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私の会社がM&Aで買収されたその後:変化と学びの記録(2)


新たなステージへと突入した我が社。


買収が成立し、新たな体制のもとでの日々が始まりました。前回のブログでは、買収直後の混乱と不安について綴りましたが、今回はその後の具体的な出来事と、私が目の当たりにした変化について詳しくお伝えします。


1. 新しい役員がゾロゾロとご来社


買収が成立してから数週間後、我が社に新しい役員たちが次々と訪れました。

彼らは自信に満ちた表情を浮かべていて、まるで新しい時代の幕開けを告げるかのような圧倒的な存在感に見えます。

最初に登場したのは、新たなCEOでした。
彼の鋭い目と確固たる声が部屋を支配し、我々に向かってビジョンを語り始めました。「皆さん、これから我々は新しいステージに突入します。我々の目指す未来は明るい。共に成長し、新たな成功を掴み取りましょう。」

その言葉を聞いた瞬間、私の心には暗い妄想が膨らみました。
「彼らは本当に私たちを必要としているのか?」「自分の立場はどうなるのか?」と不安が募ります。CEOの目が私を一瞬だけ見たように感じ、その瞬間、私は彼が私を見透かしているような気がしました。
根拠のない恐れが頭の中をグルグルとよぎります。

その後も、次々と役員たちが自己紹介を行いました。
彼らの言葉には熱意と自信が満ち溢れていましたが、我々従業員の間には不安と疑念が交差していました。「本当に彼らの言うことを信じていいのか?」という思いが、誰の心にも浮かんでいたことでしょう。

2. 社員全員との個別面接



新しい役員たちが来社した翌週から、全社員との個別面接が始まりました。
これは、新経営陣が一人一人を理解し、最適な役割に配置するための重要なステップだと思います。

面接の日が近づくにつれ、オフィスの空気は一層ピリピリと緊張感に包まれ、みんな平静を装っていましたが口数はどんどん少なくなっています。

面接当日、私は自分の番が来るのを待ちながら、心の中で何度も自己PRの練習をしました。この緊張感は法律の資格試験以来です。

面接室に入ると、新しい人事担当役員が温かい笑顔で迎えてくれました。しかし、その笑顔の裏には鋭い観察眼が隠されているのを感じました。

「あなたの強みは何ですか?」という質問に、私は少し緊張しながらも、自分のスキルセットやこれまでの経験を話しました。
彼らは興味深そうに聞きながら、次々と質問を投げかけてきました。面接が終わると、私は少しホッとしながらも、次の展開に対する不安と期待が入り混じった気持ちで席を立ちました。


3. 管理職が生き残りをかけて醜い争い



面接が終わり、新しい経営陣が本格的に動き始めると、特に管理職の間で生存競争が激化しました。彼らは自身のポジションを守るため、そして新しい経営陣にアピールするために、あらゆる手段を講じました。

ある日のこと、廊下で聞こえてきたのは、管理職同士の激しい口論でした。「君がやったミスのせいで、プロジェクトが遅れたんだ!」と叫ぶ声が響き渡りました。その背後には、他の管理職を蹴落とすための情報リークや、買収先の役員への売り込みが渦巻いていました。

自分の売り込みと他人を蹴落とす戦略。


管理職たちは新しい役員たちへの売り込みに必死でした。
「このプロジェクトの成功は私のおかげです」と自慢げに話す一方で、他の管理職のミスを暴露することで自分を優位に立たせようとしました。このような醜い争いが日常的に繰り広げられ、人間の見たくない部分が次々と露わになりました。

性格が変わってしまったのか?
それとも、元々の本質だったのか?
同じ顔でも以前とは別人のように感じる人もいます。

客観的に静観する私の視点

この状況の中で、私は冷静さを保ち、自分自身を見失わないように努めました。
しかし、対峙するのは容易ではありません。
人間の本質が露わになった時、その本質にどう向き合うかが問われる瞬間が訪れます。
誠実さを失わずにいること、自分を守りつつ他者を尊重すること、それらのバランスを取るのは非常に難しいものでした。人間関係の複雑さや、競争の中での自己防衛の本能を目の当たりにすることで、私自身も多くのことを学びました。変化の波に飲み込まれず、自分の道を見つけるための日々が続いています。

次回のブログでは、更なる変化や新しい挑戦について書いていきたいと思います。私の経験が、同じような状況にある皆さんに少しでも役立てば幸いです。次回もお楽しみに。

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