2024年5月17日発表のバチカンの「超常現象を識別する新基準」に書かれているメイン判断基準の「Nihil obstat」という考え方が何なのか

(<ムー>【速報】2024年5月17日にバチカンが「超常現象を識別する新基準」緊急発表へ! “聖母マリアの顕現”の公認基準にも言及か)
https://web-mu.jp/paranormal/40435/

オカルト雑誌「ムー」が、「アメリカ国会で、UFOなどの話が正式に出るようになった」ので、「バチカンも、2024年5月17日に「超常現象を識別する新基準」緊急発表するぞ」と告知をしていたのだが、実際、当日に発表されたバチカン文書が、あまりにも地味で面白みの無い内容だったので、「ムー」では続報無しとなってしまった。

そこで、その
・実際、当日に発表されたバチカン文書が、あまりにも地味で面白みの無い内容だった
やつを、辞典学者の自分が、細かく見ていきます。

(「バチカン・ローマ教皇庁による宇宙人、聖母マリアの顕現、超常現象について会見(46年ぶりの見解更新)」の原文(イタリア語、英語などで書かれている))
(Norme del Dicastero per la Dottrina della Fede per procedere nel discernimento di presunti fenomeni soprannaturali, 17.05.2024(申し立てられた超自然現象の識別を進めるための信仰教皇庁の規則、2024年5月17日))
https://press.vatican.va/content/salastampa/it/bollettino/pubblico/2024/05/17/0403/00842.html

このバチカン文書の主要な内容は、非常に、長々とぐだぐだと書いてあるものの要約すれば、
・今後、バチカン・ローマ教皇庁は、ユーチューブなんかで、「聖母マリアの顕現」、「超常現象」なんかがあった場合には、その判断は、「Nihil obstat」を採用するよ。
とだけ、ぐだぐだと書いてあるだけです。

では、この肝心な「Nihil obstat」という考え方が何なのか?というと、この単語は、「ラテン語」である事と、「カトリック教会の宗教単語」であるので、あまり一般的でなく、辞典でも正確なニュアンスで載っていない。
そこで、今回、自分が、詳しく調査をしました。

(「Nihil obstat」とは何か?)

・「Nihil obstat」を「ラテン語」で、「Google翻訳」すると、「邪魔になるものは何もありません」と意味が出てくる。

(*以下の「wiktionary(英語)」の日本語翻訳部分は、「Google翻訳」のもの。「Google翻訳」が少し変な箇所だけ、<英語辞典>と書いてある箇所だけ、英語辞典で再び調べた)

(<wiktionary(英語)>nihil)
https://en.wiktionary.org/wiki/nihil

『【Latin(ラテン語)】
Pronoun(代名詞)
nihil n sg (indeclinable(<英語辞典>語尾変化しない), no genitive(属格なし))

(indefinite(不定詞)) nothing (何も~ない)

<例文>
Nīl·ne in mentem·st? ― Cannot you think of anything?(何も思いつかないんですか?)
Nihil est. ― It's nothing/It doesn't matter.(それは何もありません/それは問題ではありません。)
Nihil sub sōle novum. ― Nothing new under the sun (proverb).(太陽の下には新しいものは何もない(ことわざ)。)』

(世界の諺「Nihil sub sole novum.」)
https://kotobank.jp/word/世界の諺-1614511

『この世には新しきものなし Nihil sub sole novum.(ラテン)
 聖書の「伝道の書」のことば。英語ではThere's nothing new under the sun.』

(<wiktionary(英語)>obstat)
https://en.wiktionary.org/wiki/obstat

『【Latin(ラテン語)】
Verb(動詞)
obstat
(1) third-person singular present active indicative of obstō(obstōの直説法現在能動態三人称単数形)』

(<wiktionary(英語)>obsto(obstō))
https://en.wiktionary.org/wiki/obsto#Latin

『【Latin(ラテン語)】
(Etymology(語源))
From ob- (“before, in front”) +‎ stō (“stand”).

