「ライブ」は間違いなく、生きている
「セトリが同じなら何回もライブ行く意味なくない?」
その問いに対する答えが"いいえ"であることを、私は今日、この身を持って再度確信した。
ツアーへの参戦が初めてとなるライブと、セトリを知っている状態で向かうライブとでは心境が大きく異なるのは皆周知の事実だろう。やはり「初めて」を超える二度目というのはそうなかなか創り出すことができないのが現実である。音楽体験を"つくりだす側"は知らないが、"体験する側"の心情の練り出しには総じて超えることのできない壁があると私は思う。
ただ、初めてのライブに唯一の価値があるように、二度目ないしは三度目、それ以降のライブにも無二無三の価値は存在する。私は昨晩感じることのできなかった感情に今日何度も襲われたし、昨晩とは似て非なる同等の価値を今日この身で体感した。
それらの一部始終をここに書き留める。
いつでも読み返せるように、いつでも思い起こせるように。
そして、今を生きるために。
篤とご賞味あれ〜〜〜〜
●nextごりごりネタバレ↓
昨日きたZepp Yokohamaという地に、今日もやってきた。
昨夜とは打って変わって、今日はごりごり田淵側の3列目で開演に胸を高鳴らせていた。私、ここにいていいのか?
スピーカーはすぐ横だ。ステージはもう目の前だ。間違いなく今日が今までで一番UNISON SQUARE GARDENに物理的に近づいた日だった。
同じライブハウスで同じ曲が流れているはずなのに、目の前の景色も周囲の空気感も、昨夜とは全くの別物だった。
メンバーがステージに出てくると、そりゃ少しは後ろから前に詰められたけれど、最近はもっと殴り掛かるかのように押されることが何度かあったからフロアの質の高さにひどく感嘆した。
ロックバンドの音楽とフロアの居心地には多少の相互関係がある、だなんて言いたくはないのだけれど、ロックンロールもフロアも質の高いこの空間が私は心底大好きなんだな。
こちらにガンを飛ばしながら目を見開く田淵に身体中の血が騒いだ。
ロックンロールの雨が豪快に降る。
さあ、構えろ。
スカースデイル
昨日と同じセトリだと分かっていても、やはりその日のライブの一発目を飾る曲にはドキドキするものである。ピンスポを浴びる斎藤さんがアカペラに口を開く。が、なんということだろう、アレンジが昨日とは違うではないか。
「君の心迷わないように ほんの少しの傷をつ(→)け(↗)た(↗)ら(↑)~」
昨日はこの後にもうワンフレーズ続いた(はず)が、今日はここで一気にステージに光が放たれて原曲のイントロにつながれた。
ほら、こういうところだ。もう一曲目で"今日の"ライブに昨日とは違う価値がついた。ただこれだけでも、あの問いに答えるには十分すぎるほどの理由だった。周囲に溶けて混ざるように肩を揺らして音楽にノった。今日私の半径5メートル以内にいた人たち全員を呼び集めてライブ映像鑑賞会を開きたいと思ってしまうぐらい、ノリの相性が良くて楽しかった。天国と地獄
お馴染みの「UNISON SQUARE GARDENです!ようこそォ!」を吐き出して始まった天国と地獄はこれまたやっぱり楽しいんだ。昨日も歓声が上がったけど今日耳に響いた歓声は二倍三倍獣じみていた。もはや周り全員野生動物なのではないかと疑ってしまうぐらいの熱気。かく言う私も早々に暴れ散らかしていた。気持ち良イ~~~~~!恋する惑星
ぼかすかぼかすか
今日は周りに釣られて「あ~いやいや!」を唄った。ユニゾンのライブで歌ったの初めてでは?と思ったがVGのガリレオで歌ってたわね。失念失念。
頭振りながら叩き乱れるたかおに完敗。すっごくポップでかわいい歌詞とマッチする音の確固たる安定感に私の耳は虜なんだ~~BUSTER DICE MISERY
昨晩のnoteに訂正が入ります。この後時間をかけずにバスターダイスへ繋がるのでドラムソロはここじゃないです、失礼。
でもね、バスターダイス、滅茶苦茶にアガったのよ。ガシャガシャに鳴らされるギターにベンベン弾かれるベース、ドドドド叩かれるドラム、最高以外の何物でもないね。周囲の熱気がまた一段と高まった。
