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みさき まぐろきっぷ讃

11月後半のよく晴れた日、コロナ禍で利用できなかった「みさきまぐろきっぷ」を久しぶりに使った。
京急電鉄が当日限り有効で販売する3570円の切符で、品川駅から三崎口駅までの往復乗車券、三浦半島のバス乗り放題、三浦半島の主要30店舗以上の店で使える昼食券、これが築地で食べたら3000円はするショウガが利いたマグロの煮凝りが付いた豪華なマグロランチなのだが、それに加えて、海産物のお土産や、城ヶ島渡船一日券、油壺温泉ホテル京急の絶景風呂タオル付き入浴券などが選べるチケットがついている。クルマで三浦半島に行くのが馬鹿馬鹿しくなるような充実した観光切符だ。

今回は、京急三崎口駅からバスに乗り、シーボニア入口バス停下車。小網代(こあじろ)湾の、江戸時代から避難港として知られた静かな水面を眺めながら、湾奥部の干潟に入る。ここは、源流から集水域を経て、河口の湿地、干潟まで70ヘクタールに広がる小網代の森自然観察フィールドのスタート地点。森を貫く浦の川を源流まで遡り、引橋バス停へ出る。ここからバスで城ヶ島大橋を渡り、橋のたもとの白秋碑前バス停まで。
新潟造船の敷地を回り込んで、太平洋の荒波が打ち付ける県立城ヶ島公園の崖の下を、滑らないように、釣り師がつけた踏み後を、安房埼灯台までそろりそろりと歩く。城ヶ島公園の突端にある灯台からはハイキングコースになっている島の南岸を城ヶ島灯台まで陽だまりの中をビーチコーミング。12月になれば、島は水仙の甘い香りに包まれる。
城ヶ島バス停からバスを乗り継ぎ、油壺へ。油壺といえば、この秋、首都圏有数の水族館だった油壺マリンパークが閉鎖。城ヶ島や三崎港から、小網代湾や油壺湾の静かな浜に行く直通バス便が廃止され、1日乗り放題のバスを有効に使うには不便になってしまった。
太平洋に突き出しながら、山上の湖のような静かな水面の小網代湾や油壺湾を持つ三浦半島。陸を歩くのも楽しいが、砂浜巡りを海からSUP(携帯型立ち漕ぎボード)で、のんびりするのも良いかもしれないと、温泉につかりながら考えた。

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