キヲクノォト Vol.2

この日は1月の連休最終日。
用事がてら電車に乗って行った場所では
成人式の振袖を着た新成人たちがちらほら。
この町では成人式ができたようだ。

ふと、自分の20歳の頃を振り返ってみる。

写真にも出会っていなかったし
死もまとわりついていなかった。

ただ、まだ理由の分からない無力感と
世界に馴染めない違和感を抱いて
日に日に色を失っていく生活に燻っていた。

あの頃の私はまだ生まれてもいなくて
生きるということがどういうことかも知らず
自分のことを知りもしなかった
全てを分かっているような気になっていただけで。

その後の20年
地獄のような時期も長いことあったけれど
それを越えて、表現に出会い
気づけばずいぶん楽に生きられるようになった。
やっとなんとか大人になったような気もする。

世界に馴染めない自分も自分らしさに変えて
あの鳥のように自由には羽ばたけなくとも
重たい鎖に縛られていようとも
今日もゆっくりゆっくり歩いてる。

【お知らせ】
せっかく考えて決まったタイトル、「キヲクノォト」ですが、
早速次回からタイトル変更します。
新しいタイトルは、

「今宵、何処かの終点で」

終点は始発に変わる。
今日という日を何度終わらせてもまた新しい1日を始める。
そんな、気持ちでやっていきたいです。

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