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礼文島 花のトレッキング (前半)

2020年夏に行くつもりで1年前から計画していた礼文島。
しかし3月には緊急事態宣言となり、あえなくキャンセル。
2021年も再度計画。まだコロナは終息せず2度目のキャンセル。
そしてようやく今年、2023年夏、礼文島に行くことができました。
あこがれの花の浮島。
海からせりあがったような丘が連なり、草原に花が咲き乱れて、どこまでも楽園!
そんな礼文を鳥と花の好きな友人と二人旅してきました。

1日目 羽田から最北の湖へ

久々の飛行機で少々緊張。搭乗口に行くとなんと場所が変更になっていて時間も遅れることになっていました。「機材の都合がつかないため」とのことで、指示された搭乗口の場所がわからず若干右往左往。プチ波乱のスタートでしたがとにかく無事に稚内からフェリーに乗船できました。

フェリーはデッキに出てみると空も海も青くとても気持ち良い。
気温も恐らく20度くらい。さすが稚内。暑さ知らずです。

利尻富士がひたすらかっこいい

フェリーの着く香深港から北方の町、船泊へ。
今夜の宿であるホテル礼文荘の方がフェリーターミナルまで迎えにきてくれました。礼文の旅では宿の方の送迎がとてもありがたかったです。

ホテル礼文荘は日本最北の湖「久種湖」のすぐ近く。
夕方でしたがさっそく散策です。
まず、湖の上の水鳥。どうも何種類かいそうです。また周囲の林の中からの小鳥の声が絶え間ない。ただならぬ鳥気配を感じ、鳥を見る時間をどこかで捻出できないだろうか、と話しているうち、コマドリが「ヒーンカラララ」とすぐ間近で鳴き出しました。姿を見ることはできませんでしたが、歓迎してくれたのでしょう。

林の木の間から湖を見るとオオジュリンが!
アキタブキは人が小さく見えておとぎ話の世界みたい


日本最北の湖 久種湖 右端に利尻富士が顔を出していた


船泊の港に夕日が差すのを眺めながら宿に戻りました。
至福のお散歩タイムでした。

日本海に夕日が沈む


2日目 岬めぐりコースで花と出会う


1日目の青空はどこへやら、スコトン岬につくころには予想以上の本降りの雨となり、岬巡りはできるのかと暗い気持ちになりかけましたが、花との出会いを楽しみに気を取り直して出発!

礼文島最北端。ちなみに日本最北端の岬宗谷岬は北緯45度31分22秒。

礼文島の西側には森林が発達していません。
冬の強い風で樹木が育つことができないというのがこの島の大きな特徴になっています。また、雪が飛ばされ地面が凍結することでササ類も西斜面には生えることができません。
最北の地であることで気温は低く、高い木やササがないことで高山と同じような条件が整い、海抜が低いのに高山植物が咲き乱れているのです。氷河期の植物がこの地で生き残り、命をつないできました。
これからも生き残り続けていってほしい植物たちですから、マナーを守りつつ観察することを心掛けたいと思いました。

エゾカンゾウ 鮑古丹の入り江が見える


チシマフウロ さわやかな色合い いろいろなところで咲いていた


レブンシオガマ。シオガマの仲間の中では花穂が長い。
エゾニュウ。堂々としていて貫禄があった。いろいろなセリ科の花が咲いていた。


海辺の道には海辺の植物が見られた


ハマエンドウ 大きくて目立つマメ科の花


エゾヒナノウスツボ ツボのように大きく口を開けた花が特徴的だった


葉が地に咲いたバラの花のよう レブンイワレンゲ


ハマニンニク 穂がぴったりと閉じていて特徴的だった。


セリ科のエゾヨロイグサが広がる


たぶん鉄府を過ぎたあたり 


稲穂岬 岩の上に赤い鳥居がある


澄海岬 このときだけけっこうな本降りとなった…

岬巡りはこのあと長く舗装道路を歩いて終わりとなります。
天気はもう一つでしたが、澄んだ海と断崖と草原の絶景、次々現れる私には初めましての花たちとの出会いで、満足の一日でした。
岬巡りは普通もっと早く歩き終わるらしく、私たちのように夕方まで歩かないですむらしいです。なんせ新しい花に会うごとに止まっているのでカメの歩み。

気付いたところとしては、海岸のテトラポットに打ち上げられたゴミがやたらある…。
大陸から来たゴミが多いのかもしれません。大きなものが多いので本格的なゴミ拾いなどをしないととても片付けられそうもなく費用も馬鹿にならないだろうなあと思いました。

外来種が意外と進出している。
北海道はブルーリストを作って、外来種問題に頭を悩ませている場所。
海岸に広がっていた外来種を一つ載せておきます。
ベンケイソウの仲間で葉が赤く染まりきれいでした。

ヨーロッパタイトゴメ

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