土星と破片



踊れ!と言われた その怒声で聖書は落下した
じゃなきゃ、でなくてはならないものばかり
ならないものしかないのに

透明な糸でビーズを掬う時、それはやがて一遍の詩になる
この星のどこかに片割れの獣 凪いだ海に投げる夾竹桃

脚はもつれるのに 耳鳴りは止まないのに
腕は震えるのに 破片を探す

差す陽に目を灼かれぬよういつも目を瞑っていて
凍てつく耳鳴りの夢の中で手を握っていて

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