思考

"思考"には二種類ある。

一つは流れに身を任せるもの。
浮かんでくることをひたすらなぞる。思考の流れをひたすら見る思考。
身体を飛び出した上の方で考えている。

もう一つは自ら辿り、進むもの。
意識して考える。自らを律して一つを考える。
心と身体で考えている。

どちらも大事。
流れに身を任せれば多くのものを見れる。
意識すれば深く見れる。

だからどちらかだけではダメ。
狭い思考は人を遠ざけ、浅い思考は自らを幻滅させる。
いくら考えたつもりでも、それはちっとも考えたことにはならない。

ここ最近はずっと流れに身を任せていた。
どうしようもないように思える現実に絶望し、自ら切り拓くことを忘れていた。

久しぶりに考えた。
自分、腹ただしい仕事の人たち、みんなが苦しんでいることを忘れていてごめんなさい。私(浮かぶ顔は仕事の人たち)もあなた(浮かぶ顔は私)も苦しんでいるのだと。ごめんなさい。
その瞬間、自分が変わったのがわかった。

意識が深まり、眠りに落ちる直前のようになった。
その後、浮かんできた意識はどうしようもない幸福感を帯びていた。
それは身体にも伝わり、じんとした温かさに変わった。
目が開き、世界が明るく見えた。


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