「Bonさんの松江文豪まちあるき」参加レポ【2019年12月編】
Bonさんの松江文豪まちあるき、今年も開催おめでとうございます!
島根県松江市にある小泉八雲記念館の館長であり、八雲のひ孫でもある小泉凡さん(以下Bonさん)が、八雲ゆかりの地を散策しながら解説してくださるこの企画。昨年(2019年)12月の回に参加させていただいてとても楽しかったので、「どんな感じなの?」が少しでも伝わるよう、遅ればせながらレポートを再掲いたします。
【注意】この記事は2019年12月に開催されたもののレポートです。これから開催されるものとは、コース・内容などは異なります。
(すでに公式に上がっているコース内容からして、前回とは別の場所が含まれていますので……あくまで雰囲気などの参考にどうぞ)
主なコース
12/7(土)の第一部(13〜15時まちあるき)&第二部(八雲記念館で講演1時間)の通しで参加。
松江城大手前駐車場に集合→城山稲荷→興雲閣(お茶休憩)→芥川・志賀逗留跡→八雲記念館というコースでした。
松江城大手前駐車場に集合
駐車場というか、松江城の観光用入り口広場みたいな場所でした。かわいい看板がお出迎えしてくれます。
係の人に声をかけ、小さな建物(観光案内所?)の窓口で参加費を払い、パンフレット等の入った袋と、Bonさんの解説を聞くための片耳イヤホンを受け取ります。
解説は各ポイントで集まっているときなどは肉声でも聞こえやすいのですが、道を一列に歩いているときなどは、後ろのほうにいると聞こえにくいこともあるため、イヤホンは大事です。
参加者は定員30名なのでそのくらい。シニア層が多めでしたが、若い方もそれなりの人数おられました。
ご挨拶やイヤホンの音声チェックなどして、まちあるきスタート。
今回は天守閣には上がりませんが、松江城の敷地内をぐるっと歩くコースでした。片耳イヤホンでBonさんの解説をそのつど聴きつつ、合間に気さくに雑談などしつつ……なごやかに歩いていきます。
城山稲荷神社
ふ、雰囲気あるう~……。
大小さまざまな狐の像が並んでいる神社の中を、解説を聞きながらめぐります。びびりなので、これが夜だったら怖がってたな……。
八雲が気に入っていたきつねの石像を見たり、巨木に祀られた荒神を見上げながら、ドルイド教の樹木信仰を絡めた解説を聞いたり。
ヘルン(と、Bonさんは呼んでおられました)は「稲荷」の起源に興味を持って調べて〜とか、民俗学者としての小泉八雲に着目したお話が色々聞けて楽しかったです。
興雲閣
(このあたりは2020年版のコースには入っていないもようです)
松江城周辺は緑が深くて落ち着いた雰囲気なんですが、そこを抜けた先に突然現れる瀟洒な洋館……。中に入ると意外と和風(鴨居の作りとか)なのもまた素敵でした。
一階にカフェがありますが、今回は二階の広間貸切でお茶タイム。
八雲が最期の年に輸入で取り寄せてまで食べた、アイリッシュのクリスマス・プディング……を日本人向けにやや食べやすくしたものと、オススメされたアイリッシュ茶葉のミルクティを頂きました(飲み物は選べました)。
お味はわりとシュトレンの中身に似ている(目的が同じですもんね)。
このケーキは当時でいうと「二十万円くらいですかね」、「領収書がうちに残ってまして」とBonさん。ケーキの再現は喫茶室の方が知り合いの知り合いなツテでアイリッシュのおばちゃんたちのご家庭のレシピを集めたそうで、食べながらそのあたりのお話も伺いました。
そして再現ケーキを食べながら、当時八雲がお世話になっていた医院にあったピアノ(CFで修理)を、八雲のひ孫であるBonさんが闊達に弾くのを聴く、贅沢な空間が出現したのでした……。アイリッシュ音楽と嵐の奉祝曲(ちょうど発表された直後でした)の類似などお話ししつつ何曲か。
芥川龍之介・志賀直哉逗留の地
なんだか二人で滞在したみたいな名前ですが、逗留時期はずれています。
実際の家があった場所は今は民家ということで、あのあたりですよ〜と教わりつつ、松江に言及した随筆の朗読などしてくださいました。
小泉八雲記念館着
ちょっと時間が余ったので、記念館前の八雲像の前でお話を聞いたり。
その後、休憩を挟みつつ第二部の講演会へ。この日のテーマは「小泉八雲と松江を愛した文豪たち」。白樺派の美術や民藝や柳田國男……民俗学者小泉八雲からの間接的な繋がりがメインでした。面白かった!
講演が終わってから閉館まで一時間ほどあったので、お時間ある方は……と、企画展会場でBonさんが解説してくださいました。展示品を示して「これはうちの仏壇の引き出しにずっとあったもので……」とかサラッとお話されたり、血縁の力というか親しみがあふれていて楽しい。
まとめ
全体通して(全て参加したら)13時〜17時。時間的に、終わった後に隣にある小泉八雲旧居は見られないので、この日一日で松江を回りたい方は午前中に行っておくのをおすすめします。私は一泊したので翌日行きました。 (この時に記念館にも再び行き、常設展など含めてじっくり見直しました)
【追記】この時はツアーと講演の二部構成だったため終了が夕方になりましたが、開催されるのがツアーのみの場合(最近はそのパターンが中心のようです)、午後のほどよい時間に終わるので、旧居もゆっくり見られそうです。参加したいツアーの開始・終了時刻をご確認ください。【追記ここまで】
これは私が間抜けだっただけの話なんですが、第二部の講演会終了後の記念館周辺でちょうどいい交通機関に巡り合えず、寒くて暗い中を一人で駅まで歩くはめになったので(夜の松江大橋を一人行くのは心細かった……)、参加するときはバスルートなど調べておきましょう。私のほかの参加者の方々の姿を見かけなかったので、どこかに何かあったはず……。
あとはやはり、それなりの距離を歩くので(この時は松江城のお堀一周くらい)、歩きやすい靴や服装、水分などは必須で。神社の階段も上がりました。まあそれでも山登りのようにきついコースでもなかったです。
長くなりましたが本当に!とても楽しかったので、ご興味を持たれた方は参加定員が埋まらないうちにぜひ。