2020年８月　春野亭日常　水城さん見守りフェスの記録　その９

【国立春野亭日常／水城さん見守りフェス vol.9】
「いのちの始まりといのちの終わり、どちらも、いのちが生き生きしているなぁ……」そんなことを感じた８月13日午前中のことを書きます。

山縣 理人 (Michihito Yamagata) ミッチーが始発ごろの電車で帰り、４時頃から水城 ゆう (Mizuki Yuu))さんのベッドサイドには、野々宮 卯妙 (Utae Nonomiya) 万里ちゃん、滑川 直子 (Naoko Namekawa) さんが交代で。
市谷 理子 (Rico Michiko Ichitani) ちゃん、私も交代で片付けやらなんやらを静かに進めています。雷雨の翌日、またよく晴れた夏の一日が始まった。

今朝は10時に訪問看護。からだの清拭、ドライシャンプーで髪をあらったり、着替えたり。隣室では見守り人たちの朝食が終わった後で、万里ちゃんの娘さん一家もワイワイと食事。
今日は、ここ国立春野亭に千葉から万里ちゃんの妹さん一家（小学生から中学生までの男の子３人）も合流。これから娘さん一家（夫婦と２歳児と３ヶ月の赤ちゃん）で、夏のドライブに行くのだとか。

これまでは、水城さんひとりが the king of kings at 春野亭だったのですが、急に”赤ちゃん”や、”可愛い盛りの２歳児”という強力なライバルたちが出現し、見守り人たちの注意もついそちらに。
特に２歳児ちゃんは以前の赤ちゃんの頃、水城さんが”オレが抱っこしていれば泣き止む”と自慢しながら可愛がっている女の子。水城さんのベッド脇でに来ては、大人たちに「みずきさーんって言ってごらん」と言われてなぜかモジモジ。他の子どもたちも代わる代わるベット脇にきて覗き込んだり、でもすぐに飽きて離れたり。

３ヶ月の赤ちゃんを目の前に見せると、そのエネルギーに引き寄せられるのか、水城さん、何度もグッと目を見開く。
ひとり中学１年生の彼だけは、ベッド脇でお母さん（万里ちゃんの妹さん）が水城さんに話しかけている後ろから、ジーッと目をそらさず見つめていた。

変わり果てた水城おじさん、ガイコツみたいで怖いよね。でもね、水城さんはいま一生懸命生きているんだよ。ここに集まるみんなと生きるために、また、離れていても祈ってくれている人たちと一緒に、最後の最後まで生きようとしているんだよ……

そんなふうに心でつぶやきながら、さらに彼の背後でこの幸せな風景を目に焼き付けていた私です。
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