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礼文島 花のトレッキング(後半)

3日目 礼文林道からウスユキソウ群生地へ

3日目は青空!
今日は島の東から西へと抜けるコース。
島の東側は西側と違って強風の影響を受けないので森林があります。
また昨日とは違った環境のところ。どんな森林なのでしょう。

礼文林道

道が細くなり、林の中に入っていきます。針葉樹のまとまりと広葉樹のまとまりが入り混じっているようです。。
針葉樹はちゃんと観察していないのですが、資料によると礼文島の針葉樹はトドマツがとても多いのだそうです。
林道周辺では、全体に太い大木は少なく、若い印象をうけました。
度重なる山火事に見舞われているそうですし、林業などもあると思いますので原生林というのとは少し違うのかもしれません。

しばらく歩くと今日出迎えてくれたのは…


ルリシジミが地面の水分を吸っている

近づくと舞い上がり、瑠璃色の羽の表がちらちらとまたたくように見え隠れ。ルリシジミだと思いますが、この光景が何度でも現れるのです。森の妖精が道案内してくれているようでした。

近くでは、針葉樹が白い花でゴージャスに飾られています。


針葉樹(たぶんトドマツ)に白い花が這い上がる

アジサイの仲間のつる植物。ツルアジサイです。

ツルアジサイ おしべの多い小さな花 まわりに飾りのように白い花


草のお花にもところどころで出会えました。

チシマアザミ 上品な色合い


エゾムカシヨモギ なんてことない花だけど、咲いてる場所を明るくしていた

広葉樹はダケカンバやミヤマハンノキなどが目立ちました。


ダケカンバの林

尾根に出るあたりで林がつきて、植生が変わり、チシマザサの群落が広がりました。
西側に近づいてきてまた環境が少し変わったのでしょう。
チシマザサは密生のしかたがすごいと聞いたことがありましたが、確かに他の物を寄せ付けない生え方です。


チシマザサが広がる。枯れているように見える場所もあった。


ここからはまた、お花畑モードに変わってきます。
明るく開けた丘を海の方へ進んでいきます。

林を抜けると明るい風景が広がる


カラフトイチヤクソウ 背が高く元気な感じのイチヤクソウの仲間



エゾカワラナデシコ 学名は「ゼウスの花」



イワベンケイ 厚い葉を持つ高山植物。赤いのは実。


レブンウスユキソウ群生地に到着しました!

風が直接当たる西側斜面にある


広範囲に広がって咲いていた


レブンウスユキソウ 咲き始め


咲き終りに近いもの 昆虫が来ている

ウスユキソウの仲間はエーデルワイスの名曲で恐らく多くの人のあこがれとなった高山植物。咲き始めは全体がしろっぽくて、ウスユキソウの名前がよく似合いました。


ここからの道も、咲き具合の良い花に出会えました。

エゾイブキトラノオ イブキトラノオの仲間。背が高く花穂も大きめ。


カラフトゲンゲ まとまっているとよく目立つ

今日もたくさんの花に出会えました。
礼文の植物は、同じ仲間のなかで大きくて花付きのいいものが多いように思います。
冷涼な場所で昆虫が少ないため、昆虫にとってよく目立つ花を持つ植物だけが生き残ってきたという進化の結果なのでしょう。それが人間にとっては美しく魅力的に見えます。
厳しい環境によって生まれた美しさ。
私ももっと厳しい環境に身を置きストイックにならねば、となぜか身を引き締めました。いや別に美しさを磨きたいわけではないですが。

4 旅の終わりに

3日目の宿は香深のはな心。礼文の花の絵がふんだんにあしらわれたすてきな宿でした。
宿のご主人が、今日は月夜だからぜひ窓の外を見るといい、と教えてくれました。

言われた通りに見てみると…

月光の利尻富士

月夜に浮かび上がる利尻富士。
神々しさを感じる光景でした。
礼文側から見る利尻冨士は、美しさに加えて荒々しい厳しさの感じられる山容で、それがかっこよくてほれぼれしました。
いつか利尻にも行ってみたいです。

歩いたのは二日間だけでしたが、満足のいくトレッキングでした。
道はよく整備されていて
宿の人が、こことここにトイレがある、など細かいことも教えてくれました。
花の島としての礼文島を島の方々はとても大事にしていると感じられました。

季節を変えれば礼文はまた違う顔を見せてくれるでしょう。
まだ島の魅力のほんの一端に触れただけ。
またぜひ来よう!と思いました。

声をかけてくれた友人に感謝しつつ帰京しました。

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