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PAUPER SUMMIT CUP 3のサブイベント(pauper EDH)参加記録 + あとがき

※この記事はマジック:ザ・ギャザリング(以下MTG)と呼ばれるカードゲームの非公式大会に筆者が参加した際の心情、出来事をまとめた記事です。
MTGの用語についての説明を省いており、分かりにくい点もあるかと思われます。
また、筆者の記憶を元に記載しているため、事実と異なる箇所が含まれていることも考えられます。
あらかじめご了承ください。

前々回の記事(パウサミ参加までのあれこれ)
前回の記事(パウサミ参加録)


3.サブイベント(pauper EDH)参加記録

・パウサミ3出たよ。
・青単フェアリー使用して5-1-1したよ。
・サブイベントのpauper EDHを楽しみにしていたので本戦はドロップしたよ。
というところの続きから!

PAUPER SUMMIT CUP 3に参加してみたいと感じた理由の1つにサブイベントがありまして。
非公式フォーマットということもあり、普段は知らない方と対面で対戦する機会を得にくいpauper EDH。
その機会があるならば……出るしかない!ということで参戦。
本戦以上に楽しみにしておりました。

サブイベントが開催される段階になってみると、立った卓数はなんと5卓!
1卓4人プレイを推奨しているpauper EDHでこれだけの人数が集まるというのは凄い熱量を感じました。
本戦には出場せず、pauperEDHのみ参加した方もいらっしゃるくらいでしたし。

pauper EDHは非公式フォーマットということもありルールがコミュニティごとに微妙に異なる場合があるのですが、今回は以下のルールで開催されました。

・統率者にはコモン、またはアンコモンのクリーチャーを使用(非伝説クリーチャーも使用可能)
・初期ライフ30、統率者ダメージ15
・禁止カード:なし(pauper使用禁止カードも使用可能)

このルールを元に各々がどんなデッキを組み上げたのか。
一部のリストはPauper MTG様のデッキリストページに掲載されております。

3-1.各統率者紹介

そんな多種多様なデッキたちが集まった中で私が参加した卓に集った統率者たちはこちら!

1番手:《造化の紡ぎ手》 + 《知識の紡ぎ手》

共闘持ちであれば統率者を2枚使用出来るのは通常のEDHと同様

土地を2枚アンタップすることが出来る《造化の紡ぎ手》でマナ加速を行い、ドロー能力を持つ《知識の紡ぎ手》でアドバンテージを稼いでいく……という真っ当な戦い方だけでは終わらないのがこのデッキ。
土地をアンタップするカード、土地から複数マナを出すことが出来るカード、クリーチャーをアンタップするカードを組み合わせて無限マナを目指し無限マナに到達したら《知識の紡ぎ手》で相手に無限にカードを全て引かせて勝ちを狙うという一撃必殺コンボを仕込んだデッキになっています。

2番手:《実地歴史家、クイントリウス》

クイントリウス(プレインズウォーカーになるまえのすがた)

筆者が使用したデッキです。
スピリットのパワーを1上昇させる能力とカードが墓地を離れる度に赤白で3/2のスピリットトークンを生成する能力を持っています。
トークンもパワー上昇能力の恩恵を受けることが出来るため実質4/2。
pauperのカードプールでは真っ当に相手をすることが難しいサイズです。
墓地のカードは手札に戻す、追放、発掘ととにかく墓地を離れれば手段は問わないので多種多様な方法で墓地に触れていきます。
ロアホールド大学に所属する彼らしいフレーバーをテキストに落とし込んだ1枚。

3番手:《雑集家、ラグレーラ》

使える色が多ければカードプールが増えて強力なのも通常EDHと同じ

戦場に出た際に望む数のクリーチャーを追放することが出来る能力と、ラグレーラ自身が戦場を離れた場合にそれらのクリーチャーを戦場に戻すことが出来る能力を持っています。
戻ってきた味方クリーチャーだけには+1/+1カウンターが2つ乗るオマケ付き。
相手の統率者を戦場から追放する、味方の重要なクリーチャーを一時的に戦場から逃がす、戦場に出た時の能力を持つ味方クリーチャーを使い回す……など多種多様な動きを一度に行うことが出来る統率者です。
pauperのカードプールにはクリーチャーを一時的に追放して戦場に戻すカードが多く、それらのカードと組み合わせることで好きなタイミングでラグレーラの能力が使用出来ます。

4番手:《恭しき霊能者、サリズ》

トークン! トークン!! トークン!!!

