強い西日のように柘榴の花が咲いた 次々咲いてはこぼれた 窓辺にこぼれた花は部屋中をいつの間にか花の色に染めてしまった 同じ色のわたしと同じ時間の中にわたしよりも若い母が居て 目くばせし合うみたいにすぐわかり合った 決して穢されない眩しさに安心して わたしは素足の指の間をひろげたり反らしたり 親指と小指を丸く近づけ 青く硬い柘榴の実が静かに艶めくのを思い浮かべたりした ねえ、お母さん 大人になったら必ずしあわせになるの? 答えはYESしかない 勘づいて母は答えを言わない
ほんとうのさみしさはふたつきもみつきもたってからくるよまちをあるいていてもだれかとはなしていてもごはんをたべていてもかいぎちゅうでもてれびをみているときもましてこうえんなんていったらまちがいなくたかなみのようにくるよとりのこされたことにきがついてたったひとりのうちゅうにいるようらんだりにくくなったりするよそうしているうちかみさまをしんようできなくなるよほんとうはあいされていなかったんじゃないかとかんがえたりするよあんなにあいされていたにもかかわらずだよだいすきだったにもかかわ