Verb(動詞)
obstō (present infinitive obstāre, perfect active obstitī, future participle obstātūrus); first conjugation, no supine stem except in the future active participle, impersonal in the passive(obstō (現在不定詞 obstāre、完了能動態 obstitī、未来分詞 obstātūrus); 第一活用、能動態未来分詞以外は仰臥位語幹を持たず、受動態では非人称)

(1) to stand before, stand in the way of, obstruct, block, oppose
Synonyms: oppōnō, adversor, obversor, refrāgor, repugnō, restō, resistō, officiō, obstruō, dīvertō, recūsō, subsistō, resistō, vetō(前に立つ、邪魔する、妨害する、ブロックする、反対する
同義語: oppōnō、adversor、obversor、refrāgor、repugnō、restō、resistō、officiō、obstruō、dīvertō、recūsō、subsistō、resistō、vetō)

(2) to thwart, hinder(<英語辞典>阻止する、妨害する、挫折させる。妨げになる、邪魔になる)
Synonyms: supprimō, intersaepiō, moror, prohibeō, impediō, refrēnō, dētineō, obstruō, retineō, arceō, cohibeō, sistō, inclūdō, reprimō, perimō, officiō, tardō, saepiō, premō, coerceō, comprimō, sustentō
Antonyms: līberō, eximō, vindicō, servō, exonerō, absolvō, excipiō, ēmittō(同義語: supprimō、intersaepiō、moror、prohibeō、impediō、refrēnō、dētineō、obstruō、retineō、arceō、cohibeō、sistō、inclūdō、reprimō、perimō、officiō、tardō、saepiō、premō、coerceō、comprimō、sustentō
反意語: līberō、eximō、vindicō、servō、exonerō、absolvō、excipiō、ēmittō)

(Usage notes(使用上の注意事項))
Usually used with the dative.(通常、与格とともに使用されます)』

「wiktionary(英語版)」の「ラテン語辞典」だと、上のような感じなので、
・「Nihil obstat」を「ラテン語」で、「Google翻訳」すると、「邪魔になるものは何もありません」と意味が出てくる。
というのは、たぶん合っているようです。

((Oxford Reference)nihil obstat)
https://www.oxfordreference.com/display/10.1093/oi/authority.20110803100234633

『nihil obstat
(Lat., ‘nothing obstructs’).
The approval in Roman Catholicism granted by the officially appointed censor to books requiring permission before being published. The nihil obstat precedes and is required for the imprimatur.

<Google翻訳>
(ラテン語、「何も妨げない」)。
ローマカトリック教会において、出版前に許可が必要な書籍に対して、正式に任命された検閲官が与える承認。nihil obstat は、imprimatur に先行し、必須である。』

という感じで、
・「nihil obstat」の正確なニュアンスとしては、「何も妨げる要素は見当たりませんでした」とキリスト教会(ローマカトリック教会独特の言い回し)検閲官が宣言する文句のようです。

さらに詳しいニュアンスについては、「<wikipedia(英語)>Nihil obstat」を読むともっと詳しく書いてある。

(<wikipedia(英語)>Nihil obstat)
https://en.wikipedia.org/wiki/Nihil_obstat

『(Google翻訳)
Nihil obstat(ラテン語で「何も妨げない」または「邪魔なものは何もない」)は、カトリック教会当局が、本の出版やその他の提案された行動に異議がないことを公式に宣言するために伝統的に使用するフレーズです。

(「出版」に関するケースの場合)
nihil obstatというフレーズは、Censor Librorum(ラテン語で「本の検閲者」の意)として知られるカトリックの聖職者によって、本にカトリックの教義、信仰、または道徳に反するものが何も含まれていないことを示すために使用されます。 教会法は、忠実なカトリック教徒による書籍の出版が「信仰と道徳の問題に触れる」場合、この承認を要求し、牧師がこの規則を施行することを要求しています。 検閲官は司教から委任され、約2ヶ月にわたって問題のテキストを審査する。 著者が宗教団体(修道院など)のメンバーであり、その本が宗教や道徳に関係している場合、教会法はさらに、出版前に主要な上司のimprimi potest(「印刷できる」)を要求します。 最後に、著者の教区または出版場所の司教は、最終的な承認、imprimatur(「印刷させてください」)を与えます。

