見出し画像

角野隼斗×フランチェスコ・トリスターノ2台ピアノ(Stand up Classics 2022)

2022.11.13(日)
14:00-    池袋 東京芸術劇場

行ってきました!2台ピアノ。記憶が薄れぬうちに書き留めたスマホメモ書きをそのままコピペです。自分の日記でしかないのでお恥ずかしいですが、現地ホールとパブリックビューイングでしか聴けない公演のためシェアします。需要があるのかはわかりませんが(笑)

芸術劇場ホール階(7階)からの眺め

角野さん第1ピアノ(スタインウェイ)
トリスターノさん第2ピアノ(YAMAHA)

お2人で登場し一礼した後所定の位置へ
トリスターノさん背が高くてスレンディかっこいい

ラヴェル ボレロ

椅子の位置調整したからと思いきやトリスターノさん立ち上がりピアノ内部を覗き込む。いきなり内部奏法か!中腰で体勢きつそうですが、、、
スネアのリズムを弦をはじいて始める。
角野さんメロディ担当。両手ユニゾンでおごそかに丁寧に。Aメロ2回繰り返し、Bメロの間もずっとトリスターノさんは指で弦をはじいてる。しかも粒が揃ってる…これって鍵盤押さえるよりものすごく高度なテクニックじゃなかろうか…いつまでやるのか…
2度目のAメロ登場でトリスターノさんピアノの椅子に着席。右手でスネアのリズムとりはじめる。これまた素敵。角野さんは少しボリュームアップしてメロディ担当。
3度目のAメロ、オクターブ上で奏で始めたのだけどなんだこの音?!トイピみたいな少し硬質でかわいい音、どっちが出してるの?やっぱ角野さん?!Aメロの繰り返しで普通の高音域の音に戻った。ペダル操作なのかもしれない!こんな音が故意に出せるんですね!すごいや。トリスターノさんは変わらずリズムを刻み左手でオケでいうところの弦パート弾いていく。淡々とでもとても気持ちがこもっている。
4度目のAメロ入ったあたりから煌びやかさが増し、角野さんのアルペジオ装飾が炸裂。音数が多くなってもリズム乱れないのさすがですね!2人ともだんだんボルテージが上がっていく
5度目のAメロあたりでトリスターノさんのリズムも左手音数多くなっていく。足でのパーカッションも始まる。もう楽しー。音量もアップ。角野さんの負けじとオクターブでメロディ奏でていく。トリスターノさんの左手の弾み方が視覚的にもだんだ大きくなっていく。ピアノが、鍵盤を押す楽器じゃなくて離す楽器だって事がよくわかる。角野さんも同じような感じで音量アップとともに腕が上がる高さが上がって、まるで2人でポンポンまりつきをしているよう。
6度目のAメロからはお2人とも渾身の演奏。ずっとリズム刻むトリスターノさん。全然ブレずに音量ボルテージ上げていくのすごい!!角野さんも同じメロディの繰り返し、疲れそうだけどどんどんボリューム上げていくのでびっくりしちゃう。まだ上げるんかーい!転調キターーー。2人で左手弦ベース弾きながら右手で装飾していってついにフィニッシュ!!!わーすごい!拍手拍手!!!

MC
お越しいただきありがとうございます。角野隼斗です。で、配信でご覧の皆さん(会場外の池袋西口公園野外劇場でのパブリックビューイングです)、カメラはどこかな?わからないんだけど…楽しんでもらえてますでしょうか?
トリスターノです!「(日本語で)ありがとうございます」
僕とトリスターノの出会いは去年の10月、僕が彼のバルセロナの自宅を訪ねてセッションしたりして意気投合しまして、いつか一緒に公演やりたいねってなって。その願いが1年越しに叶いました!今日はどうぞ楽しんでいただけたらと思います!

バッハ パストラーレ

第1ピアノの角野さんから演奏スタート。テンポリズムキープしながら対旋律入れながらメロディを入れていくの、本当にうまいなぁって思います。(来年のソロツアー、バッハやラモーの演目入ってるの今から楽しみです!)
2台ピアノのメーカーが違う事が真価を発揮したのはこのバッハの曲。角野さん奏でるスタインウェイは丸みのある深い音で包まれる様な音色。対してトリスターノさんのYAMAHAはブライトで少し硬質。角野さんのピアノに乗ってトリスターノさんがメロディ奏でると光が差して一気に視界が開けるように思いました。とくに3楽章のアリア、美しかったなぁ!素晴らしいセッションに大きな拍手。バッハの2台ピアノがこれほどに美しいとは衝撃でした。

トリスターノさん側の照明が落ち角野さんのソロスタート

ラヴェル 水の戯れ (角野)

え?ウソっ!あー今日ここで水の戯れ聴けると思わなかった…(感涙)それで昨日のかてぃんラボで弾いていたのね。鈍い私…
はうわぁぁぁぁぁ。美しいわぁ。PTNA特級セミファイナルの動画から4年。あの演奏も大好きだけどさらに磨きがかかって…先日のメモ・フローラでも感じたんだけど、ピアノっていうより箏ですよね。流れるように風が吹き小川のせせらぎ煌めく水面。角野さんの川は日本の川。右に左に蛇行しながらある程度のスピードを持って淀みなく流れてゆく。生きている音楽って感じがします。ほんと素敵だったよ昇天!

