見出し画像

道志山塊縦走

2021年年末に、山梨県の道志山塊を歩いた。12月から3月まで、週末のバス便がなくなるので普段から人が少ないこの山域は静かな山行ができる。山中湖村から相模原市まで道志川沿いを走る国道413号線の大栗集落から尾根に取り付き、急傾斜の山道を山稜まで上がる。

西丹沢の北面と、道志山塊の南面からなる道志村は、村域の3割以上が横浜市水道局の管理する水源涵養林になっていて落葉広葉樹の森が多い。かつて赤道を越えても腐らない名水として横浜に寄港する船乗りに愛された相模川上流、道志川の集水域だ。この季節はすっかり落葉して、見ているだけで楽しいカタチも大きさも様々な落ち葉が足首まで積もっている。

高度を上げるにつれて、雲ひとつない晴天に富士山が朝日で白く輝いている。池ノ窪で稜線に乗り、いくつかのピークを越えながら朝日山山頂まで行くと、雛鶴峠から秋山山稜の高畑山まで続く道が伸びている。さらに稜線を進み本坂峠へ。都留と道志を結ぶ峠道は、かつては生活道だったのだろうか。今は廃道化している。ブドウ岩の頭からアップダウンの激しい道を南に進み菜畑山へ。富士から西丹沢の山々が一望できる山梨百名山である。

ここから稜線は、きれいな双耳峰の今倉山から道志山塊西端の道志二十六夜山に続くが、すでに12時を過ぎ、冬至の太陽は早くも傾いている。菜畑山から和出村に降りた。下山途中、伐採施業地で山道が消えており、作業用のピンクテープに誘い込まれて道迷いしかけた。落ち葉で踏み跡が消えていたり、平坦地で踏み跡が複数ついていたりして、道しるべのピンクテープか、山仕事のテープかわからずに、迷い道に誘い込まれることがある。日が短い

この時期の道迷いは厄介なことだ。
明るい森のなか、落ち葉を踏みながら多様なルート設定が可能なこの季節の道志山塊逍遥をお勧めしたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?