(「結婚」に関するケースの場合)
ニヒルオブスタットとは、前の結婚で形式がなかったため、誰かが自由に結婚できると宣言する文書も指します。また、カトリック教会における結婚に対する特定の障害からの免罪符を指すこともあります。』

この「「Nihil obstat」の言い回しの「結婚」に関するケースの場合」については、よくわからない人のために説明すると、次のような事が歴史であった。

(<wikipedia>ヘンリー8世 (イングランド王))
https://ja.wikipedia.org/wiki/ヘンリー8世_(イングランド王)

『ヘンリー8世 (イングランド王)(Henry VIII, 1491年6月28日 - 1547年1月28日)は、6度の結婚に加えて、カトリック教会からのイングランド国教会の分離によって知られる。

(離婚問題とカトリック教会からの破門)
ヘンリーは王妃キャサリンの侍女メアリー・ブーリンと関係を持っていた。メアリー・ブーリンの2人の子はヘンリーの子である可能性があるが、ヘンリー・フィッツロイのように認知はされなかった。始まってまだ日の浅いテューダー朝には正統性に対する疑義があり、王位継承権を主張するかもしれないライバルの貴族が多数存在したため、ヘンリーは強力な男の世継ぎを欲した。また、当時のイングランドでは庶子の権利が大幅に制限され、たとえ認知されたとしても王位につくことは難しかった。このような理由から、ヘンリーは6度の結婚を繰り返すこととなった。世継ぎとなる嫡出の王子が生まれないために、ヘンリーは王妃キャサリンに愛想をつかし、その侍女でメアリー・ブーリンの姉妹のアン・ブーリンを求めるようになった。だがアンはメアリーと違って愛人となることを拒否し、正式な結婚を求めた。

ヘンリーには3つの選択肢があった。1つ目は認知していた庶子ヘンリー・フィッツロイを嫡出子とすることであったが、教皇の承認を必要とし、相続の正統性への疑義を招く可能性があった。2つ目はメアリー王女を結婚させて男子を得ることであったが、メアリーは小柄で成長が遅れ、ヘンリーが生きている間に子をもうけることは難しいように見えた。3つ目の選択肢はキャサリンと離婚し、新たな妻と結婚することであった。第3の選択肢が最も魅力的に見え、ヘンリーは離婚(正確には婚姻の無効)を画策するようになった。ヘンリーの兄アーサーと短い期間ながら結婚していたキャサリンと結婚することは教会法の教義に反していたため、ヘンリーの結婚に際しては教皇が特別な赦免を与えていた。これを覆して婚姻の無効を訴えたヘンリーは、教皇クレメンス7世と対立し、イングランド国教会を分離成立させてイングランドにおける宗教改革を始めることになった。』

「ヘンリー8世」と当時の歴史については、ザッとあらすじを説明しておかないとわけがわからないので、説明を書くと、

(「ヘンリー8世」は何をした人物なのか?)

「ヘンリー8世」は何をした人物なのか?というと、「ヘンリー8世がやってしまった事(キリスト教と離婚問題)」と、それを処理する為に、「ヘンリー8世がした判断」の結果、後の歴史に、かなり大きな"影響"を残してしまった。
これは、現在の「英語版キリスト教会史」を作るきっかけになった根源の出来事でした。
これは、宗教の根源を変えてしまった事件だったので、かなりの大問題を後の世に残す事となる。

