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大人になって思う、世界名作劇場

今、これを書いているのは日曜の夜なのだが、物心ついた子供の頃からしばらく、日曜の夜と言えば、フジテレビで世界名作劇場をずっと見ていた。

子供向けの名作は、ハイジやフランダースの犬などの有名どころからして、主人公の設定が孤児の場合が多い。

子供の頃はそんなものかという風に、普通に見ていたけれど、いい大人となった今、作中の大人の立場になって作品を振り返ってみると、当然子供の頃とは違う感想が出てくる。

それでは、1986年の作品「愛少女ポリアンナ」を例にあげて話そう。

二人暮らしをしていた牧師のお父さんと死に別れてしまったポリアンナは、幼い頃亡くなった母の妹にあたる、パレー叔母さんに引き取られる。

「よかった探し」という、亡き父から教わった、物事の良い面をみつけるというゲームを通じて、叔母さんを含めて、周囲の人を幸せにしていく、というのが大まかなあらすじである。

子供がいない独身の叔母、という、パレー叔母さんと同じようなポジションにいる自分としては、いろいろと思うことがある。

お金持ちの家の娘だったポリアンナの母は、家族の反対を押し切って、貧乏人の牧師のポリアンナの父と駆け落ちしてしまう。

まあ、名作劇場的には、お父さんは貧乏だけどいい人だったのだから、反対した家族が悪かった、とことになると思う。

確かにそうなのだけど、残された妹のパレー叔母さんとしては、姉さんが勝手して家を出て行った後、
家のこと、気難しそうな両親の対応など、全部一人で背負っていかなければならなかったに違いない。

そうした上で、二人とも死んじゃったからといって、いきなり姪っ子を引き取らなきゃならない、なんて、どこまで、姉さんの尻ぬぐいをしなければならないのだろうか。

いくら金持ちで、経済的な心配はしなくていいとはいえ、犬猫を引き取るわけではなく、自分は子育て未経験なのに、これまで会ったことのなかった姪っ子をいきなり育てなきゃならないなんて、考えただけで、大変すぎる…

物語だから、ポリアンナと叔母さんは紆余曲折を経て、打ち解けて、幸せをつかむ、という展開にはなるのだけど、リアルな世界なら果たして、どうなのかあ、と大人になった自分は思えてならないのだ。

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