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明治座『赤ひげ』鑑賞記録

明治座で『赤ひげ』見てきました。

演出の石丸さち子さんが大好きで。北斗の拳のときも素晴らしかったけど、オイディプス王がまた素晴らしくてね……オイディプス王で石丸さん大好きになって、今回も行きました。

ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』

『オイディプス王』

政府が下々から奪い尽くして自分たちの懐を肥やし、下々は食べるものもなく、うかうか病気にもなれず苦しんでる……って、今このタイミングで赤ひげやるのって、現在を風刺してんのかと思いました笑

それにしても
えっっっぐい芝居でした!(褒めてます)

原作を読んだのは遠い昔なので、今回の芝居のどこまでが原作通りかは、思い出せないのですが。通常の(?)病気や怪我以外に、精神病や男に弄ばれ捨てられる女の悲劇、毒親問題にも触れてるあたり、現代の感覚に合わせてあるな、と。こういうのは大好きです。

作中、心中する家族がいたんですけど。
自殺者の生存を助けるのは、私はエゴだと思うし、そこはちゃんと母親の台詞にあってよかったけど。

「生き返ってもいいことなんかないのに、なんで助けたんだ」的な。
(記憶は曖昧。こういうニュアンスの台詞)

赤ひげの返しは、きれいごと過ぎたな……まぁこれは、赤ひげの「きれいごと」の物語だし、「清貧」では生きていけんわ、と知ってしまった現代人の私ですが、だからこそこうやって物語として刻んでおく必要があるのかな、と思います。物語にはそういう役目も必要だと思うので。

しかし妊娠した女性、年末に悪阻で、次の年の秋になってもまだ生まれてないってどういうこと……姑獲鳥の夏かよって、気になって仕方なかった。悪阻の時点で四ヶ月にはなってるでしょう。夏には生まれてないとおかしいのでは……?

劇中、最後までクローズアップはされなかったけど、登場人物にはハンセン病患者もいたので、そこらへんちゃんと意識してるんだな、と思いました。さすがに日本の舞台では、ここに正面切って踏み込むのは無理だなと思うけど、ちゃんと「いる」ことを、私はとても評価したいと思います。

保本は若手の登竜門とのこと、新木さんが目指してるのがこの方向の芝居なら、これ以上のお膳立てはないと思うので、頑張ってほしいと思います。
保本の新木さんは、青江単騎みたいな凄まじさはなかったけど、まぁあれは異例なんだと思う笑

高橋健介くんは、時代劇に出たいって言ってるし、前は令和千本桜でもいい感じだったので、これまたそのうち保本みたいな役をやれるように頑張ってほしい。崎山つばさくんも、彼の愉快な面がいい感じに出ててとてもよかった。高橋くんをモデルにしたって言ってたけど、いやーつばさくん自身でしょ?笑

私の行った回ではアフタートークがあったんですが、船越英一郎さんが若手をすっごくかわいがっててとてもよかった。こういう舞台は、後進を育成するって意味もあると思うので、それこそ新木さんが赤ひげやるのも見てみたいですね!笑


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