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出会いこそ全て。



大きなホールの中
希望に満ち溢れた瑞々しい高校生たちが席を埋め尽くす
私の口から出た第一声。
それはやはり

「あなたは今燃えていますか?」



今から7年ぐらい前の話。

私が通った高校では面白い取り組みをしていた。
30歳になったら「30歳のレポート」というのを提出するというもの。
高校3年で卒業して終わりではなく
その後の人生も含めて
30歳のレポートを提出して初めて卒業になるというもの。


そんなことをすっかり忘れていた20代後半
高校から手紙が届いた

「あ、そうだった。これがあの30歳のレポートかぁ。」

何を書こうか

大した人生送ってないし
大した仕事してるわけでもないしなぁ

こんなの面倒だしと書かずに提出しないという選択肢ももちろんある。
でも私の中には書かないという選択肢はなかった。


冒頭はこう書き始めた。


「あなたは今燃えていますか?」

私が高校生の時、外部講師の方がおっしゃった言葉。
衝撃的だった、この言葉。

「あなたは燃えていますか?だって(笑)」と
体育館の至るところからクスクス笑い声が聞こえた。


でも私は笑えなかった。
私に言われたようで無視できなかった。
その人から目を離せなかった。
その人の言葉の一つ一つを聞き逃さないように
耳の穴かっぽじって聞いた。


今でも忘れないこの言葉。
多分死ぬまで忘れない言葉にランクインしてる。

人生を80年としたときに
こうやって自分の生き方や思想に影響を与える人に一体何回出会えるのだろうか。
そんな状況や環境に何度出会えるだろうか。

もしかしたら何度も出会っているのかもしれない。
重要なのは自分がいかにアンテナ張っているか。
相手の話をしっかり聞き、その人が何を伝えようとしてくれているのかを感じること。
どんな環境下でも、その中に埋もれている大事な事をちゃんとすくい上げる心を持つこと。
一見すると辛く苦しい状況でもその中に希望や光を見出そうとする力を持つこと。

そうしたら人はいくらでも成長できる。


30歳のレポートは私の私による私のための自叙伝になった。
特に20代は良くも悪くもいろんな意味で超濃厚。

自分の今までの歩みを文章にして可視化するのは面白かった。
上手くいったこともそうでないことも
楽しかったことも苦しかったことも
文章にすることで自分の生き方を自分で再認識できる。
それは実はすごく大事な事。

これからの人生をまた歩むためには
それまでの人生をしっかり受け止めること。

インサイド・ヘッドでヨロコビが最後にいう
カナシミが大事なんだと
ヨロコビとカナシミは二つで一つ
カナシミを無視してたら前に進めない


その私のレポートを高校生たちに話してくれないか?
そんな依頼がある日届いた。

私の生き方がなんの役に立つのか?
(決して明るい話じゃないんだけど?)


大きなホール
溢れんばかりの若いパワーが集まる場所で
やはりこの言葉しか出てこなかった

「あなたは今燃えていますか?」

私が衝撃を受けたこの言葉
自分の人生を見つめるきっかけになった言葉
その後の人生の節々で自分を導いてくれた言葉を
誰かにもお裾分けしたかった


後日届いた高校生や先生たちからの感想文
苦しいと思いながら生きてきた私の20代の話を
多くの人が共感してくれた

それらを一つ一つ読んでいると
今まで私の中の劣等感の塊だったその苦しさが
私の自慢に変わった。

私はこんな失敗をして
こんな苦しみを経験しました!
嗚咽するぐらいの
吐き気ばかりの苦しみを経験したのよ!
素敵でしょ?って。



そのお陰で今は自信もって生きれる。
どんな苦労も苦しみもへっちゃらだと思える。
なんとかなる!と自分を鼓舞できる。
それはいろんな人の生き方にヒントをもらい
様々な苦しい状況でも、ハングリー精神で何かを得ようと前向きでいたから。


苦しみっぱなしじゃもったいないよ。
あなたの人生を苦しみ損で終わらせちゃいけない。
何かを得よう。
どんな時でも貧乏性でいよう。
転んだってただじゃ起きませんよ!ぐらいの威勢を持とう。


ヨロコビの中から何かを得るのは簡単。
カナシミの中からも得れたらしめたもの。
それぐらいの図々しさを持とう。


どんな人も
どんな環境も
どんな状況も
いくらでもそこには学びがある。


だから『出会いこそ全て』



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