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SF創作講座 最終回の提出を終えて

初回の課題が示されて五ヶ月で僕のSF創作講座はコールド負けで終わりました。僕は小説が書けないことがわかったいい機会でした。

さて、以下は今後続くのかわかりませんがゲンロン大森望SF創作講座を申し込もうか考えている人に向けたものという体で辛かったことを書いていきます。なぜなら検索して出てくる記事には受講して良かったみたいなキラキラした内容が多すぎるからです。まあ、これ読んでも当時の僕は申し込んだろうから何の意味もないとは思いつつも、「辛い」、「どうして申し込んだ」、「やめとけば良かった」、「SF創作講座 返金」みたいな呪詛を呟くようになった人間の救いとして必要な記事なので仕方ない……。

自己紹介

経験としては同人小説サークルで七年で八作、年一ペースで数万文字の小説(実作)を書いてきました。賞への投稿経験は去年のさなコンぐらいで、ネット小説の連載も同人活動が始まった有史以降はありません(途中で挫折したので……)。

受講して辛かったこと

一応、良かったこととしては、サークルメンバーとの共通の思い出ができたことと、大森望さんに新刊を買って貰ったことが上がるのですが、まあ、そういうものは参加したらすぐにわかることなので、そのくらいで良いでしょう。

というわけで、参加しないとわからなかった辛いことを上げます。

  1. 講座だと思っていたこと

  2. 手が全然動かないこと

  3. モチベ維持が難しいこと

です。逆に言うと

  1. 講座だと思わないこと

  2. 手が何とか動くこと

  3. モチベが維持できること

がちゃんとできると楽しい講座生活を送れるのではないかと感じました。僕は無理でした。では、これらを一つずつ書いておきます。

講座ではない

参加したメンバーからは「あれは有象無象が参加するカルチャースクールですよー」みたいなことを聞いていましたが違いました。カルチャースクールみたいな何か教えるぞみたいなちゃんとした運営はされていないです。予想していたけど。でも、なんか参加したら何かができると思っていたんですよ。はい、それではダメです。何かをあちらに期待すると二十万円は無価値に溶けます。

では、これは何かというとサロンです。それか大森望さんと仲間の作家たちのファンクラブです。その人間に自分の書いた文章を見せにいくついでに会えます、という奴です。
つまり、一番重要なページは以下のページのスケジュールです。

誰に会えるのか、これが重要です。僕は見ずに申し込みました。これがこの講座をドブに捨てる一の方法です。止めましょう。僕はこのリストに載っている人の文章で読んだことがあったのは、大森望さんの序文や解説と、藤井太洋さんのいくつかの作品と、東浩紀さんのマブラヴオルタネイティヴ六巻の解説だけでした。つまり、ほとんどの回が知らない人間がなんか話す回になります。こうなると興味もわかないので本当にダメになります。

では、何をやっておれば良かったかというと、講座に出てくる講師の作品を読んでおく、みたいなつまらないことではなくて、やはりこれはサロン、コンテンツで繋がるサロンだということを踏まえるべきで、そうなると他とコミュニケーション取れるだけの既存コンテンツのインプットをやっておくのがいいのではないかと思うのですよ。例えば、無限にパニック映画の話ができるみたいなコンテンツカテゴリーで殴れる程度のインプットがいるのではないかと感じるわけです。あと講師の作品を読んでおく必要が無いの、どうせ講師も自分の作品の話をしなくて、色々なコンテンツの話をするからで、そうなるとやはり広い得意分野があると良いのではと感じました。そして、それがわからないと死ぬしかなくて、僕は死にました。

だって、僕は根本的に全然コンテンツのインプットしていなくて、例えば、同人小説作っているとき一番読んでいるのは日本語組版処理の要件という仕様書で、他の時期も一番読んでいるのは仕様書とかドキュメントだとかいう人間で、そういうのがこういうのに混ざるのはよくないんだなというのがわかりました。小説書くなら小説読め、せめてコンテンツをインプットしろ、そうじゃないとサロンでやってけねぇぞ、って感じでした。

手が動かない

自己紹介に書いたけど、年に一作の人間が毎月アウトプットを求められる講座に入るとどうなるかという例なんですが、普通に何も思いつかなくて死にます。

実作が書けないとかじゃなくて、まず1200字の梗概が書けなくなります。本当に何にも思いつかなくて、毎月、本当に絞り出す感じで何も出てこない感じになります。これ僕の場合は今まで年一だから気づかないことにしていたのですが「小説を書く内的要因」がないからだと気づきました。

僕が小説を書いていたのは「組版がしたい」「打ち上げがしたい」という外的要因で、「何を描きたいか」という内的要因はオブラートに包めばよくわかっていない、はっきり言えばありません。すると頑張ったところで1200字の空っぽを書くことになって、何の意味もない提出を繰り返すことになります。

つまり、意味のある作品を定期的に出すために内的要因を見つけないといけないのですが、これは自分で取り組む他ありません。なぜなら、それはこれが講座ではないから教えて貰えず、他方、コンテンツでコミュニケーションするサロンと見ても、内的要因がクソな状態だとまともにやり取りができず、無価値に終わります。

なので、内的要因、「これが書きたい」という欲求を見つけておくのは講座の参加前にしておいた方が二十万円が無駄にならずに済みます。僕は無駄にしました。

モチベがキツい

基本的に誰にも読まれないものを書くことになります。というのも受講生は当然プロではないので書かれるものはまず総じてつまらないからです。これは自分含めた全員に言えます。面白かったらね、もうプロになっているからね……。なので他を読むのは大体苦痛な感じです。僕は最初の一二回で飽きました。他の参加者もクジで分担して読むぐらいです。つまり、あそこに置いたからと言ってフィードバック貰えて嬉しいみたいにはならないです。賞の下読みとかやったことないけど、多分それに近い感じのことが毎回起こるわけで、いや、本当に大森さんとかすごいなって思いました。つまらないものの方が多い中で読み続けるの本当にすごいでしょ……。

で、まあ、つまり、そういうものの一つを自分がこしらえるわけで、つまり、自分のも当然に読まれないわけで、その中でどうやってモチベを保つのかというのが重要になってきます。となると答えは簡単で、「この作品は自分という読者一名がいます」という状態にするのが良いわけですね。となると、自分の好きな物がちゃんと毎月次々出てくる状態を作らないといけないわけで、つまり、それは自分の内的要因がしっかりしないといけないんですよね……。

というわけで三つ書いたけど、なんか全部自分の内側の準備をしておきましょう、みたいな奴なんですが、まあ、そういうことなんですよ。準備不足だと死ぬ。カネの無駄になる。二十万円あったら何ができるか、今ひとつ落ち着いて考えろ。僕のオススメはM2搭載MacBook Airを買うことです。

まとめ

僕は特に何もない人間だったので、今後は響~小説家になる方法~にあったように「良い余生」を送っていきます。他の受講生の皆さんは頑張ってください。


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