方向音痴

  「大学生になって勉強が楽しくなったら教職じゃなくて院進でもしようかな」

何気なく行った言葉が、3年後の自分をここまで悩ませているとは、当時高3の自分は思いもしなかったんじゃなかろうか。そう、院進か、教職か。今私はとても悩んでいる。というのも、いま教職課程の課題で教育実習に行く前の意気込みをレポートにするというものがあるのだが、「教職に就く意思を確認するレポート」という名前がついているのである。なんだかこのレポートを書き切ってしまうと、自分は教職以外の道を選べなくなるのではないかと思えてくる。いや、大学の学務課の人達はそれっぽいことをよく言っている。「教職を取っているからには一般企業就職や院進等のほかの進路は捨てろ。」そう言われているような気がしてならない。そこまで強く言われると、迷いが生じてしまう。教師になりたいと思ったのは本当のことだ。でも、本当にこのまま教職に就くという進路でいいのか、自問自答の日々が続いている。

将来どうしたいの。と聞かれれば、私は院進したいと答える。どうして院に行きたいの。と聞かれれば、勉強がしたいからと答える。なんの勉強をしたいの。萬葉集。萬葉集のなんの勉強をしたいの、なにを研究したいの、具体的なことは決まってるの。…。ここでいつも答えに詰まってしまう。大学の勉強は楽しいし、レポートを書くのも楽しい。でも、自分が一番興味を持っている分野はなんなのか。上代、萬葉集のなにがしたいのか、2年勉強しているがいまだにわからない。いまどんな研究がされているのか、どの分野の話が未開拓なのか、調べてはいるがどれもピンとこない。

「私はどうしたいんだ」最近ずっと考えている。教職、院進、どちらに進めばいいのかわからない。また一般企業に就職するかと言っても、私たちの年は就職状況は厳しいだろうし、今年の夏は教育実習に行くからインターンに行く時間もあまりない。さぁ、いよいよどうしよう。今までぼーっと学生生活を送ってきたツケが回ってきたのかもしれない。

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