昨日のnoteでも書いた2サビ後、そう、例えるならサイレンのように蔓延するギターの音に耳が痺れた。ヘッダーパンドラクルセイダーで破る静寂もやっぱり爽快で気持ち良い。
ふと真っ赤な照明に照らされて眼に映った田淵のこれ見よがしな顔はB級ホラーを超えていた。23:25
なんてこった、心も体も跳ねる跳ねる。23:25のメロディなんていつ聞いたってアガるんだから、バスターダイスの後にきたらそりゃ笑みもこぼれるよ、昨日に引き続きね。
置いてけぼりにならないよう②③②⑤の音をキャッチすべく腕を挙げる。今日は周りに良い方向へ流されることが多々あって、初めて「帰ろう世界へ」と歌った。ロックンロールに圧倒されてぽかんと口を開けてしまうとき以外はほぼずっと望んで口をつぐんできたユニゾンのライブだけど、歌うのも悪くないな。そうして多幸感に満ちた私を、ラスサビ前でステージを照らした七色の照明がすかさず魅せる。
あまりにも完成され尽くした23:25にあっぱれだった。kaleido proud fiesta
間髪入れずに斎藤さんが「かくしてまたストーリーは始まる」と歌う。
始まってしまったよ、我らの祝祭が、、、幸福マックス祝歌(いわいうた)は二日目の今日も光り輝いていた。カレイド聞くと本当にお腹いっぱい幸せになれる。今夜ここにいられる喜びと誇りを声に乗せて思う存分「うぉーおーおーおお」を歌えました。
UNISON SQUARE GARDENの音楽を浴びれること、この上ない幸福だ。胸を張って誇るしかないよな。ここで会ったがけもの道
ドラムソロに入る。今日たかおが一回雄叫び上げたんだけどここだったか、後のセッションだったか、、、汗と髪を散らしながら叩き乱れるたかおを緑色の不穏な照明が追った。次の曲が分かっていたのも相まってか、この時のZepp内の空気がもうジャングルのそれでしかなかった。田淵は暗の中でも分かるぐらい相変わらずつまらなさそうに準備体操をしていた。
そのまま曲へなだれ込み昨日と同じように「ケェモノミチィ」と斎藤さんが言った。
勿論二度目の今日もガッツポーズ。なんせ構えていたもので、昨日よりも状況整理が早くできたから初っ端から揺れに揺れていた。田淵だってそりゃステップも踏むよね。最高だぜ、けもの道。
成敗!!成敗!!アンチ・トレンディ・クラブ
ふぅ~~~~~~!渦巻みたいなピンクの照明に照らされながら音が飛び交う。アンチは腱鞘炎になるんだよ、腕と手振りすぎてな。「一緒に居ようぜできるだけ」デ・デ・デが好きで好きでもう、、、踊り散らかしすぎたな。「うぉお、うぉおお」も歌えた、グッジョブ。きみのもとへ
きたきたきたきた、きたァ!二日目でもこれはさすがに効く、昨日に負けないぐらいアガった。イントロも黄色い照明も愛しい、ああ、もう一回next行けないかな、、、
変な(確かな)ステップを踏む田淵も、それを見てたまに微笑む斎藤さんも、淡々と叩くたかおも全てが愛しかった。なんだ、あの幸せ空間は。
昨日は「明日もこれ見れる!うわあ!」って思っていたから、次がない今日はどうなるんだと思っていたら終始「さいこう!さいこう!だいすき!だいすき!be to be! be to be!」とねじが抜けたように一本線の単純思考回路の上を走っていた。二日間とも、間違いなく私が一番きみのもとへを存分に味わってたいらげました。いけないfool logic
ロックにロックを重ね、狂騒に狂騒を重ね、幸福に幸福を重ねてくるで有名のUNISON SQUARE GARDEN様。今日もZepp Yokohamaが一瞬にしてダンスホールに姿を変えた。「shake the world!」からの空気はやっぱり、ディズニーランド(シーではない、ここ大事)の空気をそのまま持ってきました、と言わんばかりのもので幸せ絶頂だった。聞きながらこれを書いている今も肩揺らしてつま先でリズムをとってしまうぐらい幸せな曲だよな、いけないfool logic。
「結局僕らが勝利しちゃうから狂騒をくれよ!」カオスが極まる
→狂騒をくれた。
考えてもみれば「次はカオス」と答えを教えてくれているようなものじゃないか、おいおい。狂騒中の狂騒だぜ。
勿論今日もゴリラ化は止められなかった、特に2番に入る前のドラムドカドカ。あれには本当に屈服だ。
カオスのシングルの帯の言葉、覚えていますか?