各終了ステップ開始時に自分が出したトークンの数に等しい白の1/1飛行のスピリットトークンを生成してくれます。
生成タイミングが各終了ステップであるため、インスタントタイミングで生み出したトークンにも反応してスピリットトークンを生成してくれるのと生み出されたトークンが飛行を持っているというのがポイント。
ギリギリまでトークンの生成を待つことで相手の動きに合わせて柔軟な対応が出来ますし、pauper EDHという終盤に地上が止まりやすいゲームで、飛行を生かして一方的に攻めることが出来ます。
白黒というライフ回復が得意な色なので、トークンの物量が揃うまでの持久戦が得意なのもポイント。

3-2.対戦内容

そんな統率者たちが集い、いよいよ対戦が開始しました。
マリガンチェックは1番手(紡ぎ手たち)と2番手(クイントリウス)が2マリガンで他の2名はノーマリガン。
1番手(紡ぎ手たち)の方はpauper EDH自体が初体験らしく、1マリガン目では手札が減らないことや先手でもドローがあることに驚きを感じながらゲームを始めるという微笑ましいスタートでした。

そんな1番手(紡ぎ手たち)の記念すべき第1ターン!

1番手(紡ぎ手たち)「島から……《神秘的負荷》をプレイ」

たくさんドローできてつよいカード

なんということでしょう。
先ほどまで場に漂っていた微笑ましい雰囲気は一変し「まずは1番手(紡ぎ手たち)を狙おう」という空気が出来上がりました。

その空気を保ったまま、各プレイヤーが順調に展開を進めていきます。
1番手(紡ぎ手たち)はマリガン分を取り戻す程度のドローが出来ていたものの他の3人から集中的に攻められ、既にライフが半分ほどになっていました。

しかし、それだけ攻められてるのを見ると1番手(紡ぎ手たち)のヘイトも下がってくるもの。
では次にヘイトが向いたのは誰か?
3番手(ラグレーラ)でした。

3番手(ラグレーラ)は1番手(紡ぎ手たち)がある程度攻められる程度に盤面が形成されたのを見ると、2番手(クイントリウス)と4番手(サリズ)の統率者をラグレーラの能力で追放してきます。
追放された統率者を一旦統率者領域に戻して、再度プレイすることで2番手(クイントリウス)と4番手(サリズ)は盤面の復帰を狙いますが、統率者税を含んだ統率者よりもラグレーラを戦場から一時的に追放する方が当然マナコストが軽く済むわけで。
4番手(サリズ)の方は《魂の従者》と自身の大量トークン生成戦術でライフは高めに保つことが出来ていますが、統率者が盤面に定着しないので本来想定している動きである大量のスピリットトークンの生成は実現出来ません。こここから3番手(ラグレーラ)vs2番手(クイントリウス)&4番手(サリズ)の状況になっていきます。

統率者に頼ることが出来なくなった2番手(クイントリウス)は《三つぞろいの霊魂》を《革命主義者》で回収することにより飛行トークンで3番手(ラグレーラ)のライフを攻めていきます。
3番手(ラグレーラ)は攻められながらも自身の手を進めていき《古術師》で自身の墓地のインスタント・ソーサリーを回収出来る状況を形成。
墓地にはクリーチャーを一時的に追放する《雲隠れ》も存在していました。

1マナという軽さがウリ

「これは《古術師》の使い回しが誰も突破出来ないか……!?」という空気になっていたところで4番手(サリズ)がプレイした土地は《ボジューカの沼》。

pauper EDHで黒を使うならば是非とも入れたい土地

土地でありながら墓地を追放する能力で3番手(ラグレーラ)の動きを抑制していきます。

そんな風に一進一退の攻防を繰り広げていた中で新たな動きを見せたのは1番手(紡ぎ手たち)。
実は他プレイヤーが争っている間に自分の土地に複数マナが出せるようになるオーラを貼り付けていました。
ひっそりと準備を済ませた状態から起動したのは《交錯の混乱》の変成。

好きな2マナのカードを手札に

序盤にライフをかなり削られていた印象が強く他3人は「ライフを回復出来る《嵐の乗り切り》を手札に加えるのか? それとも戦闘ダメージを0に出来る《一瞬の平和》なのか?」と考えていました。

