講座「ミツバチの世界を知る」
「ミツバチがこの世界からいなくなったら生態系が崩壊してしまう」ということが専門家たちの中で言われています。しかし今、ミツバチが世界中で減少し、いくつかの地域ではミツバチの生命体であるコロニーが突然崩壊してなくなってしまうという現象も、大きな問題となっています。生態系において重要な役割を担い、ずっと昔から人間と密接な関りをしてきたミツバチについて深く学び、地球環境について考えてましょう。
みなさんはミツバチと聞いてどんなことを思い浮かべるでしょうか。黄色と黒色の縞模様の身体に、針を持って花畑を飛んでいる。そしてその恵みとしての蜂蜜を私たちはいただいている。そんなことを思い浮かべるでしょうか。しかしこのようなイメージは、実は多様で奥深いミツバチの世界のほんの一面にすぎません。ミツバチの世界を知ることは、実は地球と人間について考えることにつながるのです。
ミツバチが花から花を飛び交い、花蜜を運び蓄え、花粉媒介者として植物の受粉を促すことで、地球の植物は多様性を残し生態系も維持しています。「世界の作物上位100種の内75%が花粉媒介昆虫に依存している」、「昆虫によって花粉を媒介する作物のうち80%がミツバチの力を借りている」というデータがあります。自然界によっても、人間にとっても欠かせない存在となっているミツバチ。
そんなミツバチが、今世界中で減少し始めています。農薬による影響、大規模農業への変化、行き過ぎた繁殖技術等、その原因は様々考えられています。ミツバチがいなくなるという事は、ミツバチに頼っている植物にとって、そしてさらにはその植物の恩恵に頼っている人間を含めたすべての生き物にとって、深刻な問題です。昔から深い関りを持ってきたミツバチと人間ですが、人間はミツバチとこれからもよい関係を築けていけるのでしょうか?そうしたことを考えるために、まずはミツバチの生態や養蜂という仕事、蜂蜜や蜜蝋といったミツバチがもたらしてくれる恵みを深く知るところからはじめてみませんか。ミツバチを知り、人間とミツバチの関りを考えることが、この地球上でわたしたちが生きるということにつながることを願って、この講座を開催します。
講師は、遠野市宮守町で養蜂を営む高橋蔵さん。現実にミツバチと向き合いその恵みを私たちに届けてくださっている講師だから伝えられる、豊富な知識とリアルな視点で全3回の講座を進めます。
講座の内容
第1回 蜂蜜を知る
私たちにとっても身近な存在である、蜂蜜。人間は8,000年以上も昔から、とろりと甘い蜂蜜を採ってきました。第1回の講座では、そもそも蜂蜜とはいったい何なのか、ミツバチはどのように蜂蜜をつくるのか、という疑問を掘り下げることから始めます。わたしたちにとって一番身近な”蜂蜜”からミツバチの世界に近づいてみましょう。
・そもそも蜂蜜って何?
・蜂蜜の分類と種類
・蜂蜜の採取体験
第2回 ミツバチと養蜂を知る
ミツバチは人間と深くかかわる中で、昆虫界においても人間にとって特別な存在になりました。コロニーで生活し、とても高い社会性を持つとも言われるミツバチ。第2回の講座では、ミツバチが自然界でどのような役割をになっているのか、養蜂の仕事とその歴史について学んでいきます。生態系の中でも大切な存在であるミツバチの危機と、それによる影響にも触れます。
・ミツバチの生態
・ミツバチが果たす自然界の役割
・ミツバチの危機
・養蜂の歴史と仕事(一年間の仕事)
第3回 養蜂の副産物を知る
養蜂の副産物として人間が得ることのできる恵み。第3回は、その恵みを知りたのしむ回です。蜜蝋の採取と蜜蝋を使ったものづくりを体験します。人間にも自然にも優しいといわれる蜜蝋は、美容クリームとして、また木製の楽器、家具、玩具に塗るワックスとして等、様々な物に活用されています。ミツバチの世界を知り、私たちはその恵みに何を感じるでしょうか。
・養蜂の副産物とその活用
・蜜蝋の採取
・蜜蝋をつかったものづくり
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講座「ミツバチの世界を知る」
日時:第1回「蜂蜜を知る」9月27日(日)14:00~16:00
第2回「ミツバチと養蜂を知る」10月 4日(日)14:00~16:00
第3回「養蜂の副産物を知る」10月11日(日)14:00~16:00
場所:小上がりと裏庭と道具U(遠野市中央通り5-32)
参加費:各回1,500円 ※つくる大学生は無料です。
定員:各回10名
最少催行人数:各回3名
準備するもの:筆記用具、マスク、軍手
₋こんな人におすすめ₋
・人間や自然にやさしいものに興味のある方
・養蜂に興味のある方
・地球環境に関心のある方
<講師プロフィール>
高橋蔵
遠野市在住。祖父・父ともに狩猟免許を持って銃をつかった猟をしていた影響から、20代で免許を取得し10年にわたり活動。元行政職員。父の健康悪化を機に、父が趣味で行っていた養蜂を継ぎ、現在は蜂蜜屋と猟師を生業とする。若い人に縁遠かった養蜂と狩猟という仕事を生業化することを実践・模索中。
申込方法
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