Gibbons    Pavan
Tristano     Ritornello    (トリスターノ)

間髪入れずにトリスターノさんがイン。ソロがスタート。ゆらめく角野さんのスタインウェイでの水に対してトリスターノさんYAMAHAでバロックのような音が折り重なっていくような楽曲。後にセトリ見てサブスクで聴いてみる。Gibbons初めて聞く作曲家。1500年代、やはりバロックなのね。悠久のどっしりとしたそして決して絶える事のない流れ。歴史を感じるような厳かな気持ちになりました。そこから流れを止めずにもう1曲。セトリによると彼の自作曲であったか!こちらはコード進行も単純で音数も多くないけど同音連打で徐々に大きくなる音楽の迫力が圧倒的でこれまた震えました。雨から水が集まり小さな流れがどんどん大きくなる。人間の存在なんてちっぽけなんだと思わせるような圧倒的な川の流れでした。

と浸っていたらあまりに自然すぎてよく分からなかったけど耳馴染みのあるメロディがかぶさってきた。角野さんのラプソディ・イン・ブルーだぁ!!!会場も一瞬どよめく。うわどういう風に繋いだんだろ。不意打ちだった。もう一回聴きたいよー(泣)

ガーシュウィン ラプソディ・イン・ブルー

角野さんが主導権を持って演奏が進んでゆく。ラプソディ・イン・ブルー、メロディの繰り返しが言われてみれば多く(大事な事なので3回言います、みたいな)お2人で交互に弾き合って楽しそう!あんたがたどこさ状態(通じるか?!)。と思ったら片やピアノパート、片やオケパートを担当して、ピアノソロVer.とは違う迫力がある!2台ピアノにピッタリな楽曲ですね!!!5月のGWにあった子どもミュージックフェスティバルで角野さん×福間洸太朗さんでも聴いたけど、もともと2台ピアノVer.があるわけではなくて、どなたか編曲されてたんでしたっけ?!(記憶が朧げで…覚えている方教えて〜)今回の編曲はお2人で手掛けたんだろうか?トリスターノさんはリングノートみたいな楽譜を時に激しく(笑)時に優しく自分でめくりながら弾いておられた。どんな楽譜だったのか興味深い。メモ書き程度の楽譜なのかしらん?!
リズム感抜群のお2人が奏でるガーシュウィンはそりゃもう絶品で。角野さんがいつもピアニカでおどけて奏でる部分とか、グルーヴ感が最高!一方がちょっと遊び心持って仕掛けると瞬時に反応して同じ歩調で歩き出すっていうか、楽しい楽しい。あと、私の席からはトリスターノさんの方が少し遠かったんだけど、前が空いてて画角的にトリスターノさんの両足の動きがよく見えて。角野さん以上にぴょこぴょこ動くんだけど。リズムの取り方が拍じゃないのよ。パーカッションのアレなのよ。カッコよ!!!
後半、メロディアスな部分、トリスターノさんがメロディを弾き角野さんがピアノで装飾。引き立てるのもほんと上手いんだから。続くカデンツァは角野主導で。のだめの時の激情リズミカルよりもう少し大人しめラヴェル寄りだったかしら?カデンツァって2台でやる時はさすがに尺決めしてるんだよね?!トリスターノさんも一緒になってクライマックスに向けてラストスパート!2人して足でリズム入って2台4手2足(笑)。最後のラグタイム(ズンチャズンチャ)が始まるともう観客も黙って見ていられない、自然に後拍で手拍子入る。角野さんも煽ってくるwww。だってスタンドアップクラシックだもんね!本来なら立って身体揺らしながら聴くコンサートだもんね。違うかな?(2019年赤レンガ倉庫の時はどんなだったでしょうか?)会場一体となってフィナーレ!とっても楽しかったー!!!

割れんばかりの拍手。お2人前に来て握手&抱擁!1年越しの共演コンサート大成功おめでとう〜。こちらまで嬉しくなっちゃって、最終的には結構な聴衆がスタンディングオベーションしてました。何度かカーテンコールに見えて、しまいにはマイクをとって「ありがとうございます。アンコールはありませんこれで終わりです。あ、Blue Note配信あります。良かったら見てくださーい!ありがとうございましたー!」って感じで一礼して退場。間髪入れずに会場明るくなる。ええぇーもうちょっと聴きたかったー。(大人の事情、仕方ないよね。ぐすん)

終演後15:30過ぎの様子 雨上がり

初めましてのトリスターノさん。スレンダーでカッコよかった。角野さんが小さく見えるので身長185cmくらいありますかね?ショートブーツで暴れるおみ足(笑)。フォロワーさんにトリスターノさんはYAMAHAアーティストだと教えていただきました。内部奏法、スタインウェイは基本ダメみたいですね。
去年のショパンコンクール後、パリからバルセロナに立った角野さん。スペインの陽光が明るく眩しく、コンクール後の気持ち一新にとても良かったですよね。そしてこのお2人の演奏がインスタグラムに上がった時、心底ホッとしたものです。

角野さん1年越しの願い叶っておめでとう!スペインのお兄さまと相性バッチリ。この芸術劇場のホールでの公演とBlue Noteの2公演だけではせっかく会えたのに物足りないだろうなぁ、きっと。また是非共演して下さいね!

もう1stの公演は始まってますね。私は配信でBlue Note参加します!2時間後!ドキドキ