河内長野市のつまようじ関連企業の業態 その1

日本つまようじ組合(河内長野市)は、つまようじ関連企業の集まりだけれど、2020年時点では全社がつまようじを製造しているわけではない。

ザクッと分類すると、

(1)つまようじ、およびそこから派生した生活日用品も併せて取り扱う業態(企画、卸)
(2)白樺のつまようじ(持ち手に溝が切ってある、白いやつ)を自社製造する業態
(3)黒文字ようじ(和菓子に添えられている、皮付きのやつ)を自社製造する業態
(4)つまようじから派生し、口腔ケア用品を自社生産する業態

の4業態に分けることができる。
1社が複数の業態を持っていることもあるのだけれど。

今回は、
(1)つまようじ、およびそこから派生した生活日用品も併せて取り扱う業態(企画、卸)

について、少しだけ詳しく書いていく。

そもそも、全国的に河内長野市がつまようじの町だなんてどの程度知名度があるのかわからないけれど(いつかアンケートとってみたい)、河内長野市においては小学校の社会科の時間に学ぶくらい周知の事実だったりする。

そんな河内長野においても、つまようじ業界といえば「昔は河内長野が日本一だったらしいけど、今は違うんでしょ」程度の認識になりつつあり、それをもう少し掘り下げて聞いていくと、
「河内長野は輸入品に押されてつまようじの日本一じゃなくなった」と思われているようだ。

でも、日本の売場でよく見られる輸入品も、実は多くを河内長野の企業が輸入して全国に流通させている。

競争力を高めるため、自ら協力工場を開拓し、海外生産に切り替えていった、という経緯である。

もちろん、依然としてニーズの高い国産つまようじも、河内長野の企業がほぼ全部作っているので、結果的に売場にあるつまようじの大半に、河内長野の企業が何かしら関わっているのが実際のところだ。

つまようじを海外生産する中でノウハウ、ネットワーク(協力工場)、企画力が培われた結果、割りばしや竹串などの木製品はもちろん、お弁当・行楽用品、日用雑貨など、企画・デザイン力が求められる分野にまで、河内長野のつまようじ関連企業は進出している。

国産が素晴らしいのは事実で、ユーザーが求めているのはそれだけではない、というのもまた事実。

熾烈な生き残りの過程で時代に応じた形態に進化してきた業態といえる。

2020.06.29


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