伊東屋熱、再び。【ROMEO】No.3 BP アートコレクション 斑紋ガス青銅色を購入。
はじめに
文房具好きの方なら一度は耳にしたことがあるであろう、銀座の文具専門店「伊東屋」
その象徴的なレッドクリップと、圧倒的な商品ラインナップは、訪れるたびに新たな驚きを与えてくれます。
今回、私は久しぶりに伊東屋を訪れ、特別なペンを購入することができました。
その報告と、過去、私が伊東屋とどのように出会い、また再び訪れるようになったかをお話ししたいと思います。
銀座伊東屋との出会い
私が初めて銀座伊東屋を訪れたのは、高校1年生の時でした。もともと文房具には興味がありましたが、銀座まで文房具を購入しに行くような沼には入っておらず、東武東上線で行きやすい池袋や渋谷の東急ハンズで購入していました。
ある時、文具好きの友達と一緒に遊びに行く際に、彼が「面白い文房具店があるから」と勧めてくれたのが始まりです。
現着すると、銀座の大通りにそびえ立つ建物。
銀座という場所柄、高級感があり商品も値段が高そうなイメージでしたが、中に入ると高級文具から、近所の文房具屋で売っている小道具まで、圧倒的な数の文房具の山。
何十種類ものペンが一列に並び、色とりどりのノートやメモ帳が棚を埋め尽くしていて圧倒されました。
ここから、私は深い文具沼にハマることに。。。
その瞬間、私はまるで遊園地に足を踏み入れたかのような感覚にとらわれたのを覚えています。文房具好きの私にとって、そこは間違いなく「楽園」でした。
当時は学生だったので、お金も限られていて、大きな買い物はできませんでしたが、それでも伊東屋に通う楽しさは格別でした。
伊藤屋に行く前日前夜は少し興奮していて、まるで幼少期の遠足。
購入するのは鉛筆やシャーペンなどリーズナブルな物ばかりでしたが、限定品やデッドストックなどが見つかったりと、トレジャーハントに近い感覚もあり面白い。
友人と共に、入手した戦利品を手に、近くの喫茶店でジュースを飲みながら、それらについて語り合う時間が、何よりも楽しいひとときだったのです。
運命的なペンとの出会い
そんなある日、伊東屋で運命的なペンに出会います。
誰が作ったかも分からない木軸のペンで、形状は少し特殊。
スタビライズドウッドなのか、樹種でコーティングしてあるだけなのか、何も説明がないペンでした。
価格は2500円程度。普段使いにちょうど良い感じ。
試し書きをすると、バランスがとても良く、自分の筆記スタイルにぴったり合っている感覚がありとても良い。
筆記時に口金から僅かなカチャカチャ音がしますが許容範囲内なので即購入を決めました。
今では高性能な木軸ペンが普通になりましたが、当時の物は癖のある商品が多く、書き心地もイマイチ。
このペンにも最初はそんなに期待してなかったんですが見事に大当たり。
その後、私の筆記具のエースとして6年間の大活躍。
ほかに高価なペンも持っていましたが、ほぼその木軸ペンのみ使用していました。
思いがけない別れと伊東屋との距離
しかし、ある日、その大切なペンを不注意で落としてしまい、修理できないほどのダメージを受けてしまいました。
伊東屋で修理の相談をしてみると。。。
商品が一点物で部品のストックもない。
修理のサービスは受けられず、この時は本当に凹みました。
一点物、限定品を買うリスク。
やはりアフターケアは大切だと改めて実感しました。
その出来事をきっかけに、伊東屋にも自然と足を運ばなくなり、文房具も汎用性の高い物を選ぶようになり伊東屋への情熱も少しずつ薄れていったのです。
数年後の再訪と新たな発見
それから10年が経過し、銀座の飲食店を訪れた際、伊東屋の大きなレッドクリップがふと目に留まりました。
その懐かしい光景を目にした私は、再び伊東屋を訪れ、店内に足を踏み入れました。
かつての楽しい思い出が一気に蘇り、店内をじっくりと見て回るうちに、まるで時間が巻き戻されたかのような気持ちで楽しんでいました。
商品構成も少しずつ変わり、昔より品数は減りましたが、魅力的なアイテムは増えていることに感心しました。さすがの伊東屋です。
そんな中、私が立ち止まったのは伊東屋オリジナルブランドのRomeo No.3ボールペンの前。
美しいマーブル模様が施されたそのペンでまずは試し書き。
ペン重量は私の好みより少し軽めでしたが、イージーフローの滑らかさとペンバランスの良さに驚いた事を今でも覚えています。
購入には至りませんでしたが、その時の感触が私の心に深く刻まれました。
斑紋ガス青銅色のペン
そして今回、YouTubeなどでも多数紹介されている事もあり、伊東屋でRomeo No.3 の細軸【ファインブラッシュ】を購入しようと店を訪れました。
その際、店員さんから斑紋ガス青銅色のアートコレクションの新作の情報を教えていただき購入検討することに。
ただし、とても魅力的な商品ですが、生産数が極端に少なく、購入できるかは運次第。
値段も33000円と超強気の設定。
アフターケアを考えると通常モデルの方が良いのでは?とも考えましたが、2度と入手できないモメンタムファクトリー oriとのコラボなので頑張って購入してみる事を決意。
ネットショップでは野原工芸並みの争奪戦になる事が容易に予想できたので、私は発売日に会社を休み、早い時間から伊藤屋に並んで買う選択をしたところ、見事に作戦が功を奏し、運良く購入する事ができました。
今回、発売されたアートコレクション「斑紋ガス青銅色」の表面加工を手掛けたのは、富山県高岡市の「モメンタムファクトリー ori」。
高岡市は400年以上の歴史を誇る金属加工の街で、特に銅器の製作が盛んな場所。
「モメンタムファクトリー ori」は、主に銅や真鍮などの金属を、伝統的な着色技術で加工し、美しい色合いを引き出すことを得意としています。職人たちが手作業で仕上げることで、色の深みやムラ感が独特な風合いを持ち、それぞれの作品が一点物としての魅力を持っています。伝統技術を守りつつ、現代的なデザインやアート作品にも取り組み、高い評価を受けている工房です。
「斑紋ガス青銅色」の最大の特徴は、その独特な風合い。ガスを使っての表面加工によって生まれる模様は、一つとして同じものはなく、全てが唯一無二の個体となっています。
この加工技術は、炎の当て方や温度、時間を細かく調整することで繊細な違いを生み出し、それが製品の個性として表れるものです。
最後に
銀座伊東屋との出会いをきっかけに、気がつけば深い文具沼にハマってしまった私。
何度も訪れるたびに、さまざまな素晴らしいペンと出会いましたが、今回の ROMEO No.3は、特に伊東屋の本気度がひしひしと伝わる作品です。
しばらく使い込んでから、改めてレビューをお届けしたいと思います。
このペンの実力はいかに。
どうぞお楽しみに。