しかし、加えたカードはどちらでもなく。
守りのカードですらありませんでした。

1番手(紡ぎ手たち)「《水形》を手札に加えます」

土地をクリーチャー化する、つまりコンボパーツ

そう、1番手(紡ぎ手たち)はこのターン中に勝つために攻めの一手の打ってきたのです。
手札に加えられた《水形》が複数マナを出せる土地を対象にして解決され、続けて1番手(紡ぎ手たち)が動きます。

1番手(紡ぎ手たち)「《現実からの遊離》をプレイします」

複数マナを出せる土地に付けると無限マナに突入するエンチャント

この《現実からの遊離》が通ると無限マナから1番手(紡ぎ手たち)の勝ちなので、当然妨害が入ります。
ここまで対抗策を温存していた3番手(ラグレーラ)が《現実からの遊離》への打ち消し!
……で、無限マナコンボを妨害出来たと他3人は安心しましたが、そこに更に1番手(紡ぎ手たち)のプレイヤーからの応じ手が。
なんと、3番手(ラグレーラ)の放った打ち消しへの更なる打ち消しでした。

「これで1番手(紡ぎ手たち)のプレイヤーの勝利か……」と思いました。
が、実はそうではなかったのです。
なんと、1番手(紡ぎ手たち)のプレイヤーは打ち消しへの打ち消しを行うために青マナを全て使い切ってしまっていたのです。
《現実からの遊離》の無限マナコンボを成立させるには、始動用のマナとなる青1マナが必要です。
コンボパーツは全て戦場に揃えることに成功したものの、1番手(紡ぎ手たち)はここで全ての力を使い果たしてしまいました。
当然、ターンを返したら勝ちが確定している盤面を形成している1番手(紡ぎ手たち)が返しのターンに見逃されるわけもなく。
次ターンでライフを0にされて脱落となりました。

1番手(紡ぎ手たち)を落とした後に残った3人ですが、相変わらず3番手(ラグレーラ)vs2番手(クイントリウス)&4番手(サリズ)という状況であることには変わらず。
2番手(クイントリウス)と4番手(サリズ)のクリーチャーに攻められてじわじわとライフが減っていくターンが過ぎていきます。

そんなターンを繰り返す内に「あと少しで3番手(ラグレーラ)のライフが0になる!」というターンがやってきました。
3番手(ラグレーラ)を落とさなければ2番手(クイントリウス)と4番手(サリズ)に勝ち目は無いので、当然3番手(ラグレーラ)を狙っていきます。
ですが、ここで3番手(ラグレーラ)の本領発揮。
既に戦場に居た《古術師》を絡めることで、墓地のカードを回収して粘っていきます。
そして「墓地の好きなカードを回収するループがこれで完成する!」という状況まで辿り着かれました。

……が、ここで効いていたのが4番手(サリズ)による《ボジューカの沼》。
無限に回収することが出来る状況は作れても、墓地に現状を打開出来るカードも、打開するカードを探しに行くためのカードも既に存在していなかったのです。
ループが完成したタイミングがライフがほぼ尽きるタイミングだったこともあり、ここで3番手(ラグレーラ)が脱落しました。

こうして残った2番手(クイントリウス)と4番手(サリズ)の一騎打ち。
先ほどまで共闘していた相手同士で戦うことになるのも多人数の醍醐味です。
お互いに統率者を出し直して本来の動きをぶつけ合う展開になったのですが、ここで大きな問題が発生しました。

戦場に残り続けていた《魂の従者》の存在です。

物凄くライフを回復してくれる人

2番手(クイントリウス)と4番手(サリズ)はコンセプトに似た部分があり、大量のトークンを並べて相手のライフを0にすることで勝ちを目指すデッキです。
しかし、《魂の従者》が戦場に居続けていたことで4番手(サリズ)のライフはかなり回復しています。
3番手(ラグレーラ)の戦術が「クリーチャーを出し入れする」という戦術だったのもあり、クリーチャーが戦場に出ることでライフを回復させる《魂の従者》を普段以上に働かせてしまったのです。
《魂の従者》と同じ能力を持つ《魂の管理人》も戦場に追加され、4番手(サリズ)のライフは初期ライフの3倍以上である100点を突破していました。
この相手とライフレースを成立させるのはあまりにも無謀ではないでしょうか。

その状況でもゲームは続いていきます。
互いの想定していた動きを成立させて、赤白と白という2種類のスピリットトークンがひしめく戦場が出来上がり。
あと少しで2番手(クイントリウス)側のライフが尽きようとする中であるカードがプレイされました。

