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「鵺退治」

『平家物語』の源頼政の鵺退治の現代語訳です。
『源平盛衰記』の菖蒲の前の話も入っています。

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養由について

『平家物語』「鵺退治(四)」で養由(中国の戦国時代の弓術の名人、養由基)のようだと、ちらっと養由が出てきます(養由並みにすごい的な感じで)。
この話はおそらく「三」の異説を載せたのではないかと言われているが「四」の話のオチは「これだけ優秀で三位の位まで上り詰めておきながら謀反を起こして滅ぼされるとは情けない」というもの(頼政の頃は平家全盛期だった事もあり源氏がここまで昇進するのは難しかった)。
ちなみに「二」「三」の頼政は兵庫頭となっていて頼政が兵庫頭だったのは19歳~30歳なので青年の頃。
『平家物語』の中で使われているのは普通の弓です。

『源平盛衰記』の鵺退治では雷上動(らいしょうどう)という名弓が出てきます。
養由が文殊菩薩から雷上動をもらい受けたものです。

 ***

養由が死ぬとき、娘に雷上動を誰か相応しい人を見付けて渡してくれと頼んだ。
そこで娘が渡す相手を探していたところ、頼光の噂を耳にした。
頼光が昼寝をしていると養由の娘が現れて理由を話して弓を託した。
頼光が目を覚ますと枕元に雷上動と水破(すいは)、兵破(ひょうは)という矢があった。
これを頼政が受け継いだ。
頼政は雷上動の水破、兵破で見事鵺を退治した。

 ***

という話が『源平盛衰記』に書いてありました。

頼光が雷上動を使ったという資料は(私が知る限り)ないので、『源平盛衰記』で作られた話だと思います。

源頼政

勅撰和歌集に載った和歌だけで59首、『平家物語』では和歌で2度も昇進したことになっているくらいの歌人ですが……。

小侍従が出家したとき、

頼「私の方が先に出家しようと思ってたのに~」
小「お先に~」

というキャッキャウフフなやりとりを70過ぎてから20歳以上も年下の小娘(50過ぎてますが)と(和歌で)していて、75歳で左大将の家に入った賊を捕まえ(実際に捕まえたのは郎党だと思いますが)、その後、76歳で出家して77歳で挙兵したというとんでもなく元気な人だったようです。
ちなみに75歳の時に郎党が2度ほど妖狐退治をしたという記録があります(『玉葉』と『山槐記』)。

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