弱らない女。

長く連絡を取ってなかった相手から
「元気か?」
とか連絡が来ることがある。
元気かどうか心配してくれてるのだと知り
安心してもらおうと
自分がいかに元気か伝える。
そして、
「よかった。無理するなよー」
的な事を言われ会話が終了する。

心配してくれるのは
ありがたいと思うが
時々、元気でいない事を
期待されていたように感じる時がある。
「しんどい時は甘えろよ」とか
「悩みあったら相談のるぞ」とか
こっちがネガティブな状況である前提で
会話をしてきているように思う。
そうであって欲しいという
相手の願望を垣間見た気がする。
その前提でないと会話が展開しない
そんな勢いを感じる。
弱ってる私がいて、
それを勇気づける相手がいる、
そういう構図を勝手に描いて、
その構図に無理矢理はめ込もうと
してきているように感じる。
「いつでも力になるから」と
言われても、そこそこ疎遠の人に
言わなきゃいけないほどの
甘えも悩みもない。
こっちが元気で順風満帆だと
うっすらがっかり感まで伝わってくる。
想定していた会話の展開を
ぶち壊した雰囲気が流れる。

「そんなに私に弱ってて欲しかったか?」
心配してくれる相手に
なぜかイラッとくる。
命に関わる悩みを抱えても
てめーにだけは相談しねーよ的な
意固地な思考回路になる。
なかなかの意地っ張りになる。

別に私の不幸を願っているわけでは
ない事は充分わかる。
久々に会う口実として
食事をご馳走してくれる口実として
そういった言い回しでしか
会話ができない不器用さなのだとも
理解できている。

「仕事ばっかりだと煮詰まるから
 たまには気晴らししろよ」
とか
「愚痴くらいだったら
 いつでも聞いてやるぞ」
とかに対して
「気晴らしにご飯行こう!」
とか
「じゃー愚痴聞いて!」
と言う私のセリフまで
用意してくれていて
「よし、だったら飯連れてったるわー!」
になるんだろうことは
理解している。

だが、しかーし、
私も不器用なのだ。
末っ子のくせに
上からものを言われるのが
極めて嫌いなのである。
なので弱っても弱ってるとは認めない。
死ぬまで弱らない女なのだ。

なので、本気で元気付けたいと
思ってくださるのであれば
「めちゃめちゃ強いお前と
 飯が食いたい!」
と嘘でもいいから言ってほしい。
「めちゃくちゃ強いお前の
 めちゃくちゃ元気な食いっぷりを見たい」
とおだてて欲しい。

そしたら
すごく元気づけられる。
弱らない女を元気付けるには
もー、強い強いとおだてるしか
ないのだ。

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