自分を毎日深化させたい
親愛なるアルフレドへ
今日ってとても春の陽気だったと思わない?
暖かかったから、夜も少し外に出てたの。
春はあけぼのっていうけれど、春の夜はなんとなく好き。
ツンとした冬の夜を経験したから柔らかくなった体感をしに行くの。
野良猫たちって春に発情するけれど、寒い冬を越えられたんだなって思うと、あの独特の鳴き声に妙な安堵感があるのよ。
だんだん、野良猫も少なくなってしまったけれどね。
消えてしまったものはだんだん脳から風化してしまうけれど、そこにはなんだか暗い部分を見ることが多い気がするの。
野良猫もそうだし、隣近所の灯りもそう。
森が無くなったことも。
急に消えたものには印象的な終わりを見るけれど、だんだんといつの間にか消えたものには認識すらいかないこともあって、なんだかすごく寂しい気がする。
存在している間に慈しんでおくべきものっていくつもあるんだと思う。
今日という自分も毎分毎秒に小さく萎んでいくんだけれど、慈しんで大切に生きて、この感覚を書き留めておかなきゃて思うの。私の生はまだ続くから、明日生まれ変わったように、今日の続きをするわ。
おやすみなさい。
今日はなんだかよく眠れそうだわ。
つきみ
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