『超、気持ち良い。』
カオスは毎度、これに尽きる。もう君に会えない
斎藤さんの声が伸び良く響いたのはスカースデイルの入りに次いで二度目だったけれど、昨日も書いたようにやはりまるで響き方が違かった。か細い照明に照らされる斎藤さんの顔は、重力に負けて垂れ下がった髪で隠れて見えなかった。田淵とたかおも同じように。
私たち"受け取る側"は一度芽生えた感情を再度練り出せるほど器用ではないと最初に書いたが、もう君に会えないの曲が持つ情景とあのZeppの空気はそれをも可能にさせるものだった。
私は昨日と同じように曲に愛犬を映して耽った。昨日よりも、涙があふれた。周りから鼻を啜る音が浮かんでくる中で、この空気を壊すまいと強く目を瞑り声を殺して咽び泣いた。夏影テールライト
もう君に会えないの残響をそのままつなぐように始まった夏影はすごく暖かかった。つついたらすぐヒビが入って割れ目を作り出す私の心にじわりと沁みていった。
前の空気が抜けきらずにしんみりとするフロアを包むような橙色の照明はまるで「まだ間に合うよ」と言ってくれているようで、なんだか救われた。幻に消してたまるかと弱弱しく思いながら目の前の景色を目の中に焼き付けた。
ライブ中はそんなこと思う余地もなかったけど、夏影テールライトが沁みるぐらいの恋慕の情を私も抱いてみたい。ミレニアムハッピー・チェーンソーエッヂ
前二曲でつくりあげた会場の空気を一掃するかの如く始まったドラムソロ。二度目ですね。昨日のnoteでバスターダイスのところに書いた「ドラムの音に合わせた照明の切り替え」はここです、失礼。やっぱり一回参戦しただけだと全然頭の中で整理できないもんだな、二回行くとそういうあやふやで思い出せない記憶をなぞれるから嬉しい。これも何度も何度もライブに行く醍醐味だよね。
ドラムソロに乗っかるようにベースとギターの音が入り込み、次第に音同士がぶつかり合う。そんな中でタイトルコールされた「ミレニアムハッピー・チェーンソーエッヂ」。つい先程までしんとしていた観客から歓声が上がる。スイッチが切り替わったかのように田淵も動き回る。楽しい~~~~~!照明の明るさもさっきより増した気がした。
「こんなんじゃ青春が終わっちゃう!
死にたくなってしまう
だけどどうせいつか終わるから
毎日をちゃんと諦めないでくれ」
生きろとガツンと言われているような、まあでも人生なんて結局制御不能なんだから気楽に過ごせよとも言われているような、そんな何とも言えない納得感に襲われた。ユニゾンが鳴らすからそう思えちゃうんだろうな。世界はファンシー
間を空けず続いたのは世界はファンシー。不穏なメロディと軽快な歌詞の見事な溶解、私はずっと、これぞユニゾン節だと思っている。
楽曲よりも速まるテンポに、案の定身体を折り曲げながら頭を振る田淵を見て私も思わずブチ上がってしまった。「My fantastic guitar!」と吐き捨てて髪を靡かせながら掻き鳴らす斎藤さんはそれはもう、、、あれで恋に落ちない人いるの?
世界はファンシーはやっぱり楽しかった。
ハッピー✌️😎✌️フレーズボトル・バイバイ
「フレーズ!ボトル!バイバイ!」
こちらもお決まりのテンポアップで会場の空気が揺れる。皮肉を効かせた歌詞なのに、何故かそこから逆張りではなく余裕が感じられるこの曲、本当に大好き。これもユニゾンだからこそなんだろうな、ユニゾン節だね。
私たちが生きていくこの世界では、私たちだけじゃなくて、甲斐が無くてくだらないことも存在を成している。ほんっとうにくそほどしょーもないこともあるよ。だけどそんなの全部無視したっていいんだからね。
あっかんべーでもしときゃいいんだ。
私だって毎日それなりに頑張って生きているし、今は目の前のごちそうを味わって楽しんじゃう。それで良いよね。
「またいつか会えたらいいから、
Hello, 今夜も楽しかったね
忘れられない今日になった!」スペースシャトル・ララバイ
「忘れたくても忘れない、今を繋いでいく
僕たちのスピードで」
眩しくて目を凝らしてしまうぐらい前向きで、大好きだ。君が君としてじゃなくちゃ、と言われて、二日目にして涙が出た。
そうだ、生きるための燃料なんざ探してみれば案外どこにだってある。UNISON SQUARE GARDENだってそのうちの一つだ。
「青すぎる空を泳ぐ希望みたいなもの
小さくなってくスペースシャトル
さよなら、この瞬間が答えなんだろ?」
"青すぎる"の部分から一度テンポを落として音を静まらせる。斎藤さんの声だけが響いて小さくなっていくスペースシャトルを見送り、"さよなら"の部分から再び加速を取り戻す。
ああもう今終盤で、今夜が終わってしまうんだと、分かりきった上でふと切なくなった。
それを寂しいと思うと同時に、ライブが終わった後もなんだかどうしようもなく生きてみたくなった。Invisible Sensation
「この瞬間をscopeしろ」
"今"を生きろという強いメッセージ性がここ3曲で立て続けに象徴されていた。昨日よりも曲の繋がりを意識していたからか、感情が爆発した。
なんだかうまく書けないけれど、強く人生を生きたいと思った。
楽しいのは私だけじゃなくて、周りの観客もメンバーも、みんなリミッターから開放されたかのように楽しんでいた。Cメロ前の演奏パート、にやっとした田淵と笑顔で迎える斎藤さんが向かい合って弾き合ってたのがもう、、、感無量だったよ、、、田淵が"ごめんね"か"ありがとうね"か分からないけど片手を立ててたの、かわいかったな。
「だけどいつか誇れるぐらいには
人生はよくできてる
だから、生きてほしい!」(en-1)ライドオンタイム
本編が終わってメンバーが袖に履けてから、アンコールまでは秒読みだった。ステージに出てきた斎藤さんが早々に「ライド!オン!タイム!」とタイトルコールした。
ここまできての"乗り遅れるな"はくるものがあるよなあ!
