなんと心地いいのか…。ライトは暖かい白色灯のオレンジ色でしたが、音は洞窟の中、深海の底をイメージしました。続けてアップライトでマズルカ63-3。あんまり記憶にない。自分トランスしてたかしら?

休憩もMCも入れずにそのままスタインウェイへ移動。椅子に座ってしばらく精神統一。始まった!ソナタ2番!!自分の席からは角野さんの斜め後ろから鍵盤と右手、右腕越しに左手も見える良席だったので(ペダルはちょっと見えなかった)ソナタは弾き姿を食い入るように見つめ没入してしまいました。自分と角野さんしかいないような錯覚。いや、会場全体がそうだったんじゃないかしら?コンサート開始からそれなりに時間立っているのに、雑音が全然ないんですよ。5000人いるはずなのに。咳払いやパンフ落とし、だいたいありそうなものですが…衣ずれすら聞こえず、空調のファンの音とピアノの音だけ。不思議な感覚でした。第2楽章スケルツォなんか長かった?気のせいか?第3楽章はさらに照明が落ち葬送行進曲が始まる。中間部で舞台前方に並べられてたランプ(気がつかなかった)が点灯。ブワーッと3次予選の映像が蘇る。中間部の繰り返しの部分でゾーンに入ったと思われるあのシーン。コンクールなのにピアノと自分だけの世界に入っていった角野さん。あのシーンを思い出して涙が一粒流れた。こんなことは初めてで自分でもビックリだ。あそこに至るまでの浜離宮の姿、紀尾井ホールでの演奏も走馬灯のように浮かび、同時に「これで一旦見納めか、葬送ソナタ…」と一抹の寂しさも覚えつつ4楽章が終了した。


休憩。放心状態。無言で化粧室の長い列に並ぶのがいいクールダウンになった。自分は全国ツアー2公演目なので(体験済みなので)初見の大阪ほどの感動はないのだろうと思っていたけど大間違いでした。その会場の雰囲気、音響、ピアノの特性を感じて一期一会のLive感を大切にし、全ての経験を吸収して進化をとげる角野さんの公演は1回1回全然違うものなのだ。(複数回いかれている方、羨ましいです!)

後半はガーシュウィン!I got rhythmや3つの前奏曲が無くて残念、と思ってたら、歩いてきて座った瞬間I got~弾きだしてウケた。MCも少し余裕が見えてきた。いつもの笑顔も!ティーンファンタジアは本当にワクワクする曲で、今回の私のイメージはまさに草原を走り回る少年でした。夕暮れや夜、夢のシーンも想像して、また朝になって夜がきて…。前回はルフィ(ワンピース)出てきたけど今回はトムソーヤだな!ハウス名作劇場(笑)

そしていよいよコンチェルト!藤岡幸夫マエストロをサッチーと呼び入れ、東京フィルの楽団員さんも入り、急に賑やかに華やかに。ずっと独りだった角野さん嬉しそう!藤岡さんとの会話のやり取り楽しい。スタンバイするのに指揮台へのルートが難しい藤岡マエストロ(配信用のカメラやなんやらでピアノ周り占領されてましたね笑)で、指揮台に立った瞬間すぐに始まる藤岡さんの指揮ツボ笑(京都城陽で経験済み)

ガーシュウィン F調のコンチェルト。生演奏初めて!出だしから管と打楽器で迫力満点!ピアノの椅子に座りながら指揮してテンポを感じとる角野さん。ピアノの入り、バッチリ!さすが音ゲーマー。リズム感本当に気持ちいい〜!角野さんの拍感がはっきりしているからテンポや曲調の変化にもオケとの息ぴったり。マエストロが角野さんのボルテージを感じて熱くタクトをふる。スピードアップにも見事についていくオーケストラ。私の席からは角野さん越しにマエストロが見えて、藤岡さんが振り向いてのアイコンタクトが拝めました。藤岡さんの表情が色々で、「さあ、お入んなさい(縄跳びの郵便屋さんみたいに)」だったり、「好きに演っちゃいな!!」だったり「どう演奏するのか見てやるよ」だったり勝手な想像だけどいろんな声が聞こえてきて楽しかった。打楽器の鞭打ち音、マリンバとのセッション、ビオラとのユニゾン、息ぴったりで気持ちよかったです。1楽章の終わりのピアノはフィナーレのような華やかさがあって思わず拍手してしまいますよね。2楽章のブルースは管楽器の見せ場。トランペット、フルート、クラリネットが持ち味発揮していい雰囲気作ってた。そこに入る赤いピアニカ(笑)手持ちで弾くのは初めて見た。かっちょいい〜!よく響くようにの配慮かな?残念ながらマイクとの位置関係でピアノにおいていた時の方が音が大きく拾えていましたが(笑)。ピアニカが登場すると、いちいちホースの行く末が気になってしまうのですが、隼(瞬)でさばいて(定位置にセットする)いたのに感動してしまった。練習するのかな?フルオケバックにピアノとピアニカ2台弾きは角野さんにしかできない神業です。タンギング技も披露して凄かったな〜!3楽章に入るとますますリズミカルにヒートアップ!角野さんが勢い余って先行する場面もありましたがご愛嬌。(管楽器が息を吸う間を取れるようになるといいですね)セッションを重ねるうちに上手くなっていくのでしょう。(そういうところは小曽根さんはすごいです。オケも聴衆も時間も空気も支配しちゃう感じあります。)ラストのカデンツァ圧巻でした。ピアノで一人オーケストラ。オケが霞んでしまうて、角野さん…(笑)そして感動のフィナーレへ!オケとの一体感、音圧、素晴らしかたです。ブラーボー!!!!!(スタンディングオベーションしました)