まず、
・「ヘンリー8世」の時代には、イギリスは、カトリック教会に所属していたので、当然、「ヘンリー8世は、カトリック教会方式で結婚式をあげた」
・当時の「カトリック教会方式の結婚式宣言」というものは、堅苦しいものだったので、キリスト教会方式の結婚式の宣言文句を聞けばわかる通り、「病める時も 健やかなる時も、富める時も 貧しき時も、夫として愛し 敬い 慈しむ事を誓いますか?」という感じで、「生涯の愛を誓う」意味なのですが、これは、「神様の前で宣言した」意味になります。
これに違反すると、地獄へ墜ちてしまうわけで、
・当時の「カトリック教会方式の結婚式をあげると、離婚は認められず、離婚は存在しなかった」
のですが、
・「ヘンリー8世」は、結婚はしたが、離婚したかった。

この「ヘンリー8世」の心や精神にとっては深刻な問題となっていた「離婚したい問題」は、「イギリスの国が、カトリック教会に所属していたままだと、絶対に離婚できない!」という問題だったので、
・「ヘンリー8世」がした判断は、『俺が離婚したいから、「イギリスの国の、カトリック教会所属をやめて、新しいキリスト教会の宗派のイングランド国教会を作ってしまおう!」』という判断でした。
結局、その判断は、そのまま実行に移され、「イギリスの国は、カトリック教会所属をやめて、新しいキリスト教会の宗派のイングランド国教会所属という事になった」

はっきりとした歴史はわからないが、上の「「Nihil obstat」の言い回しの「結婚」に関するケースの場合」に書かれている「「Nihil obstat」の言い回しは、免罪符として利用される」という意味は、そういう意味です。
要するに、
・「nihil obstat」の正確なニュアンスとしては、「何も妨げる要素は見当たりませんでした」とキリスト教会(ローマカトリック教会独特の言い回し)検閲官が宣言する文句
と書いたように、
・「nihil obstat」=「何も妨げる要素は見当たりませんでした」という言い回しを使う事で、「普通の論法ならば、アウトになる内容でも、強引に、GOサインを出せる」という、言い換えれば「詐欺師の言い回し」の事です。
こういう「言い回し」の事を、ヨーロッパでは、「レトリック」という。

「レトリック」は、わかりづらいので、詳しく説明を書くと、「何かを判定する時」に、
(1) 正確、精密に、1つ1つの箇所を倫理的に検証していくと「アウト」となってしまう!数学の統計理論の集合論とかの図で書くと、「最も許可できる範囲が狭くなる」
(2) 「nihil obstat」=「何も妨げる要素は見当たりませんでした」=「キリスト教会検閲会議メンバーの中で反対意見を言う人は1人もいませんでした」という言い回しを使うと、数学の統計理論の集合論とかの図で書くと、「最も幅広い、何でも許可できる範囲」をとる事ができる。
今回の「バチカン」の「超常現象に対する今後の対応の意思表明」の文書で言えば、
・「バチカン」は、「キリスト教会的な"奇跡"の超常現象などが起きた時には、「nihil obstat」=「何も妨げる要素は見当たりませんでした」=「キリスト教会検閲会議メンバーの中で反対意見を言う人は1人もいませんでした」という言い回しを使うと、今回、決定した」ので、要するに、「UFOとか出てきても、「nihil obstat」=「何も妨げる要素は見当たりませんでした」と表明する事で、とりあえず、何でも「反対する要素は無かったよ」という「言い回し」を好んで使う事で、「肯定はしないものの、否定する要素も無かったよ」という言い回しを使おう!という「悪知恵」を働かせた。というのが、「辞典の校正をしている側の「辞典の検閲官」である自分」からの判定の正確なニュアンスと思います。(「バチカン」に「文書検閲官」がいるように、「世界では、辞典学者のように、外部からの"目"の検閲官が存在している」という事です)

「nihil obstat」=「何も妨げる要素は見当たりませんでした」という「言い回し」=「レトリック」が何なのか?の、細かいニュアンスがわかった事と思います。
「レトリック」というのは、「文彩」=「言葉の巧みな技術」の意味なのですが、言い換えれば、「詐欺師の言い回し」という風に使い方を悪用すればなります。
古代ローマの元老院などの政治家が、この「レトリック」というのを使って、強引に、「世論の意識も同調させて獲得しながら」政治の悪い側面の判断も、強引に推し進めていけたわけです。

