見出し画像

人口爆縮

日本の人口がどんどん減っている。毎年、人口規模の大きくない県の人口が消えてなくなっている。しかし、働き手不足という点からみると、もっと激しい減り方のような気がする。過去10年で、25歳から44歳の働き盛り人口が、290万人減っているのだ。

墓参りの折に雑談をした親類のコメ農家は、いよいよ体が動かなくなったら、田んぼにソーラーパネルでもおこうかと思うという。「田んぼにソーラーパネル」なんて、圃場整備事業などで地域の取りまとめをしてきた篤農家である彼の口から出るとは思わず、驚いた。「パネルの下で、端境期のキャベツでも作ってもらったら?」というと、「何言ってるんだ。いい田んぼがあるんだから、人がいればコメを作っているよ。農業に関わる人が誰もいないからパネルを置くんだよ」と言われてしまった。

田舎には、本当に人がいないようだと東京で小さなビジネスを営む知人と話をしていると、田舎だけではなく、都心でも働き手を探すのは大変だという。単発バイトアプリのタイミーにほんとうに助けられているという話をされた。数時間から最長1日単位で求人する今話題のアプリだ。「いい人だったら引き抜き大歓迎」をうたい文句にしている。

こうしたアプリを利用して、すきま時間を活用する学生、家事や育児を担う女性、シニアの参加で、何とか働き手人口の爆縮時代をしのいでいるのだろうか。親類の農家ではないが、仕事はあっても、働き手がいない世界はもうすでに到来している。

さらに、少なくなった働き手が本を読む時間はますます貴重になる。その読書の時間を満たす本を出し続けていきたいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?