キラキラ

まぶしくて見えないものがある

暗く長いトンネルの中から
出口をに向けて徐々に光が近づき
外界に解き放たれたその一瞬
陽の光のまぶしさに目が眩む

それは眼の明暗に対する順応の機能的な問題かもしれないし
陽の光の眩しさによる外的要因なのかもしれない

ただ、生きていくとそれとはまた異質な類のものもあった

高校3年生
初めての文化祭だった
陸上部の新人戦が毎年文化祭と同日だったため1.2年は準備しか参加できなかった
題材は「黒魔術カフェ」
当時流行りの漫画「君に届け」から着想を得た企画である
得意科目が美術や図画工作だった私は
概念として何かを創り上げることも大好きで
お店のレイアウトや装飾、小道具に至るまで
湧き出るアイデアをぶつけまくってたと思う

と、いってもオマージュ企画なため原作に忠実な世界観が求められる
ゲーム漫画文化が家庭に無く
小1から図鑑と小説とスポーツ雑誌を読みあさるこじらせた高校生だった私は人生で2度目の漫画に目を通した

1巻目の肝試しのシーンでそっと本を閉じた
青春漫画の破壊力を思い知った
当時青春や恋愛に縁遠かった私(まぁ今もそんな変わらん)にとっては
その描写のまぶしさに全身を撃ちぬかれたような衝撃があって小休憩を挟む事が必至であったのだ

概念としてのまぶしさをこの時初めて知った
そしてその衝撃は10年近くたつ今でも忘れえぬ感覚となっている

(蛇足であるが初めて読んだ漫画はNANA
バンドマンでもスキンヘッドでもないし
美大のあざとい女子も縁遠いものであったので
前述の衝撃はなかったのだと思う)

当時はガラケー全盛期で
オンラインコミュニケーションは
mixi、glee、モバゲーが主要だった
時を経て現在は
Twitter、Instagram、Facebookが主である
これらのサービスが与えた影響としては
“他者の生活を可視化できる”点だと感じる
これらのサービスの普及により
マウント強者は悦に浸り
比較弱者は劣等感を抱く
私は後者のタイプだ
ミュート機能という人類史上最高の発明を利用して正気を保っている
前述2者の中間層がある種のサービス適合者ではないだろうか

高校卒業から早8年
数多の経験を経て夢と現実の比率は悲しいがな変わってきてしまった
最近では全国の人とzoomでお話することが多くなり、沢山の素敵なつながりができた
中でも、数日前に印象的な出逢いがあった

その方は私とものの感じ方や考え方が
全く一緒と言って過言でないくらい同じで
それ故に、抱えている悩みの種類も同じで
終始共感しあってた気がする

嬉しかった
味方が目の前にいた

会話中の自身と他者を俯瞰しながら会話する
タイプなので、多少の滑稽さも認めつつ、
嬉しそうに珍しく聞くよりも話す比重が大きくなっている自分に気づいていた

目の前の相手と自分
味方同士
そこに劣等感などはなく
あったのは嬉しさと安心感
コロナで人生は狂ってるけど
この出逢いは素直に良かったなと思える出来事だった

要は仲間の数なんだと思う
優性と劣性
マジョリティとマイノリティ
劣等感
劣っていると感じるのは数だ
みんな(多くの人)が〜なのに私だけ・・・
そもそも多数派の場合に“だけ”は不適切である

具体例を挙げるなら
自分が恋人なしの状態で
10人中9人恋人がいるコミュニティと
10人中1人しか恋人がいないコミュニティの
いやすさ
など
(今回は恋人がいなきゃステータスとしておかしいといった同調圧力が云々の話ではないため、あくまでも個人の感じ方であることをご容赦願いたい)

私は生まれつきの体内外のコンプレックス、
できないことが多くて、そこに人間関係が加わり自己愛や自己肯定感が著しく欠如している
それ故に石橋を叩き割って渡れない性格である
できる自信がない、人に迷惑をかけたくない、できない事ではなく人格を否定されたらどうしよう、LINE一言送るのにも勇気がでない・・
怖い・・

今所属しているスポーツのコミュニティでは
それぞれの悩みはあるのは承知の上で
自己愛自己肯定感に溢れる人、
呼吸をするようにスピード感をもって行動に
移せる魅力的な人が沢山いて
自分は不適合者な気がして運営側の方に辞めるかどうかの相談もしていた
でも、「全員が同じタイプだったら崩壊する、君みたいなタイプが貴重だからいて欲しい」
そう言って頂き残ることにした
結局これも自分が少数派だと感じたのが劣等感の根源だった
いちゃいけないなんて誰にも言われてなかった
決めつけたのは紛れもなく自分自身だった

だからzoomで味方を見つけた時
本当に嬉しかった
そしてもっと味方を増やしたいと思った
そうすれば何かやりたいことがあって
でも、勇気が足りなくて一歩が踏み出せなかった時、
パッと頭に味方をしてくれる人たちの顔が浮かべば、自己嫌悪ではく、自分のペースで頑張ろうって前向きに思えるかもしれない
この人たちになら話せると、辛い想いや悩みを溜め込まず吐き出せるかもしれない

まずはオンラインで何でも話せる味方を沢山作っていきたい
そのためにこれからもたくさんの人と話していこうと思う

そして、ゆくゆくはフリースペースを作りたい

スペース全体に壁はなくて
手前はカフェにして私がリラックスできる飲み物とお菓子を作る
来てくれた人の悩みを聞いたり、たわいのない話をしたい
どんな重い内容でも受け止める
解決するのではなく一緒に考えたい
そしてその人の心に寄り添いたい
とにかく独りにしたくない

奥はフリースペースでアーティストのアトリエでもいいし、ダンスや音楽活動の練習で使ってもらうのもいい、それで月一でここに携わる人を集めて発表会とかしても楽しそう
専門職の人のトレーニング、治療、料理教室、運動教室もしてもらってお世話になった仲間に還元もしたい、こども食堂もしたい
そして偶然居合わせた
高齢の方が子どもや若者に遊びや昔話、宿題を逆に若者が電子機器を教えたりSNOWで遊ぶ
世代間交流もして欲しい
車いすやベビーカーの方も入れるようにバリアフリー、ユニバーサルデザインを徹底導入

こんな感じでオフラインであらゆる境遇の人が気軽に溜まれるオフラインのコミュニティ
“居場所”をつくれならいいなと思う

でも、今のままじゃ説得力が足りないから
もっと挑戦して強くなりたい
心が弱くても自分のペースで一歩ずつ進めば
あいつみたいに挑戦できる
って味方の背中を押せるように

まだまだ夢を抱いて歩みを止めない


まぶしくて見えないものがある

今はまだ暗く永いトンネルの中かもしれない
それでもどれだけ歩みが遅くとも
勇気を絞り出し出口に向けて一歩を踏み出せば徐々に光は近づいてくる
やがて外界に解き放たれたその一瞬
陽の光のまぶしさに目が眩む
目が慣れて目の前に広がるその光景は

“キラキラ”した紛れもない自分の人生だ





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