株式公開3月期 IT製品販売75社の2019年度業績 売上高減は3年ぶり
株式を公開しているIT/ICT関連企業のうち、3月期決算のIT製品販売75社の2019年度通期業績をめとめた。
対象としたのはIT/ICT関連機器卸・小売13社(うちモバイル機器販売代理業4社)、システム販売14社、ソフトウェア販売46社(うちゲームソフト6社)となっている。
システム販売、ソフトウェア販売の2業種はシステム設計・開発業務も含んでいる。なかでもシステム販売業におけるシステム設計・開発業務は、マンパワー型受託IT企業に再発注するケースもある。 前年同期比の△はプラス、▲はマイナス。
29社が決算発表を延期
新型コロナウイルス(COVID-19)感染防止策として実施された外出自粛(テレワークの推奨)と3密(密接、密集、密閉)回避にため、決算発表を延期したのは29社(38.7%)だった。また、30社が2020年度通期業績見通しを「未定」としている。
NDソフトが上場廃止
75社に単純集計は、売上高が前年同期比▲0.8%の3兆8,564億97百万円、営業利益が△9.3%の3,646億07百万円、経常利益が△0.7%の3,546億52百万円、純利益が△3.6%の2,478億84百万円だった。
集計企業数は昨年6月、エヌ・デーソフトウェア(東証2部)が上場を廃止したことに伴って、2018年度集計から1社減少した。それに伴って就業員1600人、売上高170億円(いずれも2018年度実績)が集計から除外された。
1社当たり売上高500億円超
1社当たりを算出すると、売上高は前年同期比514億20百万円で前年同期比は△0.5%だった。売上高が500億円を超えたのは2015年度の509億円以来4年ぶりとなる。
営業利益は48億61百万円で△10.7%、経常利益は47億29百万円で△7.8%、純利益は33億05百万円で△4.9%だった。
営業利益率△0.9ポイント
売上高に対する営業利益の割合(営業利益率)は9.5%で2018年度比△0.9ポイント、経常利益率は△9.2%で0.1ポイント、準利益率は6.4%で△0.2ポイントだった。
就業者数は正規雇用8万1,430人(△2.2%)、非正規雇用2万8,331人(▲0.5%)の計10万9,761人(△1.5%)だった。1社当たりに換算すると正規雇用1,086人(△3.6%)、非正規雇用378人(△0.8%)となっている。
売上高3年ぶりの減少
就業者1人当たり売上高は3,513.5万円で前年同期比は▲2.3%、営業利益は332.2万円で△7.7%、経常利益は323.1万円で▲0.8%、純利益は225.8万円で△2.0%だった。1人当たり売上高が前年度を下回ったのは3年ぶりとなる。
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