(このF調のコンチェルト、名演だったんじゃないの?凄く熱かったし、皆ノリノリだったし、聴いててとーーーっても楽しかったよ!)

オケとのアンコールをちょっと期待していましたがそれは無く、ソリストがオケを見送り再びポツンと角野さんだけに。「もう少しだけ弾かせてください…」

再びアップライトピアノへ。パデレフスキのあの曲はアップライト似合うよねきっっと、と思っていたら、あれ?えっ?うそ!あああぁぁぁ…朝、録画見ていたアレじゃんか〜〜〜アップライトピアノで奏でられるコンチェルト第1番、2楽章から1楽章は美しく繊細で暖かくて儚げで。やられた。涙腺崩壊。。。背中から漂う表情はちょっと切なくて。うーんあの場所で弾きたかったよね…涙

演奏後かなり丁寧な(私にはそう見えた)お辞儀をしてスタインウェイへ。子犬のワルツこの1曲だけ!コーナー、配信もあるのに開催してくれるの?(歓喜!)「配信の方はスクショOK」って!太っ腹!!!遠目なので綺麗に表情までは捉えることができませんできたが、うまくいかなかった事も含め自分だけの角野さんを収めるのはとても嬉しい事ですね。ありがとうございます。

大きな拍手が鳴り止まず何度か挨拶した後にストンと着席「これを待ってたんだろう?」とばかりに座った瞬間演奏開始。待って〜ドS千秋センパーイ心の準備が〜(笑)英雄ポロネーズ、本当に華やかで勇壮で繊細で心に残るパワーソング。Cateen's Piano Live Vol.1で聴いてズキューン!サントリーソロリサイタルの告知動画(プレミア公開)でドキューン!!ショパコン2次予選のラストで聴いてバキューン!!!本当に角野さんの演奏が大好き!これからもアンコール曲としてずっとずーっと聴きたいです。

って書いてたらNTTドコモの動画ツイッターに上がってきてなんですか〜これは〜(泣く)嘘だろ。CASIOのラプソディ・イン・ブルーに引き続いて演奏動画TV CMですか!かてぃんの英雄ポロネーズ(涙)綾瀬はるか×角野隼斗って、、、ちーん。

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全ての公演、全ての演目を終了。やりきった満足そうなお顔。5000人のホールで結構なステンディングオベーション。手が痛くなるほど大きな拍手を送った。この2年(私がかてぃんさんをTwitterも含めて本格的に追い始めたのは2020.1月)本当にずっと頑張ってきた。大学院卒業、音楽家になるタイミングでコロナ感染症に脅かされ、自身のコンサートの中止、ショパンコンクールの延期、不安な事だらけだったと思うけど、スタインウェイを購入し、You Tube中心に音楽の楽しさを広く伝えてきた。このツアーは「2021年の集大成」だと。2020年のすそ野活動が花開いたのが2021年。色々な音楽家との出会い。Blue Note、と、ショパンコンクール への挑戦。ずっとずっと走り続けて、応援する私たちにドキドキワクワクを届け続けてくれた。オミクロン株流行の真っ只中を駆け抜けた全国ツアー。神経を使ったと思います。打ち上げもできず、悶々とした時間もあったでしょう。それでも元気に最後まで走り抜けてくれた。本当にありがとう!そんな気持ちで惜しみない拍手を送った。カーテンコールの最後の最後に感極まった角野さんを見てまた泣けてしまった。袖口でささやかにバイバイ。本当にお疲れ様でした。


千秋楽、本当にハートフルでエキサイティングで楽しいコンサートだった。ハッピーだけではかたづけられない凄く大きなものを頂けた気がする。母と参加の予定でしたが体調を崩してしまい断念。急遽叔母が参加することになりました。(2020.3月の上野、「今、このピアニストがすごい」に母と叔母と3人で参加予定でした。)初かてぃん、初オーケストラとても感動していました。そして最後に「かてぃん君、かわいいね!」ハイ!かてぃんず認定!


アーカイブがあるからとメモも取らず頭の中に残った記憶を頼りに綴ってみました。アーカイブはまだ観てません。記憶違いが多々あるとは思いますが、ポンコツ脳の戯れ言ですので笑い飛ばしてくださいませ。最後までお読みくださりありがとうございました!