話を、「ヘンリー8世」に戻すと、この新しく作った「イングランド国教会」というものが、宗教の根源を変えてしまった事件だったので、かなりの大問題を後の世に残す事となって、現在の「英語版キリスト教会史」を作るきっかけになった根源の出来事だったのですが、「ヘンリー8世が、新しく作ったイングランド国教会」が、本来は、タブーだったので、やってはいけない「改変」を「聖書」に加えました。

(「ヘンリー8世が、新しく作ったイングランド国教会」が、本来は、タブーだったので、やってはいけない「改変」を「聖書」に加えた箇所)

(1) 「聖書」を「英語に翻訳したバイブルを作った」(基本的には、世界中の「聖典」は、「翻訳時に、その時期の人間の意思により、内容が改変されてしまう事を恐れて、古代語のまま使う」のが原則なのだが、「古代語を読める人が現在、ほとんどいない」のも弊害が出ていたので)
(2) 「聖書」の最初の挿絵の「神」が位置する図版の位置を、「キリスト」に変更した。(「神」への宣言だと、「離婚できない」ので)

という感じで、要するに、『現在、世界中で主流になっている「英語で書かれたキリスト教バイブル」というのは、厳密には、「ウソ」=「フェイクニュース」として処理しなければいけない』のだが、「英語バイブル」の方が主流になってしまった。(苦労してでも、毎回、古代語を勉強して「古代語原典」で読まなければいけない)
要するに、「ヘンリー8世」がしたこれらの改変は、「キリスト教の為」ではなくて、「自分自身が離婚したいという不純な動機で作られたのが、英語翻訳版聖書」なので、「ヘンリー8世」は、キリスト教の根源を、かなり壊してしまったのですが、国王だった事で、全世界への後の時代への悪影響がかなりできてしまったという歴史の事件がありました。

オカルト雑誌「ムー」では、興味深い指摘が書いてあって、
・「1文字も絶対に改ざんしてはならない」という古文書は、「暗号文書」の可能性
を指摘してあって、いろいろな「聖典」に「隠された暗号文書が含まれていた」場合には、「英語翻訳バイブル」などの状態にしてしまうと、「本当の真意を読み解ける解読ができなくなってしまう危険性」について指摘してあった。
(それこそ、現在の「AI」を古代語のテキストのまま全文、ビッグデータに入力して、「暗号解読」させれば、何か、本当の隠された真意が読み解ける可能性はある)
特に、古代ローマ軍なんかが、「初期の暗号文」を使っていたので、この可能性はゼロではない。
のだが!言語学的には、「古代ヘブライ語は、テキストに書く時に、母音を書かない(たぶん、古代の「バベルの塔」の時代に、「神の怒りをかって、文字が乱された」という辺りの原因で)」ので、「どうとでも読める」という「最悪の暗号状態」で、実は、「文字」=「ロジック記号」なので、「文字も、数学の範疇」=「論理学」なのですが、「数学者に言わせれば、そういう、母音欠如テキストならば、"読みたい人が読みたい情報のように、いくらでも読めてしまう"」という欠陥があります。

