JAPANOISE《序章》
勤勉眼鏡で七三出っ歯のイメージがなかなか払拭出来なかった日本。
それはビジュアルの悪さだけでなく内気で自己表現が苦手な国民性によるところが大きい。
反発することが苦手で文句を言う勇気がない。
奇抜なファッションをする若者は似たような服装同士で集団を作る。
個性はどこかにカテゴライズされるものでないと不安になる。
そんな日本であるにも関わらず、このノイズミュージックに関しては完璧な先進国であり世界をリードする存在だ。
その音圧と徹底した“無”は他国に類を見ないもので、日本独自の“JAPANOISE”と言うジャンルで世界中で支持されている。
過剰表現であるノイズは上記のようなイメージを持たれる日本人には向いていないように思えるかもしれないが、そんなことは無い。
ロンドンパンクが政府やロイヤルファミリー、上流階級にアナーキズムも掲げたのに対して、JAPANOISEは自らにそのアナーキズムを向けているのだ。
自分に対するフラストレーションを自分に向けて放出する究極のM的フィードバック。
自己表現が苦手な民族ゆえの音楽なのかもしれない。
そんな大日本ノイズ帝国はある二大政党で成り立っている。
“非常階段”と“MERZBOW”だ。
1979年に同時多発的に生まれたこの2つのノイズユニットには関西と関東という物理的距離もあるが、一番大きな違いは音楽に対する姿勢にある。
それに関してはまた次回に。
今日はここまで。
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