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Live2Dモデルの可動域によるパーツ分けについて

1.【はじめに】

12/21を担当させて頂く、Live2Dモデラー兼絵師の月鈴 蘭(つきすずらん)です。
商業案件、個人依頼にてフリーランスにてLive2Dモデルの制作をしております。

今回はLive2Dモデルの原画制作時のパーツ分けについてお話ししたいと思います。こちらの記事は主にVライバーさん、絵師さん、Live2D初心者さん向けの記事になります。

Vライバーさんの希望のモデル可動域と絵師さんによるパーツ分けに齟齬(認識の違い)があることがままあり、パーツ分けのご要望を再度出させていただくことも少なくないです。

note画像_認識の違い

これからご依頼を考えているVライバーさんにも、これからVライバーモデルを制作する絵師さんにも、Live2Dモデリングをこれからされる初心者さんにも
こちらの記事を頭の隅にでも留めて頂ければお互いの手間が軽減するかと思いますので、どうぞ一読頂ければと思います(*'ω'*)

2.【絵師さんにご依頼する前に】

準備中のVライバーさんが初めに行うことは、絵師さんへのご依頼かと思います。

ご依頼の前に、

『どれくらい動くようにしたい』『こういう動きをしたい』
『こんなモーションが欲しい』『こういう表情がしたい』


大まかに決めておくとよいと思います。
モデルの可動域により、必要なパーツが変わってくるからです。
可動域が広がるほど見えない箇所のパーツも必要になります。

3.【基本のパーツ分け】

note画像_基本のパーツ分け

4.【可動域の広いモデルのパーツ分け】

note画像_可動域の広いパーツ分け

●顔の左右横向きの可動域を広くする場合は、今まで見えていなかった部分が見えるようになるのと突き出る部分も出てくるので、細かくパーツ分けと
描き足しが必要になります。
また、細かくパーツが分かれていると揺れもの物理演算で細かく揺らす
設定をすることができるので、ふわふわたくさん動かしたい方も、
細かくパーツ分けと描き足しをしてして頂くといいです(*'ω'*)

●体も同様に、動かしたい分だけ見えてない部分と動いた後に見える部分を意識してパーツ分けと描き足し、原画制作をする必要があります。

5.【あれば嬉しいパーツ 等】

※こちらはLive2Dモデラーさんによると思いますので、
参考程度に拝見頂ければと思います。

note画像_あればうれしい

①後髪のつむじの描き足し+ベース+線画
 ・主に顔のY(上下)の時に使用します。つむじが動かせるので
  見た目のクオリティがぐんと上がります。
②スカートがある場合、スカートのうしろ側パーツ
 襟のうしろ側パーツ、袖口の裏パーツ 
③横向きのラフ、笑顔(とじ目)のラフ、口のあいうえおのラフ
 ・顔のXをつける際、目や口の開閉のパラメータをつける際に
  大活躍します。

note画像_横向き

  画像のように本当にラフでもガイドがあるのとないのとでは
  全然違うので、モデリング時にもイラストの表現にこだわりのある
  絵師さんはラフをご用意頂ければモデリング後も絵師さんのイラストに
  限りなく近いモデルになるかと思います。

◆モデリングはパーツを変形させて動きをつけますが、
お顔は特にモデラーさんの癖が出る箇所だと思います。
(月鈴のモデリングも、横向き制作は基本立ち絵のお顔を考慮してモデリングしますが、最終的には自分がイラストを描く際の配置基準に近いものになっているのではないかと思います)

Live2Dモデルが出来上がり、絵師さんが見た際に
『なんか自分のイラストの顔とちがうな…』
という感じ方のズレが起きないためにも、

Vライバーさんは、絵師さんに『横向きはお任せでいいか』
『指定あればガイド用ラフを制作いただけるか』
確認を取って頂ければ、
顔の可動域の確認も事前にできますし、
Vライバーさん、絵師さん、Live2Dモデラーさん三方にとっても納得できる
モデルになるのではないかなと思います。

6.【最後に】

長くなりましたが、

Vライバーさんは、絵師さんへのご依頼の際(デザイン決定後)に、
①どれくらい動かしたいか、希望の可動域を伝える
 (絵師様も『その動きをするにはここが必要だな』と
 判断しやすくなると思います)
②絵師様とその際に必要になりそうなパーツの相談
 ・パーツが多くなると、絵師様の負担も増えるので、
  ご依頼料が割増しになる可能性もあります。
③横向きお任せ可否の確認と否の場合、横顔ラフ(ガイド)の制作の可否の確認
 ・ガイドの制作の際、ご依頼料が割増しになる可能性もあります。

上記お伝えすると、スムーズではないかなと思います。

絵師さんはデザイン決定後、立ち絵の本制作の前にVライバーさんに
①どこを動かしたいのか、
②Vライバーさんの希望の可動域が広い際、パーツ制作の割増しが必要になる場合の価格の相談
③横顔ラフ(ガイド)の制作の際の割増しが必要になる場合の価格の相談

の確認を取っておき制作すると、リテイクも制作コスト低下も最小限に済むのではないかと思います。

Live2Dを始めて日が浅いモデラーさんは必要なパーツの判断が
つきにくい方もいらっしゃると思うので、Vライバーさんからの
ご要望に対して、絵師様(もしくはパーツ分け専門の方)へのパーツ分け
要望提出の際に参考にして頂ければ幸いです。

因みに今回画像として使用したイラストは、今後nizimaにてモデル販売予定です!気になる方はチェックしていただければ嬉しいです。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!


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