2番手(クイントリウス)「《雲隠れ》をプレイ」

3番手(ラグレーラ)が使用していたカードがこちらでも登場

《雲隠れ》は対象にしたクリーチャーを一時的に追放して出し直すカード。
出し直す対象は戦場に出た時に能力が誘発するクリーチャーが望ましいです。
2番手(クイントリウス)の場に居る相応しいクリーチャーとは、どのクリーチャーでしょうか。

2番手(クイントリウス)「対象、《革命主義者》」

《三つぞろいの霊魂》を回収してからずっと戦場に居ました

《雲隠れ》が解決され、《革命主義者》が戦場から一時的に追放され、戻ってきます。
《革命主義者》も3番手(ラグレーラ)の《古術師》と同様に墓地のインスタント・ソーサリーを回収する能力を持っているので、墓地からカードを回収します。
ここで回収するのが《雲隠れ》。
そしてこの《雲隠れ》が「墓地から手札に」戻ります。
カードが墓地を離れることでトークンが生まれるのがクイントリウスという統率者。
墓地を離れる手段は問いませんし、当然手札に回収することでもトークンが生成されます。

つまり、これらのカードの組み合わせによって毎ターン白マナの数だけ赤白の4/2スピリットトークンを生み出すことが出来るようになったのです。
《雲隠れ》はインスタントなので、この動きを妨害するためには4番手(サリズ)がインスタントの除去を引き込む必要があります。
100点以上のライフを持つ4番手(サリズ)のライフをみるみるうちに削り取っていく赤白のトークンたち。
除去を引き込もうとデッキを掘り進めていく4番手(サリズ)。

ライフがあと少しで尽きる!
このターンで除去を引いて妨害しなければ負ける!
そんな最後のターンで4番手(サリズ)が引き当てたカード。
それは確かに除去でした。
それもpauper EDHの中でも特に強力とされている黒の除去の代表格。

4番手(サリズ)「トップ《土牢》でした。ありがとうございました」

統率者を一時的に無力化出来る物凄く強い除去
しかし、ソーサリータイミングでしか唱えられない

ということで、2番手の《実地歴史家、クイントリウス》が勝利しました。
どの統率者にも活躍の場があり、全員が全力を出し切ったいいゲームだったと感じております。
あと1マナが、あと1ターンがという差で誰が勝利してもおかしくないゲームを共に遊んでくださった皆様。
本当にありがとうございました。

4.あとがき

以上でPAUPER SUMMIT CUP 3での振り返りを終了とさせていただきます。
pauperもpauper EDHも満喫して、本っっっ当に楽しい1日を過ごすことが出来ました!
100人近い規模での大型イベントだったにも関わらず、物凄く円滑に楽しい時間を過ごさせていただけたのは主催のPauperMTGの皆様と関係者の方々、そしてイベントに参加した方々皆様のおかげだったと感じております。
本当にありがとうございます……!

「よかったなあ」「楽しかったなあ」「また行きたいなあ」という月並みな気持ちばかりが頭に浮かびますが、それだけ良いイベントだったというのがあります。
それ以外の話をするならば今回の開催会場が池袋かつ、カードショップの多く立ち並ぶ東口側だったのは大変良い立地だったと感じており。
自分はサイドイベントがあるので遅くまで居たのですが、敗退した方も楽しめる施設が付近にあるのは嬉しいところです(オタクが大好きなアニメイトも近くにあるのがえらい)。

欲を言うならばPauperMTGの方々は今回完全に運営に回っており、対戦する機会が得られなかったのでそういった需要を満たすような別イベントが今後開催されて欲しいと感じました。
「あのPauperMTGのメンバーと対戦が出来る!」みたいなやつです。
動画で見たあの人のあのデッキと戦える!はまた別で需要がある気がするので(言うだけタダなので言っておきますけど、あの日会場にいらっしゃっていたぱうぺあ娘々こと古門せいがさんもゲスト枠で居たりしたら更に盛り上がりそう)(みんな大好きぱうぺあ娘々こと古門せいが)。

何にせよPAUPER SUMMIT CUP 3に関わった皆様、改めてありがとうございました~!
またいつか何処かで関わる機会がありましたら、対戦してくださった方もそうでない方もよろしくお願いいたします。

おしまい!

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