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「月世の部屋」#6「どんどん質問に答えるよ」

事前に頂いた質問の中から「絵の描き方・制作について」のカテゴリを中心に回答しました。

7月29日配信のアーカイブはこちらよりご覧いただけます。
http://youtu.be/uPshFifXxPg

絵の描き方・制作について

Q1. 質問致します。作品が仕上がった時点で、「これから 壊しに入ります」というのを聞きますが、どの様に理解すれぱよいのですか?(シゲさん)

A1. 壊すというのは一旦完成したかのように見える作品に色を掛けたり消したりする行為ですが、面白みに欠けた絵になった時に少し別のタッチを加えたり色を加えるまたは無くすことで、絵に深みや面白みを出す効果があります。壊すといっても台無しにしようということではありません。


Q2. いつも楽しく拝聴しております!目から鱗情報満載です。 小野先生は頭の中で絵のイメージが浮かび完成するのはどんな時ですか? 特に大きな作品のイメージや構成はどんな時に浮かんだり考えたりなさるのでしょうか。 イメージがしっかりと浮かんで、モデルさんをお願いしますか? モデルさんに会ってからイメージが浮かびますか?(イカゲソ)

A2. こういう絵にしたいという漠然としたイメージをもってモデルさんを頼みますが、実際にモデルさんと相談しながらイメージを作っていくうちに絵柄は決まっていくので、モデルさんをお願いした後からイメージが決まります。


Q3. なかなか集中できないとき、どうすれば集中できますか?小野先生は、最高何時間くらい集中できますか?(中3 美術部)

A3.私は大体3時間位集中して、休憩挟んでまた3時間集中するようなルーティーンで絵を描いています。

好きな事なら時間を忘れるくらい集中できますが、あまり乗り気でないものは飽きてきたりして集中できなくなりますよね。集中できないなあと思いながらダラダラ制作しても結局良いものは出来ないし「集中できなかった」というマイナスな記憶だけが残ってしまうので、それならやめた方が良いです。それより、10分でも集中できればそれでヨシとして、「集中できた」という記憶に変えましょう。それを繰り返すうちに長く集中できるようになると思います。


Q4. 描きたい物として、風景の中の人物、人物の背景に自然がある、という状況の時、留意することをご指導いただけますでしょうか?どちらをメインにするかにより違うと思いますが、それぞれの場合について教えていただけると嬉しいです。(レビ)

A4. やはり何を表現したいかによって描き方も変わってくると思います。人物が主役なら、人物の邪魔をしないような背景としての自然を表現する必要がありますし、風景の中での人物は風景の物語をイメージさせる点景としての役割となります。どちらにピントを合わせるかで構図や描き込み方も変わってきますが、主役に目が行くよう意識して描かれると良いでしょう。


Q5. 小野先生は、毎年大きな美術展に出品されていますが、製作にはどれくらいの期間で描きあげられていますか?(青い林檎)

A5. 公募展で出すような作品は3日くらいで8割がた描き上げて、後は部屋に置いておいて時々手を加えて仕上げます。


Q6. 先生の公募展やコンテストへの出品のきっかけを教えてください。また近頃の公募展等の出品状況、動向を教えてください。挑戦を考えておりますが何からして良いか、正直わかりません。。。 自分の絵とたくさんの絵が好きな方々の作品と一緒に展示されるのを夢みております。(ほになあれ)

A6. 私の公募展デビューは18歳の時に水彩画50号を日本水彩画会の支部展へ出品したのが最初でした。きっかけは母がその前年に出品し始めたことから母に勧められて出したので、正直あまり何も考えなく応募した感じです。

近頃の公募展状況というのはあまり分かりませんが、どこも高齢化が進んで若い方をすごく必要としていると思います。少し前なら会員になるのにも相当年数が掛かったような会も、コロナや不況などの影響などで退会者も増加し、入りやすくなったといえばそうかもしれません。ただ、むしろ一般出品者のレベルは高くなっているのでそれなりの覚悟で制作する必要はあるでしょう。


Q7. 小野先生の作品を拝見すると、光の表現が美しく、目を奪われます。どのような光がお好きなのか、花、景色、人物など、モチーフの違いでお好きな光が違うのか、小野先生の光の好みを教えてください。自然光だったらその時間帯や場所(日本とヨーロッパでも違いそうですね)など違いそうですし、室内での自然光の取り込みや照明の使いかなどでも変わってきそうです。(がんばれニッポン)

A7.ありがとうございます。光の表現はずっと制作テーマとして掲げているものです。光があればどんなものも美しくなるので、色んな方向からモチーフに光を当てて一番きれいな状況を作るつもりで選んでいますが、むしろワンパターンにならないよう、どんな状況も美しさを感じるようにしています。光と言っても結局は陰の表現が大切なので、影が美しく見えるよう気を付けています。


Q8. 先生、ITOさん、こんばんは! 生き物、人物を描く際の質問です。 対象を反転出来てしまうデジタル画と違い、アナログで書く場合は、利き腕で描きやすい向き、描きにくい向き(顔、身体の向き)があると感じます。得意を磨くのは勿論ですが、苦手な向き.構図を練習する事で、得意な描き方にもメリットは生まれると思われますか?(いつだって17歳)

A8. 確かに描きやすい向きはありますね。右利きなら左向きのものが描きやすいですが、それは記憶を頼りに描く場合だと思います。実物を観て描くデッサンの訓練をすると、手の癖とは関係なくどんな向きでも描けるようになりますから楽になりますし、メリットはあると思います。



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