乗り込む準備は万端だったから、髪はしっかり結び直していたし腕も満を持して上げ続けていた。最高だ。
田淵と一緒になってステージを駆け回りたい気分だった。最高、最高だよ。
「ライドオンタイム」も何度も歌えたし、本当に最高の夜だよ。(en-2)mix juiceのいうとおり
最高な夜が終わりを告げる。
「ちゃちな理性に挟まれて心ぐるぐる悩むぐらいなら
荷物を捨てて飛び出そう」
やっぱり前を向ける曲だ。音色も歌詞も飛び抜けてかわいいけれど侮るなかれ、すごく勇気づけられるんだよ。
そんな魔法があっても欲しくない〜の"魔法"で指ぶんぶん振ってたら田淵がこっち見て真似してくれた。田淵ッ、、、、、、T T
そしてにっこにこで首フリフリする斎藤さん、、、、、、T T
もう、乾杯_________________
「今日までの感情が明日を作るから
イライラも後悔もまるごとミックスジュース」
天才的だ、"今"に生を見出してきたここまでの曲たちをまとめあげて、明日という先を作りあげる。
素晴らしいよ。
今日もありがとう。
さて、前回・今回のnoteのタイトルにもある「ライブが生きている」についてだが、言うまでもなくこれが最初の問いに対する答えの根拠だ。
「セトリが同じライブには行く意味がない」
だがしかし私にとってライブは命を宿した"生き物"であり、それぞれに個体差がある。同じ人間でも私と君とじゃまるで別人だ。
人間に性格やその人の人柄があるように、ライブにも公演ごとにそれぞれカラーがある。そのカラーに、今日何度も書いたような価値が付与される。
その日のライブに如何に命が吹き込まれるか、どのような生き様を見せてくれるのか、それを目撃するために私は足を運んでいる。
ライブってのは、チケット代こそ払えど実際プライスレスなんだよ。同じツアーの二度目に、一度目と同じお金は払えない、なんて文句は私のところでは受付拒否だ。
何はともあれ、今日のライブの命は今日限りだけれど、その生き様は目撃者の私たちの中では存在感を放ち続ける。次第に薄れていってしまうのが性だけどね。でもユニゾンは円盤を出してくれる(よね?)から、きっとまたいつか今日の体験を思い出せるんだ。
そしてライブが生きているのと同様に、いや、それ以上に私自身も「生きる」ということに真剣に向き合わなくてはならない。それは厳かに生きるだとか真っ当に生きるだとかそういうのじゃなくて、なんて言うかもっとこう、大切なものを見つけてこの身を置いている"今"に生々しくしがみつくという意味だ。
大切なものなんて人によって変わるから置いておくとして、昨日今日で何度も訴えかけられた「今を生きる」ということ、これだ。
そんな遠い先のことなんて考えたって埒が開かないし、大体未来予知ができる人間なんていないんだから。少なくとも私はできないんだから。
だったら今を生きることを大切にしなきゃいけない。これは未来を放棄するという意味ではなくて、沢山の"今"が繋がって"未来"が造られるということを承知した上で、だ。
まだまだ未熟な私は人生に責任を持つだなんてたいそうなことはできないけれど、がむしゃらに今を生きていくぐらいはしなくちゃね。
そうやって生きて生きて、生きていれば、良い音楽に出会えてそれを体感できる日が来る。私の人生、それだけでも十分誇れるものにできるよ。ありがたいことに一聴じゃ読み解けないような音楽を産み出すロックバンドを私は知ってしまっているのだから。
聴いて聞いて噛んで飲み込んで、美味しい音楽をこれからも追い続ける。
また行こう、絶対にまたUNISON SQUARE GARDENを見に行こう、体感しに行こう。
は~~
今夜のライブも最高ですわ!
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