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『青緑に染まる』30:プロット100本できるかな。

 タロットカード6枚引いて小説のプロット100本作る創作訓練やってみた記録です。



◆引いたカード◆
1主人公の現在:悪魔(逆)更生、目が覚める
2主人公の近い未来:皇帝(正)優れた指導力、責任感
3主人公の過去:隠者(正)思慮分別、良き相談相手
4援助者:女教皇(正)思慮深さ、努力家
5敵対者:審判(正)復活、解散、変革
6結末:太陽(逆)下降、望みが叶わない

『青緑に染まる』30/100

 5歳のリクと7歳のメイは、倹約家の父に似て、家電のスイッチはまめにオフ、水道の蛇口からトイレットペーパーの長さまで口うるさい(隠者・正)。子どもにとってはゲーム感覚なんだろうと思いながらも母親が気が休まらない。
 そんなある日、父親が失踪した。共働きなので急に生活に困窮することはないが、不安を抱え、リクとメイには長い出張と言い聞かせる。しかし二人の様子が少しずつ変化しはじめた。
 猛暑のために、家を買ってからはじめてエアコン使用が父親から許可されていたが、秋になって涼しくなっても、リクとメイはエアコンをつけたがる(悪魔・逆)。いくらなんでもとやめさせると、二人で子供部屋に閉じこもり、エアコンをつけているようだ。のぞくと、何をするでもなく、口を開けてエアコンを見つめている。不気味に思いながらも、父親がいないせいで不安定になっているのかと見て見ぬふりをする母親。ある時、帰宅すると近所の子供たちを子供部屋に集めて、やはりただただエアコンを見上げていた。新しいゲームだとメイは言う(女教皇・正)が、母親はゾッとして子供たちを追い出そうと子供部屋に入った。その途端、咳がとまらなくなり、おかしいと思いエアコンを切って部屋の掃除を始める。子供部屋には、父親が失踪した日に着ていた服が、カビにまみれて隠されていた。
「パパはお友達になれなかったの」
 メイが言う。
「ママは、ぼくたちといっしょにいるよね」
 リクの形をした何かが、エアコンのリモコンをもって近づいてきた(太陽・逆)。(了)

 クトゥルフにこういう話なかったっけ。あるいはSF短編集で、こういう話あったような気がする。
 それともかわいいララミーちゃんだろうか。

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