見出し画像

洗濯の自由

日本にいた頃、洗濯をするのに、様々な制約を感じていた。
まだ、乾燥機が一般的でない時代だったし、私が住んでいたところは部屋干しに適さなかったため、洗濯をするのは、晴れた昼間に限られた。

北米に住んでからは、洗濯機と乾燥機はどこでもセットであったし、
天気や時間を気にせず洗濯できて、さらに乾燥機を使うと、洗濯ものを干すというプロセスが省かれるので、手間が減って、洗濯するのが楽に感じれられた。

ただ一長一短はあって、日本の場合は、たとえ狭いワンルームの部屋に住んでいても、たいてい洗濯機は各自の部屋に持つものと考えられている。
それに対し、北米の場合は中流以下のアパートの場合は、自分の部屋に洗濯機はなくて、アパート共用のコインランドリーを使うというケースが多い。

さらにニューヨークだと、古いアパートが多いので、アパート自体にも共用のランドリーがなくて、外のコインランドリーを使わざるをえないのだ。
すぐ近くにコインランドリーがあればいいが、寒くて天気の悪い日に一週間分の洗濯物をかかえて往復するのはしんどい。

なので、ニューヨークで部屋探しをする時は、コインランドリーが近くにあるかどうかは、結構ポイントになった。
また、近くにあっても営業時間が短くて、利用するのが難しいということもある。そして、あっても設備が古かったり、汚かったりすれば利用するもの憚れたり…

多少は割高にはなるが、どうしても仕事のスケジュールと営業時間が合わなかったり、忙しすぎる人のために、洗濯ものをランドリーの人に預けて、洗って、きれいに畳んだ状態で返してくれる、というサービスもある。

私も、何回か利用したことがあるのだが、預ける時間によっては仕上がりが翌日になってしまったりするので、少ないリネンや衣類で着まわしている場合は厳しい面もある。
一晩、バスタオルなし、シーツなしで、過ごさなければならない…ということにもなりかねないからだ。

これに関連してだが、やはり北米での洗濯で私が制約を感じたのは、コインランドリーを使う場合は、どうしてもまとめ洗いをすることになるので、洋服やタオルのストックを多く持たなければならなくなってしまうのが不自由だった。

もちろん、理論的には、少量の洗濯物を毎日洗ってもいいわけだけど、1日分でも7日分でも同じ金額を払わなければならないのだったら、そういう気にはなれないものである。

洗濯に限らずいろいろなものがそうなっている気がするのだけど、
今や日本でも乾燥機がだいぶ普及してきているし、
北米でも新しく建てられるアパートには、高級なところでなくても、各自の部屋に洗濯機と乾燥機がつくようになった。

ここ数年、洗濯機つきの部屋に住めることができているが、思い切り自由を満喫できている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?