(<ムー>「絶対に改ざんしてはならない」という古文書は、「暗号文書」の可能性)
https://web-mu.jp/spiritual/40793/

『「ヨハネの黙示録」は記載し、さらには絶対に改ざんしてはならない、という文言まで残しているのか。
文章を消しても付加してもならない──つまり、絶対不変のものでなければならないという縛りがある文書は、世にたった一種類しかない。
暗号文書である。
暗号は、サイファ(文字単位での置き換えを行う)とコード(意味がわからないように言葉を変換)に分かれるが、両方が使われていた場合、文字列は完全に不変でなければならない。
コード暗号では、規則をもって文字列を飛ばし読みすることで解読する。これは、どれだけ高度な暗号形態であっても共通する基本原則である。
一方、サイファの場合は、照らし合わせる文書群が必要となる。この場合でいえば『聖書』には別バージョンのようなものがあり、それと合わせることで初めて真の意味が理解可能になる、という暗号方式である。もちろん、そんなものは現代には存在しないはずだ。
だが、悪魔の数字「666」に注目すると、『聖書』の別バージョンが存在した可能性が浮かびあがってくる。
そもそもヘブライ語『聖書』で聖ヨハネの時代に記載されたものは、少し前の『死海文書』しか存在していない。
だが、『聖書』は手書きで継承されてきたために、別バージョンの片鱗が残されたと思しきものもある。たとえば「ヨハネの黙示録」のとある写本。そこには、世の終わりに額と手の甲に刻印される数字について、「616」とされているのだ。
これはどういうことなのか』

次に、「Nihil obstat」を本当の意味で知りたいならば、次の関連文書も必ず読む必要があると書かれている。
・Imprimi potest
・Index Librorum Prohibitorum (禁書目録)
・List of authors and works on the Index Librorum Prohibitorum (禁書目録に掲載された著者と作品のリスト)

(<wikipedia(英語)>Imprimi potest【ラテン語】)
https://en.wikipedia.org/wiki/Imprimi_potest

『Imprimi potest or imprimi permittitur (Latin for "it can be printed") is a declaration by a major superior of a Roman Catholic religious institute that writings on questions of religion or morals by a member of the institute may be printed. Superiors make such declarations only after censors charged with examining the writings have granted the nihil obstat, a declaration of no objection. Final approval can then be given through the imprimatur ("let it be printed") of the author's bishop or of the bishop of the place of publication.

(Google翻訳)
Imprimi potestまたはimprimi permittitur(ラテン語で「印刷できる」)は、ローマカトリックの宗教研究所の主要な上司による、研究所のメンバーによる宗教または道徳の問題に関する著作を印刷することができるという宣言です。上司は、著作の審査を担当する検閲官が、ニヒルなオブスタットに異議を唱えないという宣言を与えた後にのみ、そのような宣言をします。最終的な承認は、著者のビショップまたは出版場所のビショップのインプリマトゥール(「印刷する」)を通じて与えることができます。』

という感じで、
・「Imprimi potest (imprimi permittitur)」というのは、「ローマカトリックで、印刷許可が可能であると宣言した」という意味で、この条件に、「nihil obstat に異議を唱えない」と検閲官など、宗教検閲に関われる人物全員の宣言があった場合にのみ、「Imprimi potest (imprimi permittitur)」という宣言ができる。

(<wikipedia(英語)>Index Librorum Prohibitorum (禁書目録))
https://en.wikipedia.org/wiki/Index_Librorum_Prohibitorum

(日本語)
https://ja.wikipedia.org/wiki/禁書目録

(<wikipedia(英語)>List of authors and works on the Index Librorum Prohibitorum (禁書目録に掲載された著者と作品のリスト))
https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_authors_and_works_on_the_Index_Librorum_Prohibitorum

「禁書目録」というのは、「旧ローマ教皇庁によって異端または道徳に反すると見なされた出版物の一覧表」の事です。

非常に問題な事は、
・「nihil obstat」
・「Imprimi potest (imprimi permittitur)」
・「禁書目録」
・「異端審問」
の全てにおいて、これら審査結果が、そもそもローマカトリックとは無関係な人々にとっては、「間違った判断」である
事です。

例えば、
・最終的には、現在では、正しい事が認められた「ガリレオ・ガリレイの地動説」なんかは、当時の、カトリック教会から、「異端審問」を受けて、場合によっては、ギロチンで処刑されかねない状況だった。(「異端審問」や、「魔女裁判」の歴史を見れば、これらは間違った極めて残虐性の強い悪魔の所行である事がわかる事でしょう)

要するに、
・ローマカトリックにとっての、
・「nihil obstat」
・「Imprimi potest (imprimi permittitur)」
・「禁書目録」
・「異端審問」
と呼ばれる全ての判断基準は、「真実」に基づかず、「ローマカトリックや、バチカンにとって、利得であるかどうかのみで判断される」というのが実際の所です。

バチカンや、ローマカトリックが「検閲官」を置いているように、「全ての国は、バチカンや、ローマカトリックなどが我が国や現代文明にとって、危険なものではないか?」を監査、検査する検閲官がいるわけで、自分自身も、辞典学者であるので、場合によっては、検閲官側になる。

「ガリレオ・ガリレイが、当時、「異端審問」を受けて、場合によっては、ギロチンで処刑されかねない状況だった」事を考えれば、「現在においても、多くのノーベル賞学者達や、学会の論文を書く人達が、現在のバチカンや、ローマカトリックによって、「異端審問」を受けて殺害や暗殺や逮捕拘留などをするのであれば、ほとんど全ての国家は、バチカンや、ローマカトリックを危険な宗教組織に認定せざるを得ない」

(まとめ)
要するに、自分が、この文献を読んだ限りでは、次のような意味で言っていると思われる。

・最近、トランプ大統領以降、「フェイクニュース」取り締まりが厳しくなってしまったので、当然、「過去の世界中にあるキリスト教会内部に保管されている、複数の「キリストの聖骸布」、「聖杯」などの聖遺物なんかは、1つしか無いわけで、必ず、本物の1つ以外は、「偽物である!」=「フェイクニュース」確定となってしまう問題事態が発生した。
バチカンや、ローマカトリックや、キリスト教会にとっては、これらは、観光収入であり、良い財源であり続ける必要があり、いろいろと「いい言い訳の案」を考えていた所、古くからのカトリック、キリスト教会の言い回しのラテン語に、「nihil obstat」というレトリックの言い回し文句を発見したので、この「nihil obstat」というレトリックの言い回しを用いれば、これらの、問題は解決するように思われたので採用した。
「nihil obstat」つまり、「反対意見はありませんでした」という言い回しを使う事で、これら全ての必ず、本物の1つ以外は、「偽物である!」=「フェイクニュース」確定=「偽物はゴミなので燃やすか捨てるしかない」という判断は、とりあえず回避できるので、これらは、今後も、「フェイクニュース」だったとしても、観光収入や宗教財源になり続ける事ができる。
また、今後、新規に、そういった「キリスト教や神学的、奇跡の、ユーチューブ動画や写真などが出てきた場合」でも、この「nihil obstat」というレトリックの言い回しを用いれば、場合によっては、新しい、観光収入や宗教財源になり続ける事ができる。
という感じの判断にしたい腹黒い目論みを感じさせる内容だと思われる。

バチカンや、ローマカトリックが「検閲官」が自分達の所にしかいないと勘違いしているようだが、辞典学者など文献の精査をする言語学のプロや検閲官は、ほとんど全ての国に、「外部からの目」として外部の検閲官が存在している事に気がつくべきである。

ガリレオ・ガリレイへの「異端審問」同様に、近代の科学者に危険が及ぶ判断を、バチカンや、ローマカトリックが「検閲官」だとして、「nihil obstat」を用いて、危険な判断をするのであれば、各国の検閲官側は、バチカンや、ローマカトリックを危険組織に認定さざるを得ない。

「nihil obstat」の判断は、主に、2つの段階に分かれていて、
(1) 「nihil obstat」つまり、「反対意見はありませんでした」という言い回しを使う事で、とりあえず、何でも許可はする。
(2) 一方で、「反対意見があった」場合には、『バチカンや、ローマカトリックの利益を損なうのであれば、「反対意見を積極的に言って否定はする」』と書いてある。
要するに、「真実」、「真相」に基づいた判断は、バチカンや、ローマカトリックはせずに、『バチカンや、ローマカトリックの利益を損なう』のか?『利得になるか』のみで協議して決めるような事が書いてあるので、今回のバチカン文書の内容的価値は、全く無いものであると